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Apple M1搭載で大幅性能アップの「iPad Pro」&カラフル7色「iMac」特集 第29回

約4割速い「M1搭載iPad Pro」旧モデルユーザーから見てもうらやましい進化だ

2021年05月19日 22時00分更新

文● 西田 宗千佳 編集●飯島 恵里子/ASCII

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Macとまったく同じM1の採用で「4割性能アップ」

 ではなにが変わったのか? まずはプロセッサーだ。「A12Z Bionic」から「M1」に変わった。結果として、「処理能力は4割程度上がった」とアップルは説明している。ベンチマークで試してみよう。使ったのはおなじみ「GeekBench 5」だ。数字をみると確かに、おおむね4割くらい速くなった、ということのようだ。

GeekBench 5でのCPUベンチマークの値。白が2021年モデルで、黒が2020年モデル。コア性能・コア数の変化とクロックの上昇もあってか、大幅に数字が改善している

GeekBench 5でのMetalベンチマーク。GPUコアの数が大幅に違うこともあり、M1搭載の2021年モデルはかなり性能が高い

 このベンチマークの値は、同じM1を使う「iMac」や「MacBook Pro」とほぼ同じ値になっている。要は、「M1はどの製品に使われているものも同じ」ということなのだろう。そう考えると、「MacBook Proで出ている性能がiPad Proでも使える」ということになる。

iMacのCPUベンチの値も合わせて。M1搭載同士、iPad Proと非常に近い値となっている

 実アプリケーションでみると、価値はさらにわかりやすくなる。

 アドビの写真管理アプリ「Lightroom」を使い、144枚のRAW形式写真をJPEGで書き出すまでにかかる時間を計測したところ、2020年モデルでは「約152秒」かかったものが、2021年モデルでは「約96秒」に短縮された。約37%の待ち時間短縮だ。

 同じくアドビのビデオ編集ソフト「Premiere Rush」で2分30秒に編集した4K動画を書き出す時間を計測したところ、2020年モデルでは「約180秒」だったものが、2021年モデルでは「約113秒」になっている。38%短縮された格好であり、傾向は同じだ。こうしたことはやはり、映像・画像製作にiPad Proを使う人によっては明確なメリットと言える。

 なお、M1採用に伴い、メインメモリーは8GBもしくは16GB(16GBはストレージが1TB、もしくは2TBのモデルの場合)になっており、従来の「6GB」より増えている。iPadの場合、メモリー量の違いはMacなどより気づきにくい傾向にあるが、たくさんのアプリを切り替えつつ使ったり、大きなデータを扱う編集作業などを行ったりする場合には、少ないより多い方が良いのは間違いない。

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