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T教授の「戦略的衝動買い」 第662回

既成概念に縛られない曲線美スマホ「BALMUDA Phone」を衝動買い

2021年12月09日 12時00分更新

文● T教授 撮影●T教授 編集●ASCII

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鳴り物入りで登場したBALMUDA Phone。ティザーの雰囲気や発表会の様相は既存のスマホの延長上にあるモノと考えた多くのユーザーとの距離感がありあらぬ方向の話題を呼んだ。しかしスマホの既成概念を離れて使ってみればなかなかおもしろい商品だ

 11月26日に発売、出荷されたBALMUDA Phoneを速攻で手に入れた。初めてその存在を知ったのはウェブ上で展開されていたティザー広告だった。発表と同時にネット上で商品の評価は大きく割れた。ざっと見た限り好感派は極めて少なく1割ほど。しかし物言わぬ新世代層がユーザー候補なのか、好感度評価は少しだけ増加中だ。

発売日に届いたBALMUDA Phone。予約時に出遅れてブラックのカバーは一時的に品切れだった。Galaxy Z Fold2 5Gやrazr 5Gに比べれば、以外に地味な堅実派のパッケージングだ

 ネットで見た発表会風景で印象的だったのは「曲線だけのデザイン」というタグワードだった。しかし個人的にはここは大いに引っかかった。過去にLGのG Flexのユーザーだった筆者としては、一番肝心のディスプレー画面だけがフラットなのが残念だった。

曲線ばかりのBALMUDA Phoneがウリだが……、数年以上前に筆者が愛用していたLGのG Flexこそが真の曲線スマホだった

できればディスプレー面は曲面OLEDにして欲しかった

 確かに曲線の背面は手のひらに優しく持ちやすいが、フラットなテーブルなどにうつ伏せて置くと持ち上げにくい。手に持って使えば心地よい計算機(電卓)機能だが、机の上に置いて使ってみると四隅にある数字キーや機能キーを押すと全体がガタついて落ちつかない。どうもBALMUDA Phoneは、四六時中手に持ってニギニギするスマホのようだ

ディスプレー面だけは「直線フラット」なので、シリコンカバー装着時はまだ大丈夫だが、ケースなしでフラットなテーブル上に置くと、取り上げには爪で引っかけることが必要だ

 発表者側の製品にかける強い思いを聞いてみると、BALMUDA Phone開発企画の基本にあるのは「スマホの画一化の打破」にあるようだ。確かに筆者から見てもiPhoneの世界は右を見ても左を見てもソックリさんだらけの印象だ。

 一方「肉食系のAndroidワールド」に目を移せば、超個性的スマホの他流試合世界大会の側面も見えてくる。しかしiPhoneが過半数を占める日本市場において、多くの人が一番使うことの多いブラウザーを前提にすれば、Androidスマホも画一的な6インチ超のモノリスライクな単なる四角い板切れに向かってしまうのも止むを得ない。

iPhoneワールドは別にしてAndroidスマホの世界は個性スマホの他流交際試合だ

 実際にBALMUDA Phoneでブラウザーを起動してみると、見えるコンテンツはどこにでもある6インチ強クラスのスマホの3分の2くらいしか見ることができない。これは明らかにスマホという観点では不利だが、コロコロした外観の実測137gという柔・軽量性能は大画面スマホの3分の2ほどで軽量で持ちやすい利点でもある。BALMUDA Phoneの登場はユーザーの自由な選択肢を提供できる新たな国産メーカーの登場なのだ。

画面サイズは一般的な6インチ超のスマホの3分の2ほど。もちろん外形サイズも重さも3分の2以下で片手で持って操作もたやすい

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