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モーダル小嶋のTOKYO男子めし 第70回

栄養バランスを考えなくていいという免罪符:

日清「完全メシ 豚辛ラ王 油そば」栄養士も驚きそうなジャンク感

2022年06月08日 17時00分更新

文● モーダル小嶋 編集●ASCII

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「完全メシ 豚辛ラ王 油そば」
日清食品
429円
5月30日発売
https://www.nissin.com/jp/news/10603

完全なるメシ、それが完全メシ

 SF作品などには、「これを食べるだけで一日の栄養が摂れる」みたいな、チューブに入った流動食のような食品が出てくることがあります。まあ、ちょっと古いイメージかもしれませんが……。

 子供の頃、そんな描写に憧れたものの、いざ現実にそういった完全食のようなものが出てくると、「もっとおいしいものがほしい」「いつも食べている料理に近いものがよい」という願いが出てくるものです。

 日清食品は5月16日、新ブランド「完全メシ」を発表。「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」「同 豚辛ラ王 油そば」「同 グリーンスムージー」「同 バナナスムージー」「同 大豆グラノーラ 60g」を5月30日から日清食品グループ オンラインストアで発売しています。

 「完全メシ」は、「日本人の食事摂取基準」で設定された33種類の栄養素(ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸など)をバランスよく摂取できるように設計された新ブランド。

 たんぱく質、脂質、炭水化物の三大栄養素が理想的なバランスであるだけではなく、ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸もバランスよく摂ることができるとうたいます。

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「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」の場合471kcalで、たんぱく質20.9g、食物繊維11.1gと栄養素豊富

 栄養素のえぐみや苦みを感じることなくおいしく食べられるようにする「おいしさの再現技術」、少量の塩でもおいしく感じられるようにする「減塩技術」、米本来のおいしさはそのままに栄養摂取も可能にした「米の加工技術」、麺の中心層の一部に栄養素を配合した「三層麺製法技術」、肉本来のおいしさはそのままに大豆たん白や野菜などを混ぜてフリーズドライした「肉の加工技術」など、同社の最新フードテクノロジーを駆使して、33種類の栄養素とおいしさの完全バランスを実現したとのこと。

 「栄養バランスを考えるのがめんどくさい」「健康的にダイエットしたい」といったさまざまなニーズに応えるため、カップめん、カップライス、スムージー、グラノーラとバラエティ豊かなラインアップを用意しています。

 完全メシシリーズはオンラインストアで1点ずつ購入可能。例えば、「豚辛ラ王 油そば」は429円、「グリーンスムージー」は375円。5品を楽しめる「完全メシ お試し5品セット」は1821円。

「完全メシ 豚辛ラ王 油そば」(429円)

「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」(429円)

「完全メシ 大豆グラノーラ 60g」(213円)

「完全メシ グリーンスムージー」「完全メシ バナナスムージー」(各375円)

「完全メシ お試し5品セット」(1821円)

油そばを調理します

 今回は豚辛ラ王 油そばを食べます。完全メシとはいうものの、“ラ王”の看板を掲げているだけに、味にも期待したいところ。

 ちなみにパッケージには「管理栄養士 9割推奨」とありますが、全国の医療機関に従事している管理栄養士291名を対象としたアンケート調査(2022年2月実施)で、「忙しい日の食事の選択肢の一つとして『完全メシ』を活用してほしいと思いますか?」と質問したところ、91%が「はい」と回答したとのことです。

にぎやかなパッケージ

「栄養バランスを考えるのが、めんどくさい人に!」

栄養成分表示はこんな感じ

 栄養成分表示を見ると、たんぱく質が多めとはいえ、いかにも「即席カップめん」という数値になっています。炭水化物も脂質も、少ないわけではありません。むしろ、ビタミンなどの栄養の効果を補っているところがポイントなのでしょうか。

原材料名の表示が多い!

かやくは先入れ、液体たれ、粉末調味料、仕上げオイルは後入れです

 作り方はよくあるカップめんの油そばと変わりません。かやくを入れてから熱湯を注ぎ、5分待ってから湯切りして、液体たれ、粉末調味料、仕上げオイルを入れて混ぜるだけです。

まず、かやくを入れて

熱湯を入れ5分待って湯切り

全部入れるとこんな感じ

油そばというよりは「まぜそば」
香りと味が刺激的

混ぜました。この時点で香りがすごい

 まず、すごいのが、ニンニクっぽい香辛料と油分の香りです。油そばだからそういうものかもしれませんが、栄養素をバランスよく摂取できる完全メシとうたっておきながら、この匂いの強さはなかなか大胆ですね。管理栄養士さんはどう思うのでしょう。

 そして香りに違わず、刺激的な味です。辛いは辛いのですが、唐辛子のような辛味というよりは、香辛料、ペッパー的な辛味かなあ。ただ、辛すぎはせず、豚の旨味も感じられるので、食べやすい。

 味の特徴としては、粉末調味料に魚粉が含まれていることが大きい。これが味全体を引き締める役割になっているのですが、油そばらしくない雰囲気を生んでもいます。味がダメ……ということではありませんが、油そばというよりは、「まぜそば」っぽい感じなんですよね。

 よって、「魚粉と豚の旨味、ペッパー系の刺激で食べさせるまぜそば」という味わいになっています。そもそも、味自体もけっこう濃いので、「完全メシというからには、ヘルシー志向なのかな」と考えると、びっくりするかも。

麺はやや固め。中心層に栄養素を入れているのが一因でしょうか

 麺はちょっと独特の歯ごたえで、ボキボキしているというか、ややボソボソ気味ではあります。麺の中心層の一部に栄養素を配合しているから、そうなるのでしょう。ただ、具がやや少なめの油そばなので、麺にある程度の食感(食べごたえ)はあってほしいと考えれば、それほど悪くはないかと。

 具材の量はちょっとさびしい気もしますが、まあ、油そばのカップめんならこんな感じかなあ……と思います。キャベツと豚肉、双方ともたくさん入っていれば、食感的にもアクセントになったのでしょうけれども。

 この完全メシの油そば、栄養バランスがいい、健康的である……というよりも、罪悪感を覚えにくい、というのがキモなのかもしれません。そう、濃い味の油そばでありながら、「栄養バランスを考えなくていい」という免罪符的なところがウリなのだと思います。

 ジャンク感をあるものを楽しみたいが、食べると栄養バランスが気になる。そういうことを考えずに食べられる、というのがメリットかもしれません。栄養のバランスがよいとしつつも、味も香りも刺激的、ジャンクフードっぽさをも持ち合わせるという、意外な驚きを持った油そば(まぜそば?)です。


モーダル小嶋

 

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。


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