このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

AI技術を用いた交通誘導ロボット「Comune+」 ビッグデータで渋滞解消も視野

2022年03月11日 08時00分更新

文● 貝塚/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ドライバーたちの願いを叶えてほしい

 「取得した情報をビッグデータ化して交通渋滞の解消に役立てる」という同社のアイディアが実現すれば、同社のシステムは、人手不足の解消以上の効果を私たちにもたらしてくれることになる。

 “ビッグデータ、AIによる交通渋滞の解消”は、時折話題になるテーマだ。それを実現しようとする事例は、国内でもいくつか確認できる。しかし、いまだ「実用化されて、効果が十分に現れている」とは言えない状態にあるというのが、筆者の実感。先週も幹線道路でひどい渋滞に遭ったばかりだ。

 車によく乗る人なら知っているはず。「いつでも渋滞している道」というものがある。多くは、左折専用レーンなどを設けていない(または、幅が狭く設けられない)ために、右折待ちの車に連なって混んでしまう状態が終日続いていたり、道路脇に店舗が多く、店舗に入るためにスピードを緩める車が多いために、減速が積み重なって大きな渋滞の列になってしまっていたりする。

 「なぜか渋滞している道」に出会うこともしばしばあり、大抵の場合、しばらく進むと、事故車や道路工事による片側通行がその原因になっていたことが判明する。

 いずれにしても、流れが滞る構造上の原因がどこかにあり、道路のキャパシティーを超えた車が一度に流れてしまう状況が渋滞を生むのである。

 Comune+ model-1やComune+ model-2のように、単体で設置でき、ビッグデータをクラウドベースで解析、共有するというシステムが一般化すれば、数キロメートル先の渋滞を緩和するために、「1キロメートル先からスピードを緩めてください」とか「法定速度よりも時速10キロメートル落としてください」といった目安を事前に案内することも可能になる。

 「ロボットが交通誘導をし、同時に取得したデータを用いて、道路がスムーズに流れる手助けをしている」というのは、いかにも未来的で面白い。Comune+ model-1やComune+ model-2が、ドライバーたちの願いを叶えてくれることを期待する。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