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即納モデルPC+「Microsoft 365」+支援サービスをワンストップ提供、情シス担当者の手間を軽減

デル、中堅中小企業のPC運用負荷を低減する「ゼロタッチPC for SMB」

2022年04月25日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 デル・テクノロジーズは2022年4月21日、中堅中小企業の業務クライアントPC運用を包括的に支援するパッケージサービス「ゼロタッチPC for SMB」を提供開始した。同社のビジネスPC即納モデルとマイクロソフトの「Microsoft 365」を提供するほか、導入に向けた管理者へのトレーニングからヘルプデスク一次対応、故障時の予備機提供、廃棄といったPCライフサイクル管理までを、デル・テクノロジーズがワンストップのオンライン窓口で支援する。クライアントPC 1台から月額制でも利用が可能。

 同サービスは、中堅中小企業のIT/情報システム担当者におけるPC運用負担を軽減することが目的となっている。発表会ではデル・テクノロジーズおよび日本マイクロソフトの中堅中小企業ビジネス責任者が出席し、同サービスを提供する背景や詳細なサービス内容について説明した。

「ゼロタッチPC for SMB」サービスの概要

(左上より)デル・テクノロジーズ 上席執行役員 広域営業統括本部長の瀧谷貴行氏、同社 執行役員 ビジネス営業統括本部長の渡辺幸治氏、同社 西日本副支社長 兼 広域営業統括本部 フィールドセールス本部 西日本営業部長の木村佳博氏、ゲスト出席した日本マイクロソフト 執行役員 常務 コーポレートソリューション事業本部長 兼 デジタルセールス事業本部長の三上智子氏

調達から展開、運用、廃棄までワンストップ窓口で支援

 ゼロタッチPC for SMBは、中堅中小企業(50~300名規模)をメインターゲットとしたパッケージサービス。

 専用ポータルサイトを使った発注や問い合わせ、資料入手による「運用管理のマニュアル対応ゼロ」、Microsoft 365 Business Premiumに含まれる「Microsoft Intune/Autopilot」を活用した「PCの初期セットアップゼロ」、同社事務局やマイクロソフトパートナーを通じた「故障したときの障害対応ゼロ」という“3つのゼロ”を掲げ、IT部門/情シス担当者のクライアントPC運用負荷を大幅に軽減することを目的としている。

ゼロタッチPC for SMBのコンセプト。“3つのゼロ”を通じて業務PCの運用にかかるIT管理者の手間を削減する狙い

 デル・テクノロジーズ 執行役員 ビジネス営業統括本部長の渡辺幸治氏はまず、同社の「中堅中小企業 IT投資動向 2022」調査において、IT投資意向の上位に「クラウド移行」「OS最新化」「テレワーク導入/定着化」といったDX関連項目が並ぶ一方で、「PCライフサイクル管理の見直し」も課題視されている(現場担当者の21%、経営層の17%)ことを指摘する。同調査では、PCライフサイクル管理の具体的な課題として「故障時の障害対応」(56.3%)を筆頭に、「ユーザーからの問い合わせ対応」(31.7%)、「バージョン情報管理」(25.5%)、「調達の際の複数の見積もり」(22.0%)などに手間がかかることが指摘されている。

 渡辺氏によると、IT担当者からは「PC運用管理業務に半分以上の時間を使っている」「メーカーサポートを受けるための障害切り分けに時間を割けない」「複数拠点にわたるPCの発送、設定負荷が高い」「小さなものも含めユーザー問い合わせが多く対応に手が回らない」「Microsoft 365のオフィスアプリしか利用できていない」といった課題の声が聞かれるという。

 「こうした一つひとつの課題に対して、今回発表したゼロタッチPCサービスとMicrosfot 365を組み合わせることで、情シス担当者の負荷を解消、低減できると考えている」(渡辺氏)

PCライフサイクル管理で起こる問題(「中堅中小企業 IT投資動向 2022」調査結果より)と、各課題に対するゼロタッチPCのソリューション

 同サービスでは、ビジネス向けクライアントPCの特定機種/構成を「ゼロタッチPC対象即納モデル」と定め、国内倉庫から最短翌日納品可能にしている(即納モデル以外の機種/構成も購入は可能)。サービス提供開始時点では以下の4機種/7構成で、今後も顧客ニーズに応じて検討していくとしている。

