東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部(旧 次世代通信推進課note)連動企画 第49回

【連載】公務員が108の自治体に提案営業をやってみた ~5Gがいつでもどこでも誰でもつながるようになるために~

文●次世代通信推進課

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※新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。

 新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省や首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。またコロナワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。

 東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部です。(旧 次世代通信推進課note)。デジタルサービス局は、デジタルの力を活用した行政を総合的に推進し、都政のQOSを飛躍的に向上させるため、新たに設置した組織です。その中で、ネットワーク推進課は、東京の成長戦略やICT利活用の更なる推進のため、2019年(平成31年)4月に新たに設置された組織です。その中で、次世代通信推進課は、TOKYO Data Highwayの構築を推進し、いつでも、誰でも、どこでも「つながる東京」の実現に向け、取り組んでいます。

 都民の皆様がどこにいてもサクサクつながる環境を構築するため、全国初となる5Gアンテナ基地局を搭載するスマートポールの試行設置や通信事業者が5Gアンテナ基地局を設置しやすいように、行政財産を開放するなど様々な取組みを展開しています。こうした日々の取組みを都民の皆様に情報発信していきます。

■前回の紹介記事はこちら。
【連載】都における自動運転に関する取組をご紹介します!

※過去の連載記事はこちら:東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部ネットワーク推進室(旧 次世代通信推進課note)連動企画

 みなさん、こんにちは!今回は自動運転についてご紹介します。

 デジタルサービス局では、「スマート東京」推進の一環として、自動運転技術を活用したサービスモデル構築の支援を行なっています。

 今年度のプロジェクトや自動運転で出来ることなど紹介していきます。

■忙しい人のための本文のまとめ(概要)■

・5Gエリア構築のために都の保有財産を開放し基地局設置を後押ししてきた
・都だけではまだまだ足りないので都内区市町村や他道府県にも提案した
・徐々に広がりつつあるとともにこちらが学ぶことも多かった

 こんにちは。

 今回は東京都の取組を他の自治体へ提案したというお話です。

5Gを広げるために取り組んできているが…

 私の部署では、5Gのネットワークを早期に構築していくため、都が保有している財産(アセット)を開放して通信キャリアの基地局設置を促しています。

 ※詳しい取組の内容は過去記事をご参照ください
https://note.com/smart_tokyo/n/n4a6eef4dce91

 通信キャリアやアセット所管部署との間で調整を行なう「5Gアンテナ基地局等ワンストップ窓口」を設立して1年8ヵ月が経ち、都庁第一本庁舎をはじめとしたいくつかのアセットには5Gの基地局が設置されエリアが少しづつ広がってきました。

 とはいえ、5Gがいつでもどこでも使えるかというとまだまだそうではないのが現状です。

 また、東京都は今年3月に策定した「『未来の東京』戦略』の中で、2030年に「都内5Gエリアの100%概成」という目標を定めており、これまで以上に5G基地局設置を加速させていくことが課題となっています。

 そのため、事務改善や効率化のためのルール改正など、窓口として思いつくことは可能な限り行なってきましたが、我々だけで対応できることにも限界があるので悩ましいところでした。

パッケージ化して他の自治体に提案

 それなら、同じような取組をする仲間を増やすのはどうか?ということで、「アセット開放」と「ワンストップ窓口」のノウハウをパッケージ化して他の自治体へ提案してみることにしました。

 具体的には、これまで通信キャリアとのやり取りで得た基地局や通信に関する知識や経験を取りまとめたマニュアルと、事務フローで使用していたファイルをひとつにまとめたものをパッケージとして自治体の企画や財産担当に配り、リモート説明会を実施して理解を深めてもらうとともに、興味を持ってもらえたら個別にサポートしていく、というものです。

