業界人の《ことば》から 第424回
Alphabet ピチャイCEOのことばから
教育分野での存在感高まるグーグル、CEOもChromebook/仮想授業の広がりに驚き
2021年02月26日 09時00分更新
教育分野への注力を強めるグーグル、検索トップを投入
Googleが教育分野に注力する姿勢は、Google Learning & Education全体の統括者に、Googleの検索サービスの開発を担当してきたベン・ゴメスSVPを据えたことからも明らかだ。まさに、エースを投入している。
Googleに1999年に入社したゴメスSVPは、「昨年、Google Learning & Educationを統括することになったとき、なぜ教育を担当するのか、なぜいまなのか、そして、検索との関係はなにかと、よく聞かれた」と語りながら、「多くの人は、何かを学ぼうとして、Googleを利用する。いま起きていることや、あらゆることを検索して調べたり、YouTube動画で学んだりすることもできる」と語る。
その上で、「学習は情報から始まり、Googleは、そこに情報を提供することができる。だが、学習には情報を自分にものにして応用する力が必要である。学んで初めて、情報を吸収して、自分の在り方を変え、能力を広げることができる。人々が自分を成長させ、能力を発揮できるように助ける。それがGoogleの目標である」と語る。
一方、ゴメスSVPは、「世界は、デバイスや接続性の不平等、デジタルスキルの有無によって複雑化している。テクノロジーを通じて、ツールやソースを提供し、先生を支援して、学習の場を広げることで、生い立ちの違いに関わらず、誰もが、素晴らしい学習体験を得られるべきだ。Googleは全社をあげて、学校教育だけでなく、職業教育、生涯教育に対しても、最大の価値を提供できるように集中している」と述べた。
Google .orgでは、2005年以来、2億5000万ドルを教育分野に寄付してきたが、新たな1000万ドルの遠隔教育基金を発表し、教師や生徒のデジタル学習を支援。とくに恵まれない地域での支援を強化していくという。
「学習や教育は、Googleにとって、新たな方向性ではなく、常に重要な使命のひとつである。世界中の情報を整理し、世界中の人々が、アクセスできるようにする使命と、これらの投資により、世界中の優れた情報を、学習、教育課題に活用できるようにしている。その重要性はますます高まっている。90年代の情報革命のように、いま、学習は大きな変革の時を迎えている。さらなる学習を可能にするため、最新技術によって、進化するニーズに応えていく」とゴメスSVPは語り、「検索でもそうであったが、時間がかかり、苦労することがあっても、最後には素晴らしい成果が得られる。世界中の誰もが、自分の関心や能力が、知識の最先端にいると感じられたら、どうだろうか。世界中の誰もが、最高のテクノロジーを使って、世界のあらゆることを学べるとしたらどうだろうか。先に見えるのは、可能性に満ちた未来である。その出発点に必要なのは教育者の存在である。Googleはテクノロジーを使って、これを支援したい」と語った。
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