11月末のブラックフライデーから、年末商戦モードに入っている。スマートウォッチやフィットネスバンドは、価格帯からもこの時期の定番ギフトとなりつつあるようだが、スマートフォン以上に多数のベンダーが独自のアプローチをする興味深い市場でもある。それでも、首位をひた走るのはあのベンダーだ。
Vodafoneがディズニーとコラボ、子供向けのスマートウォッチ
VodafoneがDisneyとコラボした子供向けスマートウォッチ「Neo」を発表した。てっきり年末商戦向けと思ったら、発売は2021年前半とのこと。
ミニーマウス、アナ雪のエルサ、スターウォーズのヨーダなどのキャラクターを選ぶと、それをテーマにしたサウンドやエフェクトになる。1.2インチのタッチ画面、5メガピクセルカメラを持ち、防水加工も施した。メッセージ、カレンダーなど、親や近い人との連絡用の機能が主で、Vodafoneの専用アプリを使ってお互いがどこにいるのかを確認できる。デザインは、工業デザイン事務所Fuseprojectが担当している(https://eshop.v.vodafone.com/uk/neo-smart-kids-watch)。
Neoは、Vodafoneが展開する「Vodafone Smart Tech」の製品となる。Vodafone Smart TechはウェラブルのほかスマートホームなどのIoT向けの事業を持ち、すでにペットのトラッカーなども販売している。キャリアビジネスの多角化という点でも興味深い。
アップルはここでも圧倒的に強い
スマートウォッチの半分の売り上げはApple Watch
このようにスマートウォッチやリストバンドは時計メーカーやファッションブランドも幅広く参入している。しかし、Counterpointの2020年第3四半期(7~9月期)のデータでは上位5社で全体の66%(出荷台数ベース)を占めているという(https://www.counterpointresearch.com/global-smartwatch-shipments-q3-2020/)。
その上位5社とは、アップル、ファーウェイ、サムスン、BBK(Imoo)、Fitbitだ。このうちスマートフォンでもおなじみのトップ3は、前年同期からシェアを増やし、それぞれ28%、15%。10%に。アップルは300ドルを切る「Apple Watch SE」が奏功したようだ。Counterpointのアナリストによると、売上高ベースでのアップルのシェアはさらに増え、この市場の半分近くを占めるレベルと推測されている。同期にApple Watchは23億ドルを売り上げているが、この額は前年同期比18%増という。
Counterpointのデータで特筆すべきは、最大のスマートウォッチ市場が従来の米国から中国になった点だ。中国はこれまで子供向けスマートウォッチが牽引してきたが、現在はユーザー層が広がっておりスタンダードなカテゴリーが好調なのだという。

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