『リネージュ2M』が最大4K高解像度で楽しめる「PURPLE」の動作をゲーミングスマホやRyzen搭載PCで検証!

2021年04月14日 11時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII
提供: NCSOFT

PC版ではグラフィック品質が
かなり有効に働く

 では、そんなPC版のPURPLEが、実際にどれぐらいの性能のPCで快適に動くのかも検証していきたい。必要環境と推奨環境は以下の通り。解像度がフルHD(1920×1080ドット)の推奨環境は、インテル第7世代「Core i7-7700」(4コア/8スレッド、3.6~4.2GHz)、メモリー16GB、ビデオカードがNVIDIA「GeForce GTX 1660」で、CPUとビデオカードは少し昔のミドルクラスのゲーミングPCと同等のスペックが必要。PC版のPURPLEは、4K(3840×2160ドット)にまで対応しているため、フルHDよりも高解像度であれば、これ以上の性能が必要になるかが焦点になる。

区分 必要環境 推奨端末例
CPU インテル「Core i5」(3.0GHz以上) インテル第7世代「Core i7-7700」
(4コア/8スレッド、3.6~4.2GHz)
ビデオカード NVIDIA「GeForce GTX 980」以上
VRAM 4GB以上
NVIDIA「GeFoece GTX 1660以上」
VRAM 6GB以上
ストレージ容量 10GB以上
DirectX バージョン11 バージョン12
OS Windows 10(64ビット)
解像度 1280×720ドット以上 1920×1080ドット以上

 そこで今回は検証用として、最新CPUとビデオカードという訳ではないが、まだ販売されているやや構成が型落ちのゲーミングPCと同等のスペックを持つ自宅の自作PCと、3年前に発売されたdGPUを搭載する2 in 1であるマイクロソフト「Surface Book 2(15インチ)」、AMD第3世代「Ryzen PRO 4000シリーズ・デスクトップ・プロセッサー」の最新APU搭載したASRock「DeskMini X300」をベースとしたPC(以下、DeskMini X300と呼称)と、筆者が所持する性能の異なる3機種を用意した。

 推奨環境から考えて、それぞれフルHD以上で動作しそう、フルHDなら対応できそう、フルHDでも厳しそうな3機種という訳だ。

筆者の自宅のメインPC。PCケースのサイズを抑えながらCPU付属の Wraith Prismクーラーと、LED搭載で光るメモリーとビデオカードの組み合わせ、小型だがパワフルな性能で2年前に自作した。作った当時で合計約30万円の構成

Surface Boook 2の15インチは、週刊アスキー(電子版)の業務でデジタルペンが使いたかったとのと、購入した当時はGPUを搭載し、持ち運べてVRヘッドセットが使える性能を求めて購入。購入した当時でオプション含め37万円台だったはず

ASRock「DeskMini X300」をベースに最近組み立てたPC。片手で持てる小型サイズだが、ライトなPCゲームが遊べる性能を有する

検証PCの主なスペック
検証PC 自作PC Surface Book 2(15インチ) DeskMini X300
CPU AMD「Ryzen 7 3800X」(8コア/16スレッド、3.9~4.5Hz) インテル「Core i7-8650U」(4コア/8スレッド、1.9~4.2GHz) AMD「Ryzen 7 PRO 4750G」(8コア/16スレッド、3.6~4.4GHz)
グラフィックス ASUS「ROG-STRIX-RX5700XT-O8G-GAMING」(8GB) NVIDIA「GeForce GTX 1060」 Radeon Graphics 8(CPU内蔵)
メモリー G.SKILL「F4-3200C16D-32GTRG」(16GB×2、DDR4-3200) 16GB(LPDDR3) Crucial「CT8G4SFS832A」(8GB×2、DDR4-3200)
ストレージ 2TB(PCIe 4.0) 512GB(PCIe 3.0) Crucial「P5(CT1000P5SSD8)」(1TB、PCIe 3.0)
OS Windows 10 Home(64ビット) Windows 10 Pro(64ビット) Windows 10 Home(64ビット)

