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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第708回

猫撮影に機動力と汎用性が最適な「iPhone 12 Pro Max」で撮った猫たち

2021年04月13日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家 編集●ASCII

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実はこれ、動画からの切り出し。4K動画で撮影していたので切り出してもこのクオリティーなのだ。猫の顔がブレてなくて猫をなでてる感が出る瞬間をセレクト。2021年4月 アップル iPhone 12 Pro Max

 普段、猫を撮るときは、というか外出するときは何らかのミラーレス一眼を持っていくわけだが、時にはスマホ(わたしの場合はiPhone)も大活躍するのである。

 iPhoneでしか撮れないシーンの代表は「猫が人なつこすぎたとき」。狭いお寺の裏の坂道を上ろうとしてるとき、電柱の横に猫がちょこんと座ってたのである。猫を脅かさないようにそっと撮ろうとしゃがんでズームレンズを望遠にして構えたら、その猫、こっちへとことこと歩いて、いや小走りでくるではないか。

 ちょっと待て、ってんで慌てて広角にして撮ったのがこちら。いや心の準備できてなかったらびっくりした。人なつこいにもほどがある。

後ろに見える電柱のとこにいた猫を撮ろうと構えたら、とことことこっちへやってきて目の前でにゃあ。まさか近づいてくるとは思わなくて、びっくりした瞬間なのだった。2021年4月 富士フイルム X-T4

 でもってだな、石垣にそってわたしの横にこようとしたのだ。ここまで近くなられるとカメラは不利。猫が近すぎると取り回しが効かない。まあ超小型のカメラとかコンパクトデジカメならいいけど小さなカメラはiPhoneしかないし。

突然目の前にあらわれたiPhoneを見つめるキジトラハチワレ。足元が白くて可愛い。2021年4月 アップル iPhone 12 Pro Max

 怖そうな顔してるけど、実はめちゃ人なつこい猫。指を出したらこれである。いきなりごろん。右手で猫をなでながら撮ろうと思ったらカメラじゃ難しい。いや左手でなでて右手でカメラを持てばいいのだけど、この位置だと右手でなでるしかないやん。

指を出したら指先に鼻を近づけて、すりすりしたと思ったらごろん。このアングルだとめちゃ腹が出てるというか、この太り方、通りがかる人から食べ物もらってるに違いないと思う。2021年4月 アップル iPhone 12 Pro Max

 そしたらもっとなでろと腹を見せてきたので右手でガシガシ。左手はせっかくだからとiPhoneで動画撮影。動画で撮っちゃったのだ。でも、4K動画ならあとからフレームごと切り出してもこのクオリティー。けっこう使える。ただ、動画から切り出すときはブレてない瞬間を上手に選ぶべし。

見知らぬ人間相手に腹を見せてなでられてるのだった。口元からちょっとはみでてる犬歯が可愛い。4K動画からの切り出し。2021年4月 アップル iPhone 12 Pro Max

 冒頭写真も4K動画から切り出したものだ。そんなわけで指で猫と遊ぶときはiPhone。猫を見つけるとそこに(できるだけ)フォーカスを合わせてくれるので片手にiPhone、もう片方で猫と遊ぶべし。

指を差しだしたら右前足でちょっかいだしてきた白猫。よく見ると爪を立ててる。引っかかれて怪我しないように注意すること。このときは大丈夫でした。2021年1月 アップル iPhone 12 Pro Max

 この日、面白い写真が撮れたのでここで披露。2匹の白猫なんだけど、鏡に映ってるようじゃありません? 動きがいい感じの鏡像っぽくて気に入ってる。

白猫は兄弟のようで並んでいたのだけど、顔の角度が「鏡像シンクロ」っぽいのがいい。古くて狭い路地にいた人なつこい猫でした。2021年1月 アップル iPhone 12 Pro Max

 飼い猫を撮るときはiPhoneが最強かもしれない。単純な話、家でくつろいでるとき一番身近にあるカメラがiPhoneだからなのだが、スマートフォンも昔に比べると高感度時の画質がぐんと上がり、レンズも明るくなったので室内でもそこそこキレイに撮れるのだ。

 たとえばこれ。うちの猫はTVに興味を示すことがまずないんだけど、このときは動いた。猫が反応する番組として有名な「岩合光昭の世界ネコ歩き」。画面を見てぐっと身を乗り出した瞬間、猫の顔がアップになってちょっとびびったうちのかふか。

いきなり猫の顔がアップになって一瞬びびってるかふか。ガン見してます。TVは15年くらい前の古いもの。そろそろ買い換えたい。2021年2月 アップル iPhone 12 Pro Max

 そのあと、猫たちが餌を食べてるシーンに反応して食べようとするんだけど、いやそこに餌はないから。TVに反応するなら、自分用のごはんをちゃんと食べてくれと思った飼い主なのだった。

おかしかったのがこれ。画面の中の猫が餌をもらってるシーンで、うちのかふかもそれにつられて食べようとしたのだ。いや君の餌はそこじゃない、といいながら笑ったのだった。2021年2月 アップル iPhone 12 Pro Max

 というわけで、やたら人なつこい猫がいてついiPhone 12 Pro Maxで撮りまくって「あ、デジタル一眼で撮ってないや」ってことにあとで気づいたので、iPhoneで撮る特集にしちゃいました。

 クオリティーとレンズの多彩さで、その時撮りたいイメージを表現できるデジタル一眼と、機動力とシェアしやすさで勝るスマートフォン。使い分けが肝要なのである。

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筆者紹介─荻窪圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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