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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第717回

家の中でiPhoneとソニー「α7C」を使い分けて猫を撮る

2021年06月15日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家 編集●ASCII

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ゲロルシュタイナー(天然炭酸水)の箱にはいったスパークリングかふか。猫の目の高さで正面から狙ってみた。レンズはシグマの65mm F2.0。2021年6月 ソニー α7C

 この連載では外で出会った猫(どこぞの飼い猫だったり地域猫だったり)が中心なのだけど、その影でうちの飼い猫かふかの写真もナニゲにたまってるわけで、今回は飼い猫を撮る話。

 5月に扇風機を出したら、扇風機をしまってあった袋にうちのかふかが入り込んで、袋から顔だけ出してたのがおかしくて写真を撮ろうと思ったのだが、手が届く範囲にあるのがiPhoneだけだった。せっかくだからデジタル一眼で撮りたいのだが、カメラを撮ろうと動くとかふかは絶対に袋から出ちゃう。実際、このあとでカメラを撮りにいこうと動いたらかふかがわたしの動きにつられて出てきちゃったのだ。

 さすがに部屋のあらゆる場所にカメラを置いておくわけにもいかないので、必然的にiPhoneで撮ることが多くなる。

気がついたら扇風機をしまってあった黒い袋にはいってたかふか。これは見逃せない、と手元にあったiPhoneの望遠カメラでとっさに撮影。2021年5月 アップル iPhone 12 Pro Max

 最近のかふかはやたら人間に甘えてくるようになってて、立ち上がったとたんにタタタタと走ってきてソファに先回りし、膝に乗せろと鳴く。まあ、猫を膝に乗せてiPhoneでニュース見るとかTwitterするとかすればいいかって感じで手にiPhoneを持ってかふかに付き合うのでこういう写真を撮るときはどうしてもiPhoneになる。

iPhoneを手に部屋の中を歩いてたらかふかが先回りして「膝に乗せろ」と鳴いたのですかさず撮ったの図。最近、ソファに座って膝に乗せろさわぐのだ。2021年4月 アップル iPhone 12 Pro Max

 飼い猫とスマホの相性がいいのは、手を伸ばせば届く場所にあるからだ。今では慣れたもんで、かふかを膝に乗せたままiPhoneのリアカメラで勘で撮っても外さなくなってきた。

膝で落ち着いたかふかを自撮り。リアカメラの方が高画質なので右手を伸ばして勘で撮影。膝猫自撮りにはスマホである。2021年5月 アップル iPhone 12 Pro Max

 でも、時にはデジタル一眼でカッコよく撮ってあげたいと思うわけで、そういうときはソニーの「α7C」に単焦点レンズを付けて取り出すことが多い。猫目AFは偉大なのだ。

 これはプリンターの上に載ってるかふかを横から。プリンターやパソコンが置いてあるラックの横にはよく使うケーブル類がすぐ取り出せるようにいくつもぶらさげてある。

 わざとその隙間から覗く感じで狙ってみたのがこちら。手前のケーブル類や無造作にぶら下げてあるバッグがほどよくボケてくれないと様にならないのでこういうときはフルサイズセンサー機+明るい単焦点レンズがいい。で、あとは猫目AFさんよろしく、だ。

プリンター(複合機なので上面はフラットなのだ)の上に載ってるかふかをケーブルの隙間から。横からの光でちょっと渋い感じに。レンズはシグマの35mm F2.0。2021年1月 ソニー α7C

 冒頭写真はゲロルシュタイナー(ドイツの天然炭酸水)をケースで買ったとき、その段ボールにかふかがすっとおさまってたので正面から狙ってみた。正面から猫目線で撮ろうとすると、かふかは遊んで貰える(あるいは何かおやつでも貰える)と思ってこっちへ歩いてきちゃうので、そういう気配を見せないでさりげなくすっと撮るのが難しい。

 次はソファの上でくつろいでるところを横顔のアップで。彩度を高めにして撮ってるので鮮やかに。

横顔をアップで。レンズはシグマの65m F2.0。中望遠でアップで撮ることで背景をコントロールできる。その正体はソファの背もたれにかけてある布なんだけど。2021年6月 ソニー α7C

 夏が近くなると窓や各部屋の扉を開けて風通しをよくする。すーっと抜ける風が気持ちよくて、冷房が必要になる季節まではそれで快適に過ごせるのだが、そうなるとうちのかふかが行方不明になる。涼しい場所を探して姿をくらますのだ。

 今年のお気に入りはキャリーバッグ。納戸として使ってる一番北側の……つまり涼しい部屋に積まれた段ボールの上に無造作に置いてあるのだが、そこにちょこんと収まって顔を出してるのだ。どうやらかふかの避暑地だ。

カメラを持ってそっと納戸の灯りを付けると、キャリーバッグから顔を出してた。ここが落ち着くらしい。この季節にしか見られない姿だ。2021年6月 ソニー α7C

 こうしてみると、確かにフルサイズセンサー機で明るいレンズで撮ると前後がきれいにボケるしクオリティーも高いのだけど、ちょっと客観的な感じがする。逆にiPhoneは背景もぼけないしちょっと広角だけど、近い距離で撮ってることもあってすごく身近な親近感のある写真になりやすくてそれはそれで味がある。上手に使い分けましょうって話だ。

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筆者紹介─荻窪圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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