電源とメモリーは絶対にケチらないのがSTORM流

社長自らパーツにこだわるSTORM。今買いたい価格別オススメPCと購入時のポイントを解説!

文●高橋佑司 編集● ASCII

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RTX 3080の強力なグラフィック性能と
エアフローを重視した30万円台のハイエンドモデル


――最上位のPG-PD12については、どういった点を意識した構成になっているのでしょうか。

矢内氏:Core i7-12700やRTX 3080を採用した最上位モデルなので、パフォーマンスが高いのはもちろんですが、それと同時にエアフローにも気を使っています。高性能なパーツはそれだけ冷却も大事になってくるので、より吸気と排気に優れるPCケースを採用しています。

ハイエンドクラスのPG-PD12

PG-PD12の主な構成
CPU インテル「Core i7-12700」
(12コア/20スレッド、最大4.9GHz)
マザーボード MSI「PRO Z690-A WIFI DDR5」
(インテルZ690、ATX)
メモリー DDR5-4800、16GB
ストレージ 1TB NVMe SSD、PCIe 4.0
ビデオカード GeForce RTX 3080(10GB GDDR6X)
電源ユニット 1200W(80PLUS PLATINUM)
PCケース MetallicGear「NEO AIR(MG-NE520A)」
(E-ATX、ミドルタワー)
OS Microsoft「Windows 11 Home 64bit」
価格 30万7800円
URL https://www.stormst.com/products/detail/1679

――ハイエンドクラスの構成ですと、どのような設定でゲームを遊ぶユーザーをターゲットにしていますか。

矢内氏:FPSゲームなどで高いフレームレートを維持できる構成を求めている人や、4Kのような高解像度でゲームを遊ぶことも想定した構成です。ゲームによってはレイトレーシング設定をオンにしてより美しいゲーム内ライティングを楽しんだりといったことも可能だと思います。

――今、ゲームのお話をメインに聞いたのですが、ゲームだけでなく動画配信などを行なう用途であれば、どのクラスからを想定していらっしゃいますか。

王氏:ミドル辺りから、動画配信といった用途も意識した構成で考えています。

――エアフローにも気を配っているとおっしゃっていましたが、パーツ構成に対して十分なエアフローを確保できないPCケースを採用しないように、STORMで何か基準を設けているのでしょうか?

王氏:エアフローに関しては過去の記事でも紹介したように、スモーク装置を使って吸気や排気が十分か、テストをするようにしています。パーツの温度もどの程度まで上昇するか、どこまでであれば十分なパフォーマンスが出せるのか考えてケース選びはしています。そのうえで、見栄えがいいようにデザインも考えています。

――このモデルもエントリーモデル同様、ケースの色を白黒で選べますが、製品の価格によって選ばれるケースの色に傾向はあるのでしょうか。

矢内氏:うちでは、エントリーモデルのほうが黒より白いケースが選ばれていて、逆に上位の機能重視のモデルでは黒を選ぶ人が多くなっているイメージです。

王氏:LED付きのパーツでライティング演出をするなら黒のケースが映えるのですが、エントリーモデルではコスパを重視した結果、LED非搭載のパーツが多く、光らないぶんケースを明るい色にしてアクセントにするというのもあると思います。

安心できる製品のポイントは、電源ユニットとメモリー


――PCを購入する時に、メーカーとして特にこだわっているポイントなどはありますか。

王氏:特に電源は重要だと考えています。STORMでは、電源ユニットは80PLUSのGOLDかPLATINUMを使うようにしています。さらに、容量も余裕を持って使えるように、850W~1200Wのものを使うようにしています。

――電源ユニットの基準はほかのBTOメーカーさんと比べてもかなり高めに感じますが、STORMで電源を重視するようになった経緯はあるのでしょうか。

王氏:ビデオカードなどでは、瞬間的に高い電力が必要になるような場面がありますが、電源容量に余裕がないとそういった際に突然落ちてしまうことがあるので、電源には気を使っています。

池田氏:アイティーシーでは、基準が厳しいパチンコ台の電源を扱っていたこともあり、電源に関するノウハウを持っています。うちでは最低でも850Wの電源を使っていますが、実際にPCで使用している電力はそれだけの容量を使うことは基本的にありません。それなら無駄ではないかというとそうでもなく、容量の小さいものだと使っていくうちに内部のコンデンサーなどが故障しやすくなるので、電源だけはきちんと大容量のものを入れるように指示しています。

――そのほかにも重視しているパーツはありますか。

王氏:SSDやメモリーは、自社で半導体製造を行なっているMicronのオリジナルブランドであるCrucialブランドの製品を採用しています。出荷前に実働テストを行なって品質の良い部材を使うようにしています。

池田氏:うちは以前いろいろなサードパーティー製のメモリーを採用して試したことがあったのですが、安心・安全に使える製品というのはなかなか難しいです。メモリーにはJEDECという標準規格があるので、その規格さえクリアできていればいいと考えるところも多いのですが、同じJEDEC準拠のメモリーでも、コアになる部分は若干の違いがあります。やはり製造元のオリジナルブランドとサードパーティー製のものを比べると差はありますので、多少コストをかけてでもこれらは必ず信頼できるパーツを採用するというのがうちの理念です。

――では、メモリーや電源ユニットにこだわるという方針は、社長の池田さんご自身の指示によるものなのですね。

池田氏:前職で、電子部品商社のDRAM専門の営業を担当していたので、DRAMに関する知識を持っているからこその判断です。同じ会社のDRAMの中にも出来の良し悪しがあって、一流のDRAMは大手PCメーカーやオリジナルブランドの製品として売り出される一方で、サードパーティーに渡るのは基準は満たすものの少しランクが落ちるものが多くなります。ですのでサードパーティー製のメモリーは安くなりやすいですが、信頼性は少し落ちてしまいますね。

――メモリーや電源ユニットというと、CPUやビデオカードといったパーツと比べると比較的目立ちにくい部分という印象もあります。STORMでは、そういった部分にあえてこだわるようにしているのですね。

池田氏:PCに不具合が起きた時、動作不良の原因になりやすいのがやはりメモリーと電源ユニットです。BTO PCで不具合が起きれば、BTOメーカーの責任となりますので、そのリスク管理としてこれらのパーツに特に気を使っています。

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