・Latitude 3520(CPU:Core i5、メモリー:8GB/16GB、ディスク:256GB SSD)
・Latitude 5330(CPU:Core i5、メモリー:8GB/16GB、ディスク:256GB SSD)
・Latitude 7330(CPU:Core i5、メモリー:8GB、ディスク:256GB SSD)
・Latitude 7330(CPU:Core i5、メモリー:16GB、ディスク:512GB SSD)
・OptiPlex 3000(CPU:Core i5、メモリー:8GB、ディスク:256GB SSD)

 ユーザー企業専用の「ゼロタッチPCポータルサイト」および「プレミアサイト」も提供する。ポータルサイトは説明資料や仕様書などを提供するほか、さまざまな相談や障害対応などの総合窓口(事務局受付)となる。プレミアサイトは、製品の選択から見積もり、発注、オーダー履歴の参照などが行えるサイトで、調達業務をオンライン化する。

ゼロタッチPCユーザー企業専用のポータル、およびプレミアサイトを提供。オンラインで問い合わせや資料入手、見積もり、発注などが可能

 導入作業をサポートする「ゼロタッチ立ち上げサービス」では、自動プロビジョニングツールである「Microsoft Autopilot」のIT管理者自身による活用を支援する。Microsoft 365アプリやそのほかの主要業務アプリ(Google Chrome、Lhaplus、Acrobat Readerなど)の配布設定を含むAutopilotの初期セットアップを行うほか、Autopilotに関する管理者向けのマニュアルおよびオンライントレーニングを提供する。

 運用フェーズでは「ゼロタッチPC運用サービス」を提供する。デル・テクノロジーズのサービス事務局が、PC利用に関するエンドユーザーからの問い合わせ(ヘルプデスク)や故障交換、廃棄などのワンストップ窓口を担う。なお、従来から提供している「PCマルチベンダーサポート」窓口もここに統合し、他社製PC利用時の問い合わせにも回答する。

 なおPC故障時には、前述した即納モデルPCが「共有在庫」として用意されているため、事務局窓口に交換を依頼すれば最短で翌日に予備機が届けられる。またPCの利用終了(廃棄)時は、30日以内にPCを返却すれば無償(データ消去料金と相殺)で引き取りを行う。

「ゼロタッチ立ち上げサービス」「ゼロタッチPC運用サービス」の概要

 サービス利用価格は、一括/月額購入が選択できるようになっている。ゼロタッチPC立ち上げサービスは一括で35万円、月額では9800円。ゼロタッチPC運用サービスは一括で1台あたり3万円、月額では900円。Microsoft 365 Business Premiumは年額で1ユーザーあたり2万8000円、月額で2390円。即納モデルPCは1台あたり10万円、月額では3000円(以上すべて税抜価格、選択するPC機種やサービス内容により変動)。

 デル・テクノロジーズ 上席執行役員 広域営業統括本部長の瀧谷貴行氏は、同社のIT投資動向調査の結果から、「情シス担当者の業務負荷が高止まりしている」「現状業務が足かせとなって事業変革に着手できない」といった中堅中小企業の課題を紹介した。

 そのうえで、従来のPCライフサイクル管理では、複数のツールやサービスを“パッチワーク”で利用する必要があったが、ゼロタッチPCではそれをワンストップ化できると説明。また、Autopilotによるプロビジョニング作業の自動化、故障時のスムーズな予備機交換も実現することも強調した。同サービスの提供を通じて、国内の中堅中小企業市場におけるPC販売台数を3年間で2倍成長させる目標を掲げている。

 またゲスト出席した日本マイクロソフト 執行役員 常務 コーポレートソリューション事業本部長 兼 デジタルセールス事業本部長の三上智子氏は、日本の中小企業層におけるDXの取り組みが遅れていることを指摘。そうした企業におけるDXのスタートポイントは業務PCやコミュニケーション(Microsoft Teams)周辺の改善であると述べたうえで、「そうした流れの中で、ゼロタッチPCサービスは大きな意味を持つものと考えている」とした。今後、デル・テクノロジーズと共同で「スタートアップセミナー」や、IT管理者のためのワークショップ、ハンズオンセミナーなども開催していくという。

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