発見!私だけの東日本 第7回

温泉施設や美術館、庭園が楽しめる! 東日本・滞在型道の駅を巡る旅

文●栗山春香 マップ●小林美和子

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 地元の食材やみやげなどがそろい、ご当地グルメも味わえる「道の駅」。今回ご紹介する施設は「買う」「食べる」だけではなく、芝生広場や温泉や宿泊施設、美術館、庭園が楽しめる滞在型の道の駅です。その土地ならではの楽しみ方がぎゅっと詰まった「道の駅」でのんびり過ごす東日本の旅、天候にも関係なく施設内で過ごせるのがいいですね。

マップ&工程表

 小山駅からスタート、湘南新宿ラインで宇都宮駅に向かいます。宇都宮駅からは新幹線で大宮駅を経由し、越後湯沢駅から在来線で石打駅へ。在来線で浦佐駅へ向かい、上越新幹線で長岡駅に、そして最終目的地の三条市へは、長岡駅から保内駅に向かうルートです。電車・列車を利用する場合は、それぞれの経由駅が大宮、越後湯沢、浦佐と観光名所の駅でもあるので、乗り換えの時間を調整してみやげを購入したり、駅近の名所を訪れたり、地元グルメを楽しむこともできます。

買って! 食べて! 芝生広場でも遊べる! 小山市「道の駅 思川」

 栃木県南部に位置する小山市。東京圏からは北に約60km、県都宇都宮市からは南に約30kmの距離にあり、東側は茨城県に接しています。地形は関東平野のほぼ中央でほとんど起伏がなく、市中央部には思川(おもいがわ)が、東部に鬼怒川が、西部に巴波川(うずまがわ)が流れ、特に思川は淡い紅色の可憐な花が魅力の小山市原産の桜「思川桜」(例年の見ごろは4月上旬~4月中旬)でも有名な場所です。また南部の渡良瀬遊水地は、貴重な動植物が数多く生息・生育する「自然の宝庫」であり、国の特別天然記念物「コウノトリ」が定着しています。そんな小山市の豊かな自然と肥沃な大地で育った商品を提供しているのが、「道の駅 思川」(写真)です。

小山市の道の駅ならココへ! 道の駅 思川

小山駅西口から車で約15分、車では東北自動車道【佐野・藤岡IC】から国道50号線で13kmに位置する「道の駅 思川」。施設内「小山物語館」は直売所・加工施設とレストランがあり、新鮮な野菜から、スイーツまで品数豊富です。特に、ラムサール条約湿地に登録された渡良瀬遊水地の周辺水田で、農薬や化学肥料を使用せず作られた安全・安心なお米(コシヒカリ)、「ラムサールふゆみずたんぼ米」(写真)が人気です。敷地内に併設される「ワイワイ広場」には芝生の広場と土のグラウンドがあり、大人から子どもまでゆったり楽しく過ごせます。

DATA
住所:栃木県小山市大字下国府塚25−1
道の駅 思川

東京ドーム10個分の滞在体験型ファームパーク! 宇都宮市「道の駅うつのみや ろまんちっく村」

 栃木県の中部に位置する北関東最大の都市、宇都宮市。とちおとめに代表されるイチゴだけでなく、梨、リンゴ、タケノコといった宇都宮のブランド農産物や、「餃子の街」としても知られています。農産物直売所や地物の食材が楽しめる飲食店だけでなく、体験農場や森遊び、宿泊施設がある「道の駅うつのみや ろまんちっく村」(写真)に滞在してみては? なお、従来の路面電車と違い騒音や振動が少なく、快適な乗り心地の「LRT(Light Rail Transit)=次世代型路面電車システム」が2023年に開業予定で、市内の鉄道やバスなど各種交通機関と連携するので、宇都宮散策がさらに楽しめます。

宇都宮市の道の駅ならココへ! 道の駅うつのみや ろまんちっく村

 JR宇都宮駅から「ろまんちっく村行」バス約35分、東北自動車道【宇都宮IC】から車で5分に位置する「道の駅うつのみや ろまんちっく村」。直売所やレストランのみならず、広大な46ha(東京ドーム10個分)という敷地内には宿泊施設まであるので、ゆっくり滞在したい人におすすめです。3つのエリアに分かれていて、まず「集落のエリア」には直売所などの店舗、飲食店、多目的体験ドームから温泉宿泊棟が、次に「森のエリア」には10haのヒーリングフォレスト・みのりの森を中心に自然を体験できる空間が、「里のエリア」では鎧川沿いに広がる体験農場や生産農場、広大な広場など里山の農村の風情がたっぷり味わえます。「集落のエリア」では、栃木の銘菓名産をはじめとしたみやげ(写真)はもちろんのこと、地元契約農家から毎朝、朝採りされる安全な野菜やフルーツ、鉢花や切り花、農産加工品や惣菜、弁当、焼きたてパン工房など、こだわりの商品が点在しています。

