筆者は7年前に国内メーカー初のソニーのA4版デジタルペーパー「DPT-S1」を購入し、4年前には後続機種の「DPT-RP1」に買い替えた。そして3年前には少し小振りなA5版の富士通クアデルノ(QUADERNO)に買い替えて、今も使っている。
この7年〜8年を通して、手元に手書き電子ペーパー系のツールを欠かしたことはないが、ここ最近は国内メーカー勢しかプレーヤーのいなかった日本市場にも、発想の異なる海外製の素晴らしい新機種が登場してきた。筆者も即ユーザーになったのがOnyxの新ブランド「BOOX」だ。
唯我独尊で孤高の国内メーカー系手書き電子ペーパーと異なり、BOOXの最大の特長は、スマホやタブレットに採用されているのと同じ世界標準のAndroidを搭載することだ。当然のようにクラウドストレージ機能を最大限生かし、電子ペーパーから見たパソコンやスマホなどの周辺機器との親和性が圧倒的に優位なことだ。
今回、筆者はまずモノクロのBOOX Nova Airをヨドバシカメラで手に入れた。使っている内にほぼ同じ画面サイズ、重量でカラー画面モデルがあることに気づき、BOOX Nova3 Colorを追加で入手した。いずれも7.8インチE Inkパネルを使用し、Android、解像度は1872x1404(300ppi)だ。
カラーモデルはまだまだ発展途上であり、パソコンに例えるならモバイルコンピューティング創成期の頃のDSTN液晶のようなカラー発色だ。最新の前に飛び出す有機ELの鮮烈カラーのスマホ画面を見慣れている目には、オフ気味に感じてしまうだろう。
ブラックフレームのNova3 Clorはグレー系額縁のNova Airと同サイズの液晶、解像度だが、カラー表示になると624x468(100dpi)と3分の1の解像度となる。しかし実際の操作でその解像度差を感じることはそれほどなかった。両機を同時に並べて比べて見ると、使用パネルの差か全体の発色に差を感じる程度だ。
Nova Airは専用のスマートカバーオプションをマグネット機能でドッキングすることで、カバー側に付属の上下2個のボタンスイッチに画面の左右回転やスクショ機能を割り当てることができて便利だ。BOOX標準では、スクショはアプリのナビボールの1機能として提供され実行することが通常だ。
Androidを搭載しているBOOXに共通するユーザーアドバンテージで最大の効能は、Google Playを利用し、各種Androidアプリをダウンロード、インストールしてごく普通のAndroidタブレットとして利用できることだ。
当然、ウェブ回遊やGmailの受発信なども、アプリ次第で何でもできる。しかし、すでに活用しているスマホやタブレット、そしてパソコンとのシームレスなデータ連携が、極めて簡単にできる手書き電子ペーパーとして割り切って使うことで、その機能は研ぎ澄まされより生きてくるはずだ。
BOOXの日本語表示化は導入設定で日本語を選択することで実装できるが、日本語入力をするにはGoogle PlayでGboardをダウンロード、インストールすることが必要だ。ChromeやEvernote、Outlook、Google Drive、Dropbox、Microsoft WordなどメジャーなAndroidアプリは、BOOXのアプリストアからも最適化されたものがダウンロード可能だ。
筆者は、Nova AirとNova3 Colorの両機にChrome、Gboard、Gmail、Calendar、Dropboxなどをインストールし、BOOX標準の無料クラウドに加えて長く愛用しているDropboxをメインのクラウドストレージとしてアカウント割り当てして連携している。
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