このページの本文へ

佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第71回

わずか1msの低遅延、オーディオテクニカの楽器用ヘッドホンでゲームしてみた

2021年05月10日 13時00分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

オーディオ機器としても満足できる音質

 実機を手に取ってみるとピアノブラックフィニッシュのハウジングが大変美しいことに気がついた。これは普通のヘッドホンにも欲しい素敵なカラーリングだ。側圧は少し強めでしっかりと固定される。

美しいピアノブラック風のハウジング

 ATH-EP1000IRは、トランスミッターとヘッドホンの二つの部分に分かれている。トランスミッターは机に置く想定で、ヘッドホンの充電クレードルも兼ねている。電源はACアダプターから取る。また、3.5mmステレオミニ端子の入力があり、ここにソース機器(楽器やプレーヤー)を接続すると、その音がワイヤレスでヘッドホンに飛ぶ仕組みだ。本体には3.5mm - 3.5mmケーブルが付属しているので、3.5mmのヘッドホン端子を持ったiPadや携帯音楽プレーヤーなどをつなげる。以下では、iPadと組み合わせてみた。aptX LLなどには対応しないが、OSのサウンド処理などプラットフォーム自体の遅延は大変に少ない。

トランスミッター

トランスミッターの底部

 まずは、ヘッドホン自体の音質を確かめるため、トランスミッターを介さず、付属ケーブルを使用してヘッドホン部を直接iPadのヘッドホン出力に有線接続してみた。

 やや能率は低めだが、iPadのヘッドホン出力からでも十分音量を取れる。明るく軽快で楽器音の明瞭感が高い傾向の音で、普通に音楽用としても楽しめるサウンドだ。面白いところでは、いつものオーディオテクニカの音よりも、少しフラットでモニター的な感じがする点に気がついた。楽器向けにチューニングされているとメーカーでは発表しているが、素の音はジャズトリオやクラシックに向いたスタジオモニター的な感じと言える。

トランスミッターに置くことで充電も進む

 トランスミッターを間に入れ、ワイヤレスで聞くと、もう少し低音の強さが上がって、リスニング向けに近い音のバランスになった。トランスミッター内蔵のD/A回路を通すせいだと思うけれども、音のメリハリや明瞭感が上がり、リスニング用途では、ワイヤレス接続の方がずっと高音質だと感じられた。このくらいの音質があれば、楽器演奏だけでなく、音楽再生用としても十分価格分の価値があると感じた。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン