大音量のスピーカーに大画面を生かすインターフェースも
ゲーム以外のコンテンツを楽しむ上でも、Xiaomi Pad 5は大きな魅力を備えている。11型の大画面ということに加え、本体内に4つのスピーカーを搭載しており、タブレット単体でも迫力ある音響体験を得ることができるからだ。
またドルビーアトモスにも対応しており、「グラフィックイコライザー」で細かな音響設定ができる仕組みも備わっている。音楽だけでなく、映像視聴時も音質面での満足感は高く、音にこだわる人にもマッチしているといえよう。
Xiaomi Pad 5はさらに、ほかのタブレットと同様、大画面を生かしてアプリを同時に複数利用することも可能。アプリタスクの一覧から、アプリのアイコンを長押しすることで、アプリを分割表示したり、ポップアップ表示したりできるが、分割もしくはフローティング表示できるアプリは1つまでと限られているのと、感じ方に個人差はあるだろうがiPadなどと比べインターフェースの洗練度がやや落ちると感じたのは惜しいところだ。
続いてカメラを確認すると、背面のカメラが1300万画素のシングルカメラ、フロントカメラが800万画素とかなりシンプルな構成だ。ただタブレットの使い方を考慮するならば、外で撮影するというよりはビデオ通話などの利用がメインになってくると考えられるので、性能がものすごく高いという訳ではないがこの程度の性能があれば不足することはないだろう。
ただそれでも、「夜景」や「ショートビデオ」、フロントカメラの美肌機能などはしっかり備わっている。スマートフォンほどではないとはいえ撮影機能は充実しているといえよう。
そしてバッテリーを確認すると、8720mAhと非常に大容量。公式には16時間の動画再生、10時間のゲームが可能とされているが、そこまで長時間コンテンツを楽しむことはあまりないだけに、自宅で利用する分には十分な性能といえる。
なお、Xiaomi Pad 5はモバイル通信機能を備えておらず、利用できる通信はWi-Fiのみ。もちろんテザリングやモバイルWi-Fiルーター経由で外でも通信することは可能だが、どちらかといえば自宅での利用をメインと位置付けているのだろう。
【まとめ】唯一無二のハイエンドだけに
それを生かせるアプリが課題に
Androidタブレットの市場で唯一気を吐いていたファーウェイが、米国からの制裁を受けてOSを「HarmonyOS」へと移行したこともあって、長きにわたって高性能なAndroidのタブレットが登場せず不満を抱いていた人も多かったと思う。それだけに、性能が非常に高いXiaomi Pad 5がもたらした恩恵は非常に大きいといえ、ハイエンドのAndroidタブレットが欲しい人には現在のところ、唯一無二の選択肢となること間違いない。
なお今回お借りしたのは本体のみなので、「Xiaomi Smart Pen」は使用していないことから、そちらに関する評価は控えている。Xiaomi Pad 5単体でもさまざまなコンテンツを楽しんだり、ちょっとした仕事に活用したりするのには十分だが、ペンが加わることでタブレットの使い方が大きく変わってくるだけに、その利活用も注目される所だ。
価格もシャオミ公式オンラインショップで4万3780円とお手頃で、日常的に利用するタブレットとしては十分オススメできるが、長らく市場に高性能なAndroidタブレットが出ていなかったこともあって、iPadと比べるとタブレット関連アプリの充実度が低いことが悩ましい。とりわけ実用系やクリエイティブ関連のアプリ充実度が低いことは、Xiaomi Pad 5の高い性能を生かして利用の幅を広げる上でも障壁となってくるだけに、Xiaomi Pad 5の登場を機として再びハイエンドのAndroidタブレットが盛り上がってくることを期待したい所だ。
| シャオミ「Xiaomi Pad 5」の主なスペック | |
|---|---|
| ディスプレー | 11型 |
| 画面解像度 | 2560×1600 |
| サイズ | 約254.69×166.25×6.85mm |
| 重量 | 511g |
| CPU | Snapdragon 860 (最大2.96GHz、オクタコア) |
| 内蔵メモリー | 6GB |
| 内蔵ストレージ | 128/256GB |
| OS | MIUI 12.5 for Pad |
| 無線LAN | IEEE802.11ac |
| カメラ画素数 | リア:1300万画素/イン:800万画素 |
| バッテリー容量 | 8720mAh |
| 生体認証 | 顔認証 |
| カラバリ | コスミックグレー、パールホワイト |
| 価格 | 4万3780円(128GB) 5万4780円(256GB) |

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