自社工場でのネットワークトラブルをきっかけに企画、つなぐだけで接続機器や状態を可視化
PFU、工場内ネットワークの可視化や異常検知を行う「iNetSec FC」発表
2021年10月27日 11時00分更新
PFUは2021年10月27日、工場内に配置されたネットワーク機器やネットワーク接続デバイス(工作機械、制御機器、ロボット、カメラなど)を検出し、ネットワークの構成や負荷/異常の状況、障害影響範囲などを可視化する「iNetSec FC」を発表した。同製品を接続するだけの自動検出、生産設備に影響を与えない「パッシブ検知方式」など、工場の現場ニーズに合わせ開発している。2022年2月からの出荷開始予定。
iNetSec FCは、PFUがオフィス/ITネットワーク向けに開発してきた「iNetSecシリーズ」の独自技術を用い、新たに工場向けのソリューションとして発売する製品。ネットワークから情報収集を行う装置「iNetSec FC ネットワーク見える化センサー」と、Windows Server/Windowsに対応する管理ソフトウェアにより構成される。
見える化センサーを工場内の現場ネットワーク(OTネットワーク)に接続すると、工作機械や制御機器などあらゆるネットワークデバイスを自動で検出し、可視化する。IPアドレスやMACアドレスに加え、PCやタブレットなどのIT機器では、独自の「エッジ・アナライズテクノロジー」を用いてメーカー名/OS/ホスト名などの詳細情報も取得、表示する。また、機器同士の接続関係(ネットワークトポロジー)も可視化されるため、「どの機器に何のデバイスがつながっているか」「この機器が故障した影響範囲はどこか」といったことがアプリケーション上で判断できる。
機器検出時に工場内の生産設備に影響を与えないよう、一切のパケットを発信しないパッシブ検知方式も備えており、詳細情報を取得できるアクティブ検知方式と併用する(特定の機器のみアクティブ検知を設定する)ことができる。
また、スイッチのポート単位でネットワーク負荷や品質(転送エラー数)も時系列で可視化する画面も用意されており、ネットワークトラブルのリスクを事前に把握して改善につなげられるほか、トラブル発生時には原因の特定に役立つ。
今回のiNetSec FCでは、IPアドレスを持たないスイッチングハブ(ノンインテリジェントスイッチ)の自動検出も行える「エッジ・アナライズテクノロジー 2.0」を採用した。PFUによると、工場のOTネットワークではスイッチングハブが導入されているケースが多く、こうしたネットワーク環境への対応として採用したという。実際に、PFU自身も自社工場でスイッチングハブの故障に起因するライン停止を経験し、これがiNetSec FCを開発するきっかけになったという。
iNetSec FCの標準価格(税抜、ネットワーク見える化装置1台と管理ソフトで構成)は、初年度が48万円、2年目以降が36万円。なお見える化装置1台あたり、管理機器数は3000台まで、またネットワークセグメント数は3セグメントまで(タグVLANは32セグメントまで)。また管理ソフトでは最大1万台の管理機器数、最大100台の見える化装置までカバーする。