最大20の外部組織とチャンネルをセキュアに共有、メールよりも便利な理由とは
東映アニメーションとコロプラ、それぞれの「Slackコネクト」活用法を紹介
2020年12月14日 07時00分更新
コロプラ:47の外部組織と連携中、Slackコネクトは「ユーザーの自由に」フル活用
もう1社のゲストであるコロプラ 技術統括本部 技術基盤部 MISグループ マネージャーの木戸秀作氏は、グループ子会社とのコラボレーションも含めたSlackコネクトの運用などを紹介した。
コロプラではおよそ3年弱にわたってSlackを利用している。それ以前もSkype、Chatwork、Workplace from Facebookといったチャットツールを使っていたが、外部アプリ連携の豊富さからSlackに乗り換えた。クリエイターが8割を占める社内環境であり、Slackを自由に、深く使ってもらえるよう、アプリ連携の制限は基本的にしていないという。
「非効率かつセキュリティリスクが高いため、もともとメールは使わない文化。ゲーム開発はクイックなやり取りが必須であり、またメール経路のサイバー攻撃リスクもある」(木戸氏)
コロプラだけでなく、グループ会社6社も全社がSlackを導入している。各社間のやり取りには当然Slackを使っており、そのためにSlackコネクトは欠かせない機能だと木戸氏は説明する。
Slackコネクトの共有チャンネル作成は社内ユーザーの裁量に任せており、管理者はユーザーの承認リクエストに対して承認をするだけという運用だ。また、Slackを導入していない会社とのやり取りには、個人単位でチャンネルに招待するゲストアカウントを発行している。
「現時点で47のオーガナイゼーション(外部組織)とSlackコネクトでチャンネルを共有している。結構使われているほうだと思うが、これは相手がグループ会社以外でも『とりあえずSlackでやり取りを始める』文化があって、それが47社という結果につながっている」(木戸氏)
共有チャンネル作成の承認リクエストはSlackbot経由で管理者に届き、管理者は「承認」ボタンを押すだけで承認できるようになっている。これに加えて、前述した「信頼できるオーガナイゼーション」の自動承認機能を使い、グループ会社間で共有チャンネルを作成する場合は自動承認される設定にしている。「できるだけ管理者がボトルネックにならないように気をつけている」(木戸氏)。
ちなみに、ゲストアカウントで社外ユーザーを招待したいという申請も、同様にSlackbotで管理者に届き、ワンクリックで承認ができる。ただし、ここでは必ず期限付き(3~6カ月)で作成するルールにしているという。「無期限にすると、たとえばそのゲストが退職された場合などに“宙に浮いたアカウント”ができてしまい、危険なので」(木戸氏)。
なお、コロプラではSlackの「ワークフロービルダー」も、ノーコード、サーバーレスで誰でも作成できる利点を生かし、職種を問わず活用しているという。たとえばエンジニア職ではコードレビュー依頼やSQL実行依頼といったワークフロー、またバックオフィスでも新型コロナウイルス対策として体調不良報告などに活用しているという。さらにアプリ連携も、自社内製サービス含めて活用している。
「Slackを3年ほど使ってきたが、大きな障害は起きていない。それは、なるべく制限なく、自由に使ってもらうというのがポイントだった」(木戸氏)
なお「自由に使ってもらう」ことを前提とするものの、外部アプリ連携については多少注意を払っているという。とくに、データを外部(クラウド)保存するものは情報漏洩の原因にもなりかねないためだ。木戸氏は、1)すでに自社で使っているツールならば連携してもよい、2)そうでないツールについては精査したうえで承認の可否を判断する、というルールをとっていると説明した。