意外にも初めてだという
ポルシェ×タグ・ホイヤーのパートナーシップ締結
ポルシェとタグ・ホイヤーは2月初旬、新たな戦略パートナーシップを締結。これを記念して、「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ ポルシェスペシャルエディション」(71万5000円)の販売を開始した。
ポルシェとタグ・ホイヤーの蜜月は、最初のホイヤー カレラ クロノグラフが誕生した1963年から。ドライバーがレースに夢中になっていても一目で時刻がわかるようにデザインにされたクロノグラフは、卓越した技術を具現化した「カレラ」(または「レース」)と名付けられ、ポルシェの最も強力なカレラグレードと結びつけられたと言われている。
その後、ホイヤーは創業者一族が経営から離れた後の1985年に先進技術の投資会社であるテクニーク・ダバンギャルド(TAGグループ)に買収され子会社化。当時TAGグループは、F1チームのマクラーレンと関係を強めており、1982年に両社の間でTAG Turbo Enginesを設立すると、ポルシェと契約。1500ccターボエンジンは、1984年から1986年まで3年連続のドライバーズチャンピオンと、1984年、1985年の2年連続のコンストラクターズチャンピオンの獲得。タグ・ホイヤーがLVMH傘下に入っても関係は続き、世界耐久選手権(WEC)だけでなく、フォーミュラEなどにも積極的に参画するようになった。
しかし、両社の間で正式な提携はなかったとのこと。今回の戦略パートナーシップは、スポーツの世界から製品開発までにいたるまで、総合的かつ長期的なコラボレーションを生み出すものと期待されている。
今回登場した「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ ポルシェスペシャルエディション」は、タグ・ホイヤー カレラ スポーツクロノグラフをベースに、ベゼルに独自のタキメーターの目盛りを刻み入れたほか、ポルシェのデザインからインスパイアされた特徴を数多く織り込んだクロノグラフだ。
ベゼルにはポルシェの刻印が施されたほか、インデックスにはブランド特有のポルシェのフォントを使用。ポルシェカラーでもあり、ホイヤーの歴史的なモデルも想起させるレッド、ブラック、グレーの3色をウォッチ全体に使用。コラボレーション感を一層高めている。
文字盤には、このウォッチのために特別に開発されたアスファルト加工が施されている。これはもちろん、モータースポーツに思いをはせることに十分だ。
気になるムーブメントは、約80時間のパワーリザーブを備えた自社製ムーブメント「キャリバー ホイヤー02」。リアはスケルトン仕様で、その姿を見ることができるが、よく観察すると自動巻きローターがポルシェのステアリングホイールに。さらに「ポルシェ」そして「タグ・ホイヤー」とプリントされている。
ポルシェAGのセールスおよびマーケティング担当取締役のデトレフ・フォン・プラテン氏は、今回のパートナーシップ締結について「両社においてお客様から最も愛されているものを統合します。それは、真のヘリテージ、スリリングなスポーツイベント、人生におけるほかにはない体験、そして夢の実現です。 私たちは素晴らしいことが起きる唯一無二の瞬間を生み出すために、ともに尽力し前を向いて一緒に歩んでいくのです」とコメント。
またタグ・ホイヤーのフレデリック・アルノーCEOは「タグ・ホイヤーとポルシェは、歴史と価値観を共有していますが、それ以上に重要なのはその姿勢を共有しているということです。私たちはポルシェのように、常に高性能を追求しているディスラプション(破壊者)であります。これによりタグ・ホイヤーとポルシェは、数十年にわたる親密な出会いを経て、ついに正式に提携し、両者に情熱を注ぐ顧客とファンのために、比類のない体験と製品を生み出します」と力強く明るい未来を提示した。
ポルシェとタグ・ホイヤーという2つのラグジュアリーブランドから、今後何が生み出されるのか注目だ。