マニュアルより抜粋「5G周波数の特性」

マニュアルより抜粋「4Gと5Gのサービスに関する比較」

マニュアルより抜粋「ワンストップ窓口事務フローの詳細な解説」

個別にお誘いを

 通常、こういった説明会を実施する際には自治体の企画担当にメールや文書で案内することが一般的ですが、今回の話はこれまでに前例のない先進的な取組(我々も最初は「5GのGってなに? ギガ?」とか「基地局ってアンテナをポンと置けば電波出るんでしょ?」ぐらいの知識でした(笑))であったので、事前に丁寧に説明しつつ我々の熱意を伝えるために、電話でお誘いすることにしました。ご対応いただいた皆様、お忙しいところ本当にありがとうございました。

※電話をかける前に、それぞれの自治体の戦略などを予習すべくウェブサイトなどを確認すると、「DX」や「デジタル」という名称が付いた部署名がだいぶ増えてきたことがわかりました。ちなみに、東京都も令和3年度より「デジタルサービス局」が設置されています(以前の組織は「戦略政策情報推進本部」)。

 これを見ても、各自治体のデジタルに対する姿勢が確実に高まってきていると感じます。

区市町村向けに説明会をやってみた

 実際に都内にある全62の自治体に声をかけたところ、26の自治体に説明会に参加いただき、説明会当日に都合がつかなかった自治体にも、パッケージをお送りしてフォローしました。

 説明会の後、複数の自治体から具体的な問合せがあり、サポートさせていただいています。今年度中にもいくつかの自治体でアセット開放とワンストップ窓口設置が行なわれる見通しです。

5Gは東京だけの話ではない

 ここまで都内での取組についてお話ししてきましたが、5Gの取組は都内に限ったことではありません。

 これまでの4Gは、人を中心としたコミュニケーションのためのネットワークが構築されてきましたが(人口カバー率)、5GではIoT(Internet of Things:モノのインターネット)など産業目的での活用も期待されているため、国は事業の可能性があるところを全国で広範にカバーしていくという方針(基盤展開率)を示しています。

全国の道府県にも連絡してみた

 では全国の自治体ではどういった動きがあるのかということで、こちらも電話して聞いてみることにしました。(ご対応いただいたご担当の方、本当にありがとうございました)

 調べてみると道府県の自治体数は1700以上。ちょっとしたコールセンター開設が必要な規模なので、まずは46の道府県庁への連絡してみました。

 実際にお話しを伺ってみると、既に我々と同じような取組を始めているところもいくつかあったほか、始めたいと思っているが何をしたらいいかわからず困っていたりと様々でしたが、その後具体的にサポートさせていただいた結果、ワンストップ窓口を設置した自治体も出てきています。

 都の取組を参考にしつつも、事務フローやスキームなどをカスタマイズして、より自分たちがやりやすい形で進めているところが多く、知識や経験の「オープン化」の良いところが出ていると感じました。

連絡とセットで情報交換

 区市町村と道府県の皆さんに具体的なサポートをする際は、リモートで行なうことがほとんどなのですが、その際には庁内の執務環境やデジタル化についても併せて聞くようにしています。

 リモート会議はほぼ皆さん実施されていて、ペーパーレスもかなり進んでいるように感じました。しかしテレワークについてはなかなか進んでないという印象で、これは端末と慣習の2つの問題が影響しているようです。こちらも継続して情報交換を行なっていくつもりです。

 将来的にはクラウドのグループウェアなどを使ってオープンな議論ができるようになれば、もっと連携が進んでいくのではないかと思っています。

今後更に5Gエリアを拡大していくために…

 こうして都内62区市町村と全国46道府県、合わせて108の自治体に提案と情報交換を行なってきました。今後はこの連携の輪をもっと広げていくとともに、更に5Gエリア構築を加速していくための仕掛けをいくつか考えています。こちらも形になり次第、お知らせさせていただきます。

 最後に、この話を読まれて興味を持っていただいた自治体のご担当の方がいらっしゃいましたら、どうぞお気軽にご連絡、ご相談ください。

 各自治体で力を合わせ、5Gネットワークを一緒に広げていきましょう!

【この記事に関する問合せ先】
ネットワーク推進課ネットワーク推進担当 佐藤・正田・大石
メール  : S1100302@section.metro.tokyo.jp
部代表電話: 03-5320-7622

◆この記事は、下記より転載しています
https://note.com/smart_tokyo