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超音波式水中可視化技術で難しいとされていた非接触でのサバの平均魚体長測定に成功

2021年03月09日 20時00分更新

文● ASCII

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 NTTドコモと鯖やグループは3月8日、難しいとされていた非接触でのサバの平均魚体長測定に成功したことを発表した。

 養殖業においては、効率的な養殖魚生産管理のために、魚体長および魚体重測定は重要な作業だが、いままでは漁業者がタモ網で生簀から養殖魚を数匹取り出し、それを1匹ずつ計測器で測定していた。しかし、物理的な接触により養殖魚がへい死したり、サンプルで抽出した養殖魚の成長にバラツキがあるため、正確な成長過程を把握できないという課題があった。

 そこで、2020年11月から、アクアフュージョンが保有する超音波式水中可視化技術を活用して、非接触でサバの魚体長測定の検証を実施してきたところ、生簀内を泳ぐサバの魚体長の平均値を高い精度で測定することに成功した。

 これにより、魚体長測定の作業が効率化でき、物理的な接触による養殖魚のへい死を防ぐことが可能になるほか、正確な成長過程を把握することにより、水質データ等と組み合わせることで給餌量の最適化や出荷時期のコントロールが可能となった。

 3月8日から期間限定で、今回の実験対象でもあるドコモのICT技術を活用して育てた養殖サバをフィッシュ・バイオテックが「うめぇとろサバ」というブランド名で出荷する。うめぇとろサバは、サバ料理専門店SABAR全店舗(海外店舗除く)と関西を中心とした飲食店で提供される。また、グッドイートカンパニーが運営する「GOOD EAT CLUB」でも購入可能。

 なお、今回の実証実験の他にも高水温時の対応の蓄積、生簀内の水質データや作業日誌などのデータを一元管理できる「養殖管理クラウド」の機能向上、1時間毎に水温と流向・流速をスマホに表示する「海況シミュレーション」を活用することの有効性などの成果を確認できたという。

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