モトローラ・モビリティの主力モデル「moto g」シリーズの最新機種となる「moto g31」は、有機ELディスプレーやパンチホール構造のフロントカメラ、側面の指紋センサーを搭載するなど、よりモダンな内容に進化を遂げながらも、公式オンラインショップで2万5800円という低価格を維持したミドルクラスのスマートフォンだ。その実力を検証してみよう。
有機ELディスプレーの搭載でより薄く軽量に
まずは外観を確認すると、ディスプレーは約6.4型(2400×1080ドット)でサイズは約73.9×161.9×8.55mm、重量は約181g。実質的な前機種となる「moto g30」のサイズと重量が、それぞれ約75.73×165.22×9.14mm、約200gであったことを考えると薄く軽くなっていることがわかる。
その理由はディスプレー素材の変更にあるといえる。moto g30は液晶を採用していたが、moto g31は2万円台という価格を維持しながらも、FHD+(2400×1080)画質の有機ELを採用している。バッテリーサイズはmoto g30と同じく5000mAhなだけに、有機ELの採用がサイズ感の違いに大きく影響していることがわかる。
また有機ELへの変更の影響からか、フロントカメラ部分もノッチではなくパンチホールへと変更がなされている。一方で指紋センサーはディスプレー内蔵型とはならず、側面の電源キーとの一体型という、ここ最近のモトローラ製端末に共通した仕様となっているが、反応速度や認識精度は上々だ。
背面に目を移すと、カメラとモトローラのロゴが配置されている以外はシンプルなデザインで、円状の細かな溝が刻まれていることから指紋が付きにくく、さらさらした触感となっている。カメラの出っ張りはかなり抑えられているので、水平な場所に背面を下にして置いてもあまり傾かず安定感がある。
続いて側面を確認すると、上部にイヤホン端子が備わっているほか、右側面に電源キーと音量キーだけでなく、Googleアシスタントキーが配置されているというのが一般的なスマートフォンとの違いといえるだろう。なお、moto g31は「Dolby Atmos」に対応しており、イヤホンを使えばより臨場感ある音声を体感できることから、音楽や映像を楽しむ際はイヤホンを活用したい。
カメラ機能はスタンダードな内容
次にカメラを確認していこう。背面のカメラは約5000万画素/F値1.8のメインカメラと、深度センサーの機能も兼ねた約800万画素/F値2.2、画角118度の超広角カメラ、そして約200万画素/F値2.4のマクロカメラの3眼構成となる。超広角カメラが深度測位を兼ねたことで、4眼だったmoto 30と比べるとカメラが1つ減っているものの、大きな違いはないといえる。
最近のミドルクラスのカメラとしてはスタンダードな性能といえるが、メインカメラはモトローラ製端末ではおなじみ、4つの画素を1つにして感度を高める「クアッドピクセルテクノロジー」に対応。暗所での撮影に強くなっているのはメリットだ。
写真関連の機能面は従来のモトローラ製端末とほぼ同じで、背景をぼかした「ポートレート」や特定の色の被写体以外はモノクロにする「スポットカラー」、メイン・フロント双方のカメラで同時撮影する「デュアル撮影」などはしっかり搭載されている。ただ動画関連の機能は「スローモーション」「タイムラプス」のみと限定的なので、動画撮影を重視するなら物足りなさを感じるかもしれない。
一方のフロントカメラは約1300万画素/F値2.2と、こちらもスタンダードな内容。もちろん顔を綺麗に撮影する「フェイスビューティー」はしっかり用意されているが、顔のパーツに応じた細かな調整などはできず機能的にはシンプルだ。
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