楽天モバイルのオリジナルスマートフォン第3弾となる「Rakuten Hand」は、5.1型ディスプレーを搭載した手のひらに収まるコンパクトさが特徴の4G対応スマートフォン。2万円という価格の安さでも注目されるRakuten Handだが、その実力はどのようなものなのだろうか。
コンパクトで丸みがあり片手で持ちやすいデザイン
まずは本体だが、ディスプレーサイズは冒頭でも触れた通り5.1型で、サイズは約63×138×9.5mm、重さは約129gと、最近のスマートフォンとしてはかなり小さいサイズ。片手持ちを重視していることもあってとりわけ幅は小さく、5型前後のディスプレーを搭載するアップルの「iPhone SE(第2世代)」(67.3mm)やiPhone 12 mini(64.2mm)よりも小さい。
一方デザインに目を向けると、低価格端末ということもあってベゼル部分、特に上下のベゼルは最近のスマートフォンとしてはかなり太い。側面のベゼルもそれなりにあるのだが、エッジのかかったガラスを採用しており側面がカーブしていることもあってその印象が和らげられている。
側面がカーブしているのは前面だけでなく背面も同様で、それが片手で持った時の持ちやすさにも影響していると感じる。Rakuten Handは厚さが1cm近くあることから、手にするとやや厚く感じるものの片手で持った時のホールド感はよく、とりわけ通話などで本体を握って使うシーンでは使い勝手がよいと感じる。
ただ背面に関しては、カメラ部分のデザインに工夫が見られないのが残念なポイントだ。ある意味ひと昔前のスマートフォンで一般的だった、レンズが並んでいるだけのデザインであることから、前面のベゼルを含め古臭さを感じさせてしまう点は惜しい。
なおインターフェースに関しては、側面上部に3.5mmのイヤホン端子、下部に充電用のUSB Type-C端子を用意。楽天モバイルオリジナル端末はeSIMのみの採用となるためSIMスロットはなく、microSDスロットも備わっていないことからかなりシンプルなことが分かる。
利便性は高いがカメラの機能は少なめ
Rakuten Handが搭載しているOSはAndroid 10だが、機能やインターフェースはほぼ素のAndroidに近い内容。「Rakuten mini」のように独自のインターフェースを用いている訳ではないので、操作にあまり癖はない。
それでいてディスプレーが小さいことから、片手で持っても親指で画面の上まで届くというのは、最近のスマートフォンにはない安心感がある。文字入力時も片手ですべてのボタンを押せることから、メールやSNSなどのやり取りをするのには適しているといえるだろう。
またRakuten HandはNFCだけでなくFeliCaを搭載し、おサイフケータイやGoogle Payにも対応。もちろんQRコード決済も利用可能なことから、キャッシュレス決済用の端末としてはかなり優秀だ。
生体認証に関しても、Rakuten Handは低価格ながらディスプレーに有機ELを採用しているためディスプレー内蔵型の指紋センサーを搭載しているのはうれしい。フロントカメラによる顔認証に加え、片手で持った時でも親指の指紋ですぐにロック解除ができるのは使い勝手がよいと感じた。
一方で、カメラ機能に関しては最近のスマートフォンとしてはかなり簡素な印象だ。Rakuten Handはメインカメラとして約4800万画素/F値1.8の広角カメラと、約200万画素/F値2.4の深度測位用カメラを搭載しており、実質的に撮影に用いるのは広角カメラのみとなる。
AIによる被写体認識やフィルター、背景をぼかした撮影など基本的な機能は押さえているものの、カメラの性能上ズームはデジタルズーム(4倍)のみで、超広角撮影もできない。突出した撮影機能を備える訳ではないことから、スナップショット用途での活用で十分という人ならばよいがそれ以上を求める人には不満が出てくるだろう。
ちなみにフロントカメラは約1600万画素/F2.0と、こちらもミドルクラスとしては標準的かやや上といった性能。美顔モードはしっかり用意されており、ARを活用したキャラクターの表現ができることから手軽に楽しいセルフィーを撮りたいという人は使ってみるといいだろう。
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