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ACSL社長 鷲谷氏×千葉大学名誉教授 野波氏、国産ドローン発売特別対談

国産ドローン「SOTEN」は、なぜセキュリティーにこだわるのか

2022年01月25日 11時00分更新

文● 貝塚/ASCII

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鷲谷氏は、インド市場での販売に意欲を示す

――ACSLとして、狙っている海外市場はあるんですか?

鷲谷「インドですね」

――インドですか。

鷲谷「インドには強い脱中国の流れがあるので、このタイミングでインドの市場に入れれば、大きく販売を伸ばせるだろうなと考えています。インドのドローンメーカーって、それほど聞きませんよね?」

野波「うん。有力モデルという意味では、あまり聞かないね。あるにはありますが」

――Phantom 4 Proのシェアが大きいということは、いまのドローン市場は中国が優勢ということですよね。

野波「中国の、物を安価に生み出すパワーは圧倒的ですからね。でも、ドローンの黎明期は、ドイツが頑張っていたんですよ」

鷲谷「最初はドイツだったんですよね」

野波「2000年代の前半くらい。いまDJIのシェアは7割とも言われていますが、DJIがスタートしたのは2006年で、まだ弱小企業でした。まだドローンという呼び方もなくて、マイクロコプターと呼んでいましたね」

――たしかに、ドイツも技術に優れた国というイメージがありますよね。なぜ、いまの状況に変わっていったのですか?

野波「中国がシェアを取った理由は、明らかにコストです。中国独特の手法で、部品を圧倒的に安く集めてきて、アッセンブルして売るという。当時、ドイツ製のドローンは300万円から500万円くらいしていましたが、中国が同等の機能を持った製品を80万円くらい、100万円を切るような価格で出してきた。そこで一気に中国がシェアを握りました」

鷲谷「その後、先生がACSL(前進:株式会社自律制御システム研究所会社)を立ち上げたのが2013年のことです」

野波「当時、とあるヘリコプターの開発製造を行なう企業と共同研究を進めていましたが、同社がハードを、私はソフトを作っていました。当時はドイツ、いまは中国が覇権を取っています。でも、日本も元々こういうことが得意だったんですよ」

――先生の研究チームは1998年から小型無人ヘリの研究をされ、2001年に日本で初めての自律飛行に成功されていますね。

野波「日本でもまともに飛ぶドローンを作ろうと思ったんですね。当時のドイツ製のドローンはよく飛びましたが、よく落ちてもいました」

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