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「INNOVATION LEAGUE 2021 DEMO DAY」レポート

スポーツビジネスの明日を切り開く企業が集結 Googleの視覚障害ランナー支援プロジェクトが大賞に

2022年04月14日 11時00分更新

文● 中田ボンベ@dcp 編集● ASCII STARTUP 撮影● 曽根田元

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スポーツから生まれる新たな可能性を表彰

 イベント後半では、スポーツビジネスにおける新しい可能性を讃える「INNOVATION LEAGUE コンテスト」の受賞企業・団体の表彰が行われた。

 スポーツの力で社会を前進させる取り組みを表彰する「ソーシャル・インパクト賞」は、一般社団法人 スポーツを止めるなの「1252プロジェクト」が受賞した。

(C)SPORTS TECH TOKYO

 同活動は、女性アスリートにとって避けては通れない「生理」に向き合うことで、女性アスリートの可能性を広げようという教育・情報発信プロジェクトだ。同プロジェクトリーダーであり、競泳元日本代表選手の伊藤華英氏は、「学校や部活に向けたセミナーの実施や、実態調査を基にした問題提起、女性アスリートによる体験談コンテンツの発信も行っている」と話す。

 また、同団体の最上紘太理事は「女性だけでなく男性も知るべき問題。特に10代女性にとっては今後のパフォーマンスに影響することなので、男性指導者などジェンダーに関係なく知ってもらいたい」とコメントした。

 スポンサーシップ活用の新しい形を表彰する「アクティベーション賞」は、株式会社ookamiの「【Player!】コロナ禍におけるスポーツエンターテイメント3.0」が選ばれた。同プロジェクトは、2年連続でのアクティベーション賞に選出となった。

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 「Player!」は、チームスタッフや現地にいるスタッフがライブ配信を行うオンライン観戦プラットフォーム。テレビ放映がないようなマイナースポーツの活性化を目指しており、現在1600チームが登録し、年間2万以上の試合が配信されている。

 高く評価されているのが、「Player!」を活用した企業スポーツの支援活動だ。集まって応援することが難しい中、例えば「Player!」の限定公開機能を活用し、「みんなで応援できる場」の提供を行っている。直近では北京五輪でも「Player!」を通した応援が実施されている。

 同社の尾形太陽代表取締役は、「北京五輪ではメダル獲得の瞬間を応援者全員で共有するという貴重な経験ができた。これからも企業スポーツの課題解決に貢献したい」と話す。コロナ禍において、オンライン観戦は大いに期待が寄せられているコンテンツだけに、今後の展開に注目したいところだ。

 スポーツの世界が強いられている変化や課題に向き合い、困難を乗り越えようとする取り組みを表彰する「パイオニア賞」には、国立大学法人 筑波大学の「筑波大学アスレチックデパートメント(以下、筑波大AD)」が選ばれた。

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 同取り組みは、「大学スポーツを発展させることで地域の活性化を目指す」という全国初のプロジェクト。「学校が活動と人材育成に責任をもって取り組む」「貢献事業の創造」「全国の学校に情報発信を行い、新たな学校スポーツを創り出す」という3つのテーマの下で活動している。

 具体例としては、新聞社・教材会社と協力して作成したジャーナルの配布や、リーダー研修、体験教室といったプログラムを実施。国内最先端の事例として注目を集めており、今後のさらなる発展が期待されている。

 「イノベーションリーグ大賞」はGoogleの「プロジェクトガイドライン」が選ばれた。視覚に障害のある人でも、スマートフォンを用いることで、「ひとりで自由に走れること」を目指す研究開発プロジェクトだ。

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 今回のプロジェクトでは、Googleの機械学習技術を用いた画像認識AIを開発。このAIを搭載したスマートフォンが地面に引かれた線を見分け、現在走っている位置が線の右、中央、左のどこなのかを音声シグナルでランナーに伝える。

 全盲のランナー・御園政光氏をパートナーに迎え、テストとフィードバックを繰り返し実施。2021年5月に、10kmの距離を御園氏ひとりで走り切ることに成功したという。また、東京パラリンピックでは、盲目のダンサーのガイドにも採用されている。今後はさらにテストを進め、ユーザーにとってより安全で使いやすいシステムにすることを目指す。

 デモデイのラストに再び室伏スポーツ庁長官が登壇。「いずれも素晴らしい内容だった。特にGoogleの取り組みは多くの人の心を打つもので、他のスポーツでの活用も期待している」と「INNOVATION LEAGUE コンテスト」を総括した。

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