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最大20の外部組織とチャンネルをセキュアに共有、メールよりも便利な理由とは

東映アニメーションとコロプラ、それぞれの「Slackコネクト」活用法を紹介

2020年12月14日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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東映アニメーション:情報伝達コスト削減を目指し共有チャンネルで「ガンガンつなぐ」

 ゲスト登壇の1社目として、アニメーション制作会社である東映アニメーション 経営管理本部 情報システム部 課長の賀東敦氏が、同社におけるSlack有償プラン(Enterprise Grid)導入までのいきさつや、導入後のワークスペース管理における試行錯誤、Slackの社内定着化に向けた取り組みなどを紹介した(これらの内容は講演記事を別途掲載予定のため、本稿では割愛する)。

 東映アニメーションでは現在、Slackを“標準のコミュニケーション手段”と位置づけて全社展開を進めている。「Slackを使って組織単位(部、室、課)の情報共有ができる環境を整えること」「全社的な情報伝達におけるスピードと網羅性を向上させること」の2つを目的として、ワークスペース/チャンネルデザインの再整理や、運営ガイドラインの再整備に取り組んでいる最中だ。全社ワークスペースだけでなく部門ごとのワークスペースも作り、必要に応じてさらに細かな単位(課やチーム)のワークスペースを独立させることもあるという。

現在はSlack全社展開にあわせてワークスペース/チャンネルデザインの再整理、ガイドラインの整備などを実施している

 Slackコネクトおよび共有チャンネルについては、まず「コラボレーションの活性化と伝達コストの圧縮」という観点で、社内に活用を呼びかけている。

 「(従来のメールでは)、たとえば『ネゴシエーションのフェーズでは○○さんは宛先に入れないが、そこから先は○○さんも加える」など、複数部署をまたぐ社内コミュニケーションや複数社間のコミュニケーションが“複雑怪奇”な運用になっていた。これに対して、『(Slackコネクトを使って)情報伝達コストや時間の使い方の見直しをしてみませんか?』という提案をしている。本来の業務に集中しましょう、というメッセージ」(賀東氏)

 前述のとおり、社内には部門やチームごとの独立したワークスペースも存在するが、部門間のやり取りやプロジェクトと部門などの日常的に使うやり取りについては、「ワークスペース間をガンガンつなぐ」共有チャンネルを作るよう、各ワークスペース管理者に勧めているという。

 「社内からは『情報伝達コストが思い切り減った』という感想をもらうことが増えた。かつてのメールで生じていたような『この情報は聞いてない』ということがない、自然な情報共有、情報伝達ができている」(賀東氏)

社内部門間でワークスペースが独立しているが、お互いを共有チャンネルで「ガンガンつなぐ」ことでコミュニケーションを促進している

 そしてこうしたメリットを、社外関係者にも波及させられるのがSlackコネクトだと考えているという。取引先がSlackを利用していれば、メールではなくSlackの共有チャンネルを使って、効率的なコラボレーションが実現する。

 「複数社が参加するような案件の場合、途中で担当者が代わる、新たに参加者が増えるといったことがよくある。メールだとCC(同報)に入っていないというトラブルとか、転送して他の参加者に伝える面倒な作業とかが生じがちだが、(Slackコネクトで)そうしたことのない情報共有ができるようになった」(賀東氏)

社内で得られた情報伝達コストの圧縮効果を、Slackコネクトの活用で社外でも実現できると考えている

 また賀東氏自身は、Slackコネクトでつながったパートナー企業の人とのダイレクトメッセージ機能も「ビジネスを加速させるうえですごく有意義に使えている」と評価している。「メールでのやり取りから解放されるのは非常に大きい。また、取引相手から個人的なチャット(などのアカウント)に誘われて困る、といったケースも減らせるのでは」(賀東氏)。

 こうした動きを加速させるためには、共有チャンネル活用に対する各ワークスペース管理者のリテラシーレベル向上が必要であり、そうしたトレーニングも進めていると述べた。賀東氏は「ユースケースを整え、自由に使わせてあげると、コラボレーションが活性化して伝達コストが下がり、その結果イノベーションが起きるのではないか」とまとめた。

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