鳴り物入りで登場したBALMUDA Phone。ティザーの雰囲気や発表会の様相は既存のスマホの延長上にあるモノと考えた多くのユーザーとの距離感がありあらぬ方向の話題を呼んだ。しかしスマホの既成概念を離れて使ってみればなかなかおもしろい商品だ
11月26日に発売、出荷されたBALMUDA Phoneを速攻で手に入れた。初めてその存在を知ったのはウェブ上で展開されていたティザー広告だった。発表と同時にネット上で商品の評価は大きく割れた。ざっと見た限り好感派は極めて少なく1割ほど。しかし物言わぬ新世代層がユーザー候補なのか、好感度評価は少しだけ増加中だ。
ネットで見た発表会風景で印象的だったのは「曲線だけのデザイン」というタグワードだった。しかし個人的にはここは大いに引っかかった。過去にLGのG Flexのユーザーだった筆者としては、一番肝心のディスプレー画面だけがフラットなのが残念だった。
確かに曲線の背面は手のひらに優しく持ちやすいが、フラットなテーブルなどにうつ伏せて置くと持ち上げにくい。手に持って使えば心地よい計算機(電卓)機能だが、机の上に置いて使ってみると四隅にある数字キーや機能キーを押すと全体がガタついて落ちつかない。どうもBALMUDA Phoneは、四六時中手に持ってニギニギするスマホのようだ
発表者側の製品にかける強い思いを聞いてみると、BALMUDA Phone開発企画の基本にあるのは「スマホの画一化の打破」にあるようだ。確かに筆者から見てもiPhoneの世界は右を見ても左を見てもソックリさんだらけの印象だ。
一方「肉食系のAndroidワールド」に目を移せば、超個性的スマホの他流試合世界大会の側面も見えてくる。しかしiPhoneが過半数を占める日本市場において、多くの人が一番使うことの多いブラウザーを前提にすれば、Androidスマホも画一的な6インチ超のモノリスライクな単なる四角い板切れに向かってしまうのも止むを得ない。
実際にBALMUDA Phoneでブラウザーを起動してみると、見えるコンテンツはどこにでもある6インチ強クラスのスマホの3分の2くらいしか見ることができない。これは明らかにスマホという観点では不利だが、コロコロした外観の実測137gという柔・軽量性能は大画面スマホの3分の2ほどで軽量で持ちやすい利点でもある。BALMUDA Phoneの登場はユーザーの自由な選択肢を提供できる新たな国産メーカーの登場なのだ。

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