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Xperia温故知新! 波瀾万丈な歴史を紐解く 第74回

Xperia Xシリーズのメイン機「Xperia X」はカメラが上位機種と同じミドルハイモデル

2021年05月14日 10時00分更新

文● 君国泰将 編集● ASCII

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ススタンダードモデルだが
CPU以外上位モデルとスペックは同じ「Xperia X」

 今回紹介する国内では発売されなかったXperiaのグローバルモデルは、2016年第2四半期に登場した「Xperia X」です。コードネームはSuzu、モデル番号は「E31xx」でした。

 2016年の「Mobile World Congress(現・MWC Barcelona)」にてXperia Xシリーズを発表しました。それまで長らく続いたZシリーズから、スペックの進化のほか、インテリジェンスを加えてユーザーの快適な生活をサポートするというコンセプトを持つXシリーズへと大きく方向転換をした時期です。

 このとき、「Xperia X Performance」、「Xperia X」、「Xperia XA」の3ラインナップとして登場しました。 「Xperia X Performance」は国内でも発売されたフラッグシップモデル、「Xperia XA」は下位モデル、そしてシリーズ名と同じネーミングとなる「Xperia X」がちょうど真ん中のミッドレンジモデルとなります。

 Xperia Xは、プロセッサーこそ「Snapdragon 650(MSM8956)」と少し抑えられてはいるものの、メモリーやカメラ機能、ディスプレー解像度などは上位モデルのXperia X Performanceと同等であり、非常に高いスペックを持っていたのです。なお、メモリーは3GB、ストレージは32GB(最大200GBのmicroSDXCカードに対応)、バッテリーは2620mAh、OSはAndroid 6.0を搭載していました。本体サイズは、約69×143×7.9mm、重さは153gと今となってはコンパクトです。

 ディスプレーサイズは約5型(1920×1080ドット)で、綺麗に映し出すための幅広い色再現領域を持つ「トリルミナスディスプレイ for mobile」や、動画もよりリアリティー豊かに再現するソニー独自の超解像技術「X-Reality for mobile」といった高画質機能を搭載しています。

 デザイン面では2.5D仕様のガラスパネルを採用し、背面はメタル素材ではないものの見た目に金属の質感を感じられる作りとなっており、手になじむラウンドフォルム。また、ディスプレー周りのベゼルは、本体のカラーと統一され洗練されたデザインとなっていました。カラバリはホワイト、グラファイトブラック、ライムゴールド、ローズゴールドの4色がラインナップ。

 本体側面には、指紋センサーを備えた電源ボタン、ボリュームキーとカメラキーを備えています。底面にmicroUSB端子、 上部にイヤホンジャックという構成。防水防塵機能はなく、本体側面にあるSIMスロットやmicroSDカードスロットのカバーには、ラバーの保護などはありませんから水周りでは注意が必要です。

 ソニーお得意のカメラは、背面に2300万画素で8倍デジタルズームも可能なカメラを搭載。LEDフラッシュも装備されています。このリアカメラは先読みオートフォーカス機能を備え、被写体の動きを予測して、正確に被写体を捉えてブレのない撮影が可能でした。フロントカメラには、1300万画素のCMOSセンサーを搭載。22ミリの広角レンズ、IS06400の撮影も可能で、ある意味セルフィーに特化したカメラと言えるでしょう。

 オーディオ機能は、周囲の騒音を感知して騒音を最大約98%低減するデジタルノイズキャンセリング機能も、ハイレゾ音源と同時に併用可能です。

 Xperia Xシリーズ3モデルに共通して、カメラの動き検出や、Qnovo社の制御技術を搭載してバッテリーの状態に合わせた最適な充電を行なうといった、インテリジェンスに重きをおいたモデルでした。しかしながら、このコンセプトを備えたモデルのうち国内で発売されたモデルはフラッグシップモデルの「Xperia X Performance」のみ。

 「Xperia X」、「Xperia XA」とあわせて、よりリーズナブルな展開をもっての戦略であっただろうと予想されただけに、日本導入が見送られたのは残念でした。

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