カメラの主流はスマホからARメガネになるのか?
まだまだ機能は限定的だが将来はわからない
そしてAR側の挑戦も続けてきた。「最終的には、普通のメガネのようなものにホログラム機能があり、デジタルの3Dワールドが組み合わさる」とZuckerberg氏は展望する。とは言え、技術的課題は多い。小さな筐体にコンピューティングを詰め込むこと、人が顔に装着するため熱対策が必要であること、十分な持続時間を持たせること、などの課題を挙げつつ、「今後10年で最も面白い技術的挑戦になる」とした。今回のRay-Ban Storiesは現時点での成果となる。
これらの機器、そして特徴を活用したアプリが出てくるというのが、“次のプラットフォーム”という主張の理由だ。次とは、スマートフォンの次である。「PCやスマートフォンを完全に置き換えることはないだろう。だがVR/ARはこれらに匹敵する規模と重要性を持つだろう」(Zuckerberg氏)。それによりメタバースの時代がやってくるというものだが、それについてはここでは省略したい。
スマートフォンをいちいち取り出す必要がなく、ハンズフリーで写真と動画が聞けて、音楽が楽しめる。現時点でのRay-Ban Storiesのウリはこの範囲だ。
携帯電話がカメラの出荷台数を上回ったのは、2003~2004年の頃。当時全盛期だったNokiaが世界最大の“カメラ出荷メーカー“となった。今度はARメガネがスマートフォンのカメラを上回るのだろうか? 普段からメガネもサングラスもかけない私には、まだその未来は予想できない。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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