正式アップデート前だと使えない!?
PS5の拡張スロットに挿してみた!リード最大7GB/sのWD製SSD「WD_BLACKSN850」の実力をチェック
2020年12月02日 11時00分更新
FF14ベンチマークでゲームモードが効果を発揮
続いて、温度の推移についてもチェックしてみた。WD_BLACK Dashboardアプリのパフォーマンス機能を利用し、CrystalDiskMarkを動作させているときの状態を計測している。
結果は、WD_BLACK SN850でゲームモードオフのときは最大80度まで上昇しているが、オンのときは77度程度で踏みとどまっている。ただ、それでもアイドル時は56度前後なので、WD_BLACK SN700の最大温度である58度とあまり変わらない。この結果からWD_BLACK SN850はかなり発熱しやすいことがわかる。
ただ、読み書き速度の推移を見ていても、多少の上下動はあるもののサーマルスロットリングが発生している様子はないため、これだけ温度上昇しても性能には影響がないようだ。とはいえ、あくまで今回はどちらもマザーボードのヒートシンクを利用した状況での計測。ヒートシンクなしでの利用は避けたほうがよさそうだ。
最後に、ゲームでのロード時間をチェックしてみた。使用したのは「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」で、「ローディングタイム」を比較している。
結果は、ゲームモードをオンにしたときのほうが読み込み速度の向上が見られた。もともとWD_BLACK SN850はゲームモードオフでもロード時間が10秒切りなので、ごくわずかの改善ではあるが、ゲームモードオンで利用したほうが、よりロード時間の向上があるようだ。
ただ注意点として、ゲームモードはオン/オフの変更時にPCの再起動を促されるが、再起動だとうまくオンの状態にならないケースがあった。これは筆者のテスト環境だけなのかもしれないが、一度シャットダウンして起動するときちんと働いていたので、ゲームモードを変更したら、再起動ではなくシャットダウンしたほうが確実だろう。
PlayStation 5での対応が待たれる
さて、ベンチ結果からしても、WD_BLACK SN850の優位性は明らかだが、筆者としては本製品の用途としていちばん期待しているのが、発売されたばかりのPS5での利用だ。
PS5では、もともと内蔵しているSSDの容量が825GBで、かつOSやシステム領域によって、そのすべてをゲームのデータ保存に使えるわけではない。昨今の大型ゲームタイトルはゲームデータのインストールに数十GBという容量を使う場合も多く、今後複数のゲームをプレイしていくうえで、少々容量が心もとない部分はある。そうした場合に有効なのが、SSDの増設だ。
発売前に、M.2スロットの存在や装着方法などが明らかになっていたが、それと同時に現在はまだ利用できない状態になっていることも発表されている。今後、NVMe SSDを装着することで、ゲームやセーブデータなどの保存領域として活用できるようになると思われるが、PS5のM.2スロットがPCIe 4.0に対応していることから、それなりの速度が出るNVMe SSDを装着したいと思うユーザーも多いだろう。
何しろ、PS5がもともと内蔵しているSSDが公称値5500MB/sの読み込み速度なので、同等かそれ以上のNVMe SSDは搭載したい。ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、今後PCIe 4.0対応のNVMe SSDをテストして、公式サポート製品のラインアップを公開するとしており、WD_BLACK SN850は公式対応品になると噂されている現時点で最も有力なSSDだ。
そのため、まだ利用できないとわかりつつも、利用できるようになってからだと本製品の在庫が心配。現状でも品薄状態なため、購入できるときに購入しておいて、万全の体制を整えておきたい。
また、ゲーミングPCとして、CPUにAMDのRyzenシリーズを搭載したマシンを組みたいという自作ユーザーも多いことだろう。インテルの次期CoreプロセッサーでもPCIe 4.0に対応するものの、現状ではPCIe 4.0対応はRyzenだけ。ファイルの読み書きが爆速になれば、ゲームだけに限らず、アプリの起動も早くなるし、写真や動画の編集でもストレスなく作業できるようになる。起動ドライブとしてはもちろん、データ用ドライブにも利用したら爆速なマシンを構築できる。
PS5用でもゲーミングPC用でも、WD_BLACK SN850は今後、ストレージにおけるスタンダードになるはず。店頭でもネットショップでも本製品を見かけたらすぐにポチって確保してほしい。