DATA
住所:栃木県宇都宮市新里町丙254
道の駅うつのみや ろまんちっく村

雪国南魚沼の「食・美術・歴史・自然」を存分に! 南魚沼市「道の駅南魚沼 雪あかり」

 新潟県中越地方に位置する南魚沼市。米のトップブランド「コシヒカリ」の生産地として有名ですが、サクラの名所でもあり、おいしい地酒や地元のワイナリーで生産されているご当地ワインも数多くそろい、坂戸城跡など歴史的な遺産も多い観光エリア。ウィンタースポーツはもちろんのこと、夏でも楽しめるキャニオニングなどアクティビティも充実しています。そんな南魚沼の魅力がぎゅっと詰まった「道の駅南魚沼 雪あかり」には「今泉記念館」(写真)も併設されています。

南魚沼市の道の駅ならココへ! 道の駅南魚沼 雪あかり

 上越線・石打駅から車で5分、越後湯沢駅から車で15分、関越自動車道【塩沢石打IC】から車で5分の「道の駅南魚沼 雪あかり」。「今泉記念館」「四季味わい館」「憩いの広場」の3つの施設からなり、食・美術・歴史・自然をそれぞれ楽しめる道の駅です。「四季味わい館」(写真)ではご当地の地酒はもちろんのこと、江戸時代の郷土の随筆家鈴木牧之の「北越雪譜」にちなんだ名前の「雪譜(せっぷ)みそ」もみやげで人気。自家製の大豆と南魚沼産コシヒカリを使ってじっくりと仕上げ、麹の原料の米と大豆が同量でつくられた贅沢なつくりの味噌で、甘くまろやかな味が特徴です。レストラン「ちゃわんめし たっぽ家」では南魚沼産コシヒカリを大きなお茶碗いっぱいに食べられるので、米のおいしさを存分に味わいたい人におすすめです。また併設されている「今泉記念館」(入館料一般500円ほか)では、常設展以外にも企画展があるので、行く時期によって作品が変わるのも魅力の一つです。

DATA
住所:新潟県南魚沼市下一日市855
道の駅南魚沼 雪あかり

造園や園芸を見て触れて楽しめる! 三条市「道の駅 庭園の郷 保内(ほない)」

 新潟県の真ん中、県央地域と呼ばれる所にある三条市。刃物など金属製品の加工が盛んな、「ものづくりのまち」としても知られていますが、実は植木・園芸・造園の街でもあります。17世紀から徳川幕府を頂点に、徳川氏の家臣である大名がそれぞれの国を治める体制が固められ、三条市内の保内は上保内と下保内に分けられました。18世紀初頭に下保内は徳川直轄領となり、代官が徳川家の居城のあった江戸へ赴く際に村人がこれに随行すると、江戸で庭木の手入れや接ぎ木の方法を覚えてきました。村に帰ってこれを広めたのが、保内の植木の始まりといわれています。そんな保内の園芸、造園の魅力を楽しめるのが「道の駅 庭園の郷 保内」(写真)です。

三条市の道の駅ならココへ! 道の駅 庭園の郷 保内

 JR信越本線・保内駅から徒歩で約20分、車利用の場合は北陸自動車道【三条燕IC】から国道289号線を南東へ3km、国道403号線を左折後6km(約20分)の「道の駅 庭園の郷 保内」。植木・園芸・造園の街・三条市保内地区にある、季節の移り変わりを楽しめるガーデニング公園として、地元の人からも親しまれる道の駅です。植木や園芸用品、造園資材、地元の生鮮野菜などが並ぶ物販エリア「庭園生活館」、地物野菜や物産品、ガーデニング雑貨などを多数取りそろえる「物産・特産エリア」、オリジナリティあふれる盆栽をはじめ珍しい植木や花に出会える「庭園・園芸植物見本園」(写真)、そして保内の伝統的な庭園技術に、現代の自然志向を融合させた「和風庭園」があり、買うだけでなく、植木の見本園や庭園を楽しめるのも魅力です。

DATA
住所:新潟県三条市下保内4035
道の駅 庭園の郷 保内

ドッグランや温泉、美術館に庭園…ゆっくり過ごしたい滞在型道の駅!

 その土地の魅力がぎゅっと詰まった道の駅。みやげを買ったり、グルメを楽しむための立ち寄り所のイメージがあるものの、今回ご紹介した道の駅はすべて滞在型です。一つ一つの道の駅でじっくり楽しんでみるのもおもしろそうですね。

※この記事は、「つなぐ旅~東日本~ ひがしにほんトラベルガイド」から転載しています

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