Windows 11やWindows 10 Ver.21H2のプレビューが登場したので、現時点での情報からWindowsが今後どうなるのか、まとめていこう。なお、Windows 11のプレビュー版は、先週も更新されビルド番号は22000.100となった。細かな変更が多いが、標準搭載であるTeamsのチャットアプリが利用できるようになり、タスクバーに表示される(ただし、一部のWindows Insider Programのみに配布)。
Windows 11の機能アップデートは年1回の頻度で提供予定
Windows 11は、2021年下半期中に配布が開始される。おそらくは、2021年の米国クリスマスシーズンのPC新製品には間に合うのではないかと思われる。また、同時期にWindows 11への無償アップグレードが開始されるはずだ。しかし最初は、Windows Insider Programに加入しているユーザー向けで、一般ユーザー向けへのアップグレードは2022年明けからだろう。
このWindows 11はWindows 10とは違い、機能アップデート(Windows Updateの機能更新プログラム)は年1回。各バージョンのサポート期間は、Home/Proエディションで2年(24ヵ月)、Enterprise/Educationエディションで3年(36ヵ月)となる。現在のように、機能アップデートに対して、ユーザーが「インストール」ボタンで許可を出すような方式なら、HomeやProを使う一般消費者ユーザーも、1つのバージョンを2年近くは使い続けることも可能になりそうだ。
とは言え現在でも、インストールされているバージョンのサービス終了が近づくと勝手にインストールが開始されることを考えると、実際には、アップデートを半年程度延長できるだけかもしれない。それでもこれまでの年2回に比べると痛みは少なくなる。
これまでも新しいWindowsのリリース直後は、いろいろと問題があったことを考えると、Windows 11も2023年ぐらいまでは不具合も出そうだ。だとすると、できるだけ最新版を使った方がいいのかもしれない
Windows Updateの仕組みはそのまま継続されるため、AIによってなんらかの障害が予想されると判定されたハードウェアには、Safeguard Holdsが働いて、アップデートが停止する。昨年の20H1では筆者のマシンのうち1台でアップデートが可能になったのは、20H2のリリースが始まる時期だった。このため、Windows 11の各バージョンのサポート期間が2年あったとしても、機種によっては機能アップデートが半年以上後ろにずれる可能性もある。
Windows 11でも、毎月のB-Update(毎月第2火曜日の午前10時に配布開始される品質アップデート。累積的なアップデートとセキュリティアップデートが配布される)に関しては、現在と同じになるようだ。Windows 11では、配布サイズが最大40%小さくなるとしている。圧縮しているのか、重複や本来差し替え不要だったファイルを取り除いているのかは不明だが、少なくともダウンロード時間は短くなりそうだ。
Microsoftの以前のドキュメントでは、Windows 10でも対象マシンの状況に応じて、必要なファイルのみをダウンロードするようになっていたので、更新が不要なファイルなどは含まれていないと考えると、なんらかの圧縮がなされている可能性が高い。しかし、圧縮処理だとすると、インストール時間や再起動時間については、ほとんど短縮されないと考えられる。ダウンロードやインストール処理の一部は、Windowsが動作している間にバックグラウンドで実行されているため、気がつかないこともある。ユーザーが体験するのは再起動処理だけであり、体感的にはWindows 11の毎月の品質アップデートは、Windows 10のそれとほとんど変わらないだろう。
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