 今回もスマホの検証のときと同じく、PCの性能の参考値とするべく、まずは定番ベンチマークソフトである「3DMark」の「Fire Strike」のスコアーを示しておきたい。

 Fire Strikeは、DirectX 11対応の解像度がフルHD(1920×1080ドット)のベンチマーク。自作PCに搭載しているRadeon RX 5700 XTは、WQHD(2560×1440ドット)を想定したGPUのため、フルHDとしては重いFire Strikeと言えども、Graphics test 1のフレームレート71.76fpsと余裕がある。

 では、実際に『リネージュ2M』をプレイ中のフレームレートを計測してみたい。PC版のPURPLEでは、解像度の設定が行なえるが、フルスクリーンにするとディスプレーの最大解像度に固定されるようだ。また、高解像度ディスプレーを使っている人で、表示スケールを100%以上にしていると、ゲーム画面が解像度の設定よりも大きく表示されるので、予め表示スケールを100%になっているか確認しておくとイイ。

解像度が4K(3840×2160ドット)やWQHD(2560×1440ドット)の高解像度の場合、文字の視認性を高めるために表示スケールを150%のように設定していたりすると、ゲーム画面がPURPLEで設定した解像度以上に大きく表示されるので、その場合は表示スケールを確認しよう

フルスクリーンやウィンドウの固定、解像度の設定は、ショートカットで行なえる他、上部の横線3本のメニューアイコンから選択できる

WQHD(2560×1440ドット)ディスプレーに表示した画面。2560×1440の右上にあるアイコンがフルスクリーンにした際の解像度を示している

 今回は、ASUSの31.5型、WQHD、144Hz高リフレッシュレート対応のディスプレー「XG32VQR」に各PCを接続して、フルスクリーンにしてフレームレートを計測してみた。グラフィック性能は、Android版と同じくすべてオンに設定。PC版にある「PURPLE専用高解像度」もオンにして、グラフィック品質は「上」で統一している。フレームレートの計測はCapFrameXで計測し、平均と99パーセンタイルのフレームレートを示す。

グラフィック環境は、自動管理機能はすべてオンにして、品質は「上」に設定。設定した後は、毎回再起動してから計測した

 PC版では、フレームレートが60fpsで頭打ちになり、描画の重い場所ではフレームレートが落ちる。計測はAndroid版と同じく「グルーディオ城の村」の広場から始め、「絶望の廃墟」にいる敵を1体倒すまでを1ローテとしたが、「グルーディオ城の村」では場所によって自作PCでは60fps前後のフレームレートを維持していた。しかし、「絶望の廃墟」へと向かう草木の多い道では、総じて10fps以上落ち込むことがあった。しかしながら、WQHDでのゲームを想定するRadeon RX 5700 XTを備える自作PCでは、描画の乱れもなく非常に快適にプレイできた。

草木など、表現が細かい描画が必要なシーンでは、フレームレートが総じて10fpsほど落ち込むことがあった

 最小フレームレートが20fps前半を示しているが、重いアセットを読み込む際に、一時的に落ちたのではないかと思われる。オーバーレイしたフレームレートを視認している限りでは、そこまで落ちた数値を見ていないので、あまり気にしなくてもいいだろう。

 CPU内蔵とは別にGPUを備えるSurface Book 2もほぼ平均で35fps以上をキープしており、描画の軽いシーンでは40fps前後で動作していたので、ほぼ快適と言ってイイ。AMDの最新APU「Ryzen 7 PRO 4750G」を備えたDeskMini X300も、数値上は低いが前述した「絶望の廃墟」までに至る描画の重い道以外では、30fps近くで推移していたので、グラフィック品質が最高の「上」で動かしたにしては、頑張っていると言える。

 ちなみに、PC版では品質を「中」にすると画質が落ちたうえ、フレームレートの上限が40fpsになり、「下」にするとさらに画質が落ちて、フレームレートの上限が30fpsまで落ちる。フレームレートの制限は、性能に余裕のある自作PCでも同じだった。

