アメリカのオーディオブランド、BOSE(ボーズ)といえば、独自のアクティブ・ノイズキャンセリング機能を載せたヘッドホン“QuietComfort”シリーズがとても有名だ。同じシリーズネームを冠する、完全ワイヤレスイヤホンの「Bose QuietComfort Earbuds」(以下:QC Earbuds)をレポートする。
同時期に発売されたスポーツタイプのイヤホン「Bose Sport Earbuds」(Sport Earbuds)と比べながらふたつの製品の特徴に迫りたい。
ライバル機と比べても圧倒的に消音効果が高い
QC Earbudsは、いま注目されるノイズキャンセリング機能付きの完全ワイヤレスイヤホンだ。アップル「AirPods Pro」、ソニー「WF-1000XM3」などの強力なライバルと比べてみても、QC Earbudsは圧倒的に高い遮音性能を備えている。筆者もふだんよく本機を使っているが、地下鉄のレール音から車のロードノイズ、雑踏の話し声まで様々なタイプの騒音をバランス良くしっかりと消し込む完成度の高いイヤホンだ。
ノズルの先端にボーズ独自開発によるイヤーチップ「StayHear Max」を着けて耳に固定する。フィット感が安定しているだけでなく、イヤーチップによるパッシブな遮音効果がとても高いことも特筆できる。フィン形状のスタビライザーが外耳のくぼみにグリップするので、頭を激しく動かしてもイヤホンが外れない。本体がIPX4の防滴仕様なので、室内ランニングなど体を動かしながら音楽を聴きたい時にもQC Earbudsが重宝する。
Sport Earbudsも、本体をIPX4の防滴対応とした完全ワイヤレスイヤホンだ。例えば屋外でジョギングをしている最中に雨が降ってきたり、汗をかく夏にイヤホンを濡らしてしまっても故障を心配することなく使える。名前に“スポーツ”を冠するイヤホンなので、よりグレードの高い防水仕様を期待したくもなるが、Sport Earbudsを選択するメリットはほかにもある。
QC Earbudsとの大きな違いはアクティブノイズキャンセリングと外音取り込み機能を持たないことだが、そのぶん価格はSport Earbudsは8800円ほど安い。カラバリの選択肢も3種類ある。
イヤホンと充電ケースは、Sport Earbudsの方がコンパクトなので、可搬性にも優れている。ただQC EarbudsのケースはQi規格のワイヤレス充電に対応しているため、サイズが少し大きいと考えれば許容範囲と受け止めることもできないだろうか。ちなみに、イヤホン本体の内蔵バッテリーによる連続音楽再生時間は、QC Earbudsが最大6時間、Sport Earbudsが最大5時間になる。多くのライバル機と肩を並べるパフォーマンスだ。