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ニコラス・ハリス(ライトマター)

2022年01月13日 14時10分更新

文● MIT Technology Review Editors

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従来の方法で訓練したニューラル・ネットワークの出力を光学チップで計算する方法を共同開発。高速かつエネルギー効率の高い光学チップを提供するスタートアップを立ち上げた。

数十年の間、物理学者とエンジニアは、電子ではなく光子を利用する光学チップによる演算を夢見てきた。このような回路は超高速で動作し、エネルギー効率にも優れたものになるはずだが、実際に機能させるのは困難だった。

2017年、ニコラス・ハリスとイーチェン・シェンらのマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは、従来の方法で訓練したニューラル・ネットワークの出力を光学チップで計算する方法を解説した論文を発表した。この論文は多数引用された。

同チームの論文には、56のプログラミング可能な干渉計(光の波を精密に分解し、再統合するデバイス)の回路が詳述されている。彼らが製作した回路は、母音の弁別という単純な課題180問を、約75%の正答率で解くことができた。ただし、これは従来のコンピューターでの正答率(90%以上)には及ばない。その後すぐに、シェンとハリスはそれぞれ、競合するスタートアップを創業した。

ニューラルネットワークがいったん訓練され、光学チップ上に実装されてしまえば、推論の実行(例えば母音がどの音に対応するか、自律走行車が路上に出てきた歩行者にどう対処するかの判断)は、ただ光を当てれば済む。そのため、光学チップには高速性とエネルギー効率という強みがある。

2021年3月、ハリスがCEO(最高経営責任者)を務めるライトマター(Lightmatter)は「機械学習アクセラレーター」チップをまもなく発売すると発表した。「これまでとはまったく異なるタイプのコンピューターです」と、ハリスCEOは言う。「現時点で、最先端のデジタル・コンピューターの20倍程度の効率性を達成しています」。ライトマターは2021年5月に2度めの資金調達ラウンドを終え、総調達額を1億1300万ドルに伸ばした。

(Konstantin Kakaes)

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