 おそらく、Android版と同じくゲーム側で、画質とフレームレートのバランスを合わせるため、最低限快適なラインまでフレームレートの上限も下げていると考えられる。ちなみに、DeskMini X300で品質を「下」にすると、平均29.4fps、最小23.6fpsと、ほぼ30fpsで張り付きながら、フレームレートの落ち幅も軽減され、安定した動作でプレイできた。

 とはいえ、1世代前のAMDのビデオカードで、WQHDでのゲーム動作を保証する「Radeon RX 5700 XT」で平均50fpsを切るということは、4Kの最高画質で快適にプレイするには、現行のハイエンドなビデオカードを搭載した、ゲーミングPCが必要だ。

 ただし、ディスプレーは解像度がWQHDで、120Hz以上の高リフレッシュレート対応がまだ主流なので、「Radeon RX 5700 XT」相当のビデオカードでWQHDでプレイするか、それよりもやや性能が落ちるミドルローのビデオカードを搭載する高コスパのゲーミングPCを使ってフルHDでプレイするとイイだろう。

 最新のインテル第11世代CPUのうち、高性能な内蔵GPUである「Intel Iris Xe Graphics」を備えていても、ミドルローのビデオカードには劣るので、CPU内蔵GPUではやや力不足で、描画の乱れや動作の重さを感じ、『リネージュ2M』の高精細な映像が快適に楽しめない。

 今後PURPLEに実装予定の配信機能を使ったりすれば、CPUのコア数がより求められ、さらに動作が重くなる。そのため、『リネージュ2M』を大画面で高精細な映像で、快適にプレイしたいのであれば、最低限最新のミドルクラス以上のビデオカードを搭載したゲーミングPCであることが望ましい。

PURPLEにより遊び方の幅が広いのが魅力
自分の持っているデバイスを上手く活用したい

 NCSOFTが提供するPURPLEは、クロスプラットフォームに対応し、場所や端末に縛られずに『リネージュ2M』が存分に楽しめる。また、マルチアカウントに対応し、複数のサーバー内でキャラクターを育てることも楽に行なえる。

 さらに、チャット機能も充実し、今後アップデートで追加される予定の配信機能などにより、フレンドや血盟員たちといった仲間とのコミュニケーションも密に行なえるツールとして活躍しそうだ。

 今回検証したように、推奨環境ギリギリのスマホや、CPUとは別にGPUを搭載しないPCの場合は動作が重くなり、せっかくの美麗な映像が楽しめない。そのため、すでに『リネージュ2M』をプレイして、ゲームの動作が重い、映像が乱れるといった人は、できれば本稿を参考に新しめのスマホやPCを用意してみることをオススメしたい。

 本稿を執筆している2021年4月現在、未だ新型コロナ感染症の不安があるため、思う存分に外出する機会が得られない。友人との会話も減っている人もいると思うが、PURPLEを使って『リネージュ2M』をプレイすれば、かつて仲間とテキストチャットをしながらMMORPGの世界に没頭した懐かしさを覚える人も多いのではないだろうか。

 PURPLEはコミュニケーション機能も充実しているため、リアルな友人、もしくはゲーム内で出会った友人とワイワイガヤガヤ楽しく遊べる、そんな可能性を持ったツールだ。『リネージュ2M』はオート戦闘機能充実しており、スマホでいつでもどこでも気軽に楽しめるが、それだけでは作り込まれた3Dの美しい世界やキャラクターがもったいない。

 PURPLEは非常に多機能で、今回の検証によって判明した要求スペックの高さから、モバイルゲームである『リネージュ2M』をPCゲームに匹敵するグラフィックで体験できることは間違いない。さらに、スマホとの連携で遊びの幅も広がり、きっと自分に合った新しいゲーム体験が見つけられるので、ぜひプレイしてみよう!

(提供:NCSOFT)

この記事をシェアしよう

ASCII.jpの最新情報を購読しよう