積極的な成長戦略を5つの指針に集約
新中期経営戦略は、海外事業の統合を含めて、積極的な成長戦略を打ち出す内容となっている。
それを5つの戦略に集約している。
戦略1の「ITとConnectivityの融合による新たなサービスの創出」では、NTTグループとのさらになる連携強化により、Edge to Cloudのサービス提供力を強化。幅広い業界にシステムを提供。企業や業界の枠を超えた業際連携を実現し、新たな社会プラットフォームや革新的なサービスを創出する。
戦略2の「フォーサイト起点のコンサルティング力の強化」では、顧客や業界の未来を構想するインダストリーコンサルティング力と、テクノロジー起点で未来を構想するテクノロジーコンサルティング力を強化。各分野にコンサルティング専門組織を立ち上げるとともに、顧客や業界の未来(フォーサイト)を構想する方法論を整備し、その実践を支援。コンサルティング人財の育成などをサポートする機能も設置する。
戦略3の「アセットベースのビジネスモデルへの進化」においては、グローバルレベルで、NTTデータグループ内の技術、知見、経験などをアセット化し、それらを有効活用することで、顧客への提供価値を最大化する。これまでの受託SIを主体としたビジネスモデルから、自ら提案し、発信するビジネスモデルへと変革し、デジタル時代に最適化したビジネスアジリティを備えた体制へと転換するという。
戦略4の「先進技術活用力とシステム開発技術力の強化」は、技術の成熟度に応じた3つ領域における活動を推進。具体的には、メインストリーム領域では、NTTデータが強みとしている技術の活用力を磨き、グロース領域やエマージング領域の技術に関しては、将来活用される先進技術の目利きを行い、グローバルレベルでのPoCなどを実行するという。
戦略5とした打ち出した「人財・組織力の最大化」では、グローバルで最先端技術が学べる育成プログラムの導入や、多様な人財が活躍できる制度の導入、先進的な職場環境の整備に取り組むほか、グローバル企業としての本社機能の強化も行う。
NTTデータの本間社長は、「5つの戦略を支える仕組みとして、投資と成長の好循環を確立し、Global 3rd Stageに向けた事業成長を実現していく」と語る。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