ユーザックシステムが電帳法対応でのRPA活用についてセミナーを実施
待ったなしの電子取引の電帳法改正対応 クラウドサービスとRPAで乗り切れ
電子取引で便利なファイル操作や大量データの変換処理も可能
一方、Autoジョブ名人は2004年にユーザックシステムが自社開発したデスクトップ型の汎用RPA。発売当初「WebEDI受信名人」の製品名だったことからわかるとおり、元よりEDIと相性がよい。また、電子取引で特に重要になる安定性において高い評価を受けており、現在1000社を超える企業で利用されている。「複雑な業務でも開発・運用しやすい。イレギュラーな処理を起さない、確実な操作を実現する安定稼働が売り」(渡辺氏)のほか、導入しやすい価格、メーカーとしてのサポート体制も充実しているという。
最新のAutoジョブ名人では、全体を見渡しやすいフロー型と詳細な設定に向いたリスト型の2つの設計画面を選ぶことができる。また、画像だけではなく、HTMLタグを認識することで、安定した稼働を実現するという。「画像の場合は簡単だが、成功率は100%にはならない。成功率を上げるためには、試行錯誤と仕掛けが必要」と渡辺氏は指摘する。
これに対してAutoジョブ名人がメインで採用するタグ認識は難易度が高いが、成功率はきわめて高い。Autoジョブ名人では難易度を下げるために、タグ情報を容易に取得できるタグ解析ビューアというツールを用意しているという。
また、スクリプトの実行結果を動画で保存できる「スクリーンレコーダー」という機能を搭載している。テスト開発やエラーの調査の時間を短縮できるほか、業務マニュアルとして利活用できる。ちなみに動画は容量が心配という声があるが、ドライブレコーダーのように一定期間で上書きし、大事な動画のみとっておくという運用になっているという。
電子取引に有効な機能も数多く搭載している。たとえば、Autoジョブ名人はファイル操作を標準機能として持っており、特定フォルダへのファイルやフォルダの移動、コピー、削除、作成のほか、リネーム、圧縮・解凍も可能。さらに大量のデータを確実に処理できる「データ変換ツール」もオプションで用意しているため、数百~数万件のデータ入力も短時間で実現できる。
今年提供を開始したのはWebEDIの自動化をAutoジョブ名人のスクリプトとして有償提供する「名人マーケット」になる。自動化ニーズの高いWebEDIのスクリプトをダウンロードし、Autoジョブ名人に組み込めば、すぐに自動化が実現する。サービスとしては、短期間で確実な稼働を約束する「カスタマーサクセスプラン」も用意している。最初にサクセスプランを顧客と作成し、開発者教育を実施し、さらに3ヶ月以内モデル業務の自動化まで支援する。「導入した企業は3ヶ月でだいたい10業務くらいの自動化を作らせてもらっています」とのことだ。
最後、渡辺氏はまとめとして今回の電帳法の改正が企業のデジタル化促進にあると説明。その上で、間近な2022年から電子取引はデータ保存しなければならないことを再度アピールした。なお、同社の「EOS名人」でもアーカイブ対応バージョンを開発しており、現時点(2021年12月14日時点)でJIMA認証の取得準備に入っているという。