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T教授の「戦略的衝動買い」 第609回

Kickstarterで1万円台の3Dプリンター「Selpic Star A」を試した!

2020年11月26日 12時00分更新

文● T教授 撮影●T教授 編集●ASCII

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静音性能が優秀だとのことなので、思い切って唯一スペースのある寝室の出窓に設置することを決めた

 早速、2日間ほど自宅に届いたまま放置していたSelpic Star Aの梱包を解き、設置場所を物色し始めた。頭の中に"パソコンの近くが良いはずだ"という思い込みがあったが、実はSelpic Star Aは前述したパソコン用のスライサーアプリであるCuraの吐き出す印刷データを付属のmicroSDカードに保存して、オフラインでSelpic Star Aに渡せればよいようだ。

早速、出窓で組み立てを始めたが、自分の寝室でもあるので頻繁にワンコがやって来て様子を見に来る

 そこで整理整頓とは程遠いパソコンデスク周辺とは無縁の寝室の出窓の大きなスペースをSelpic Star Aの設置先第一候補と考えた。しかし、対象物によれば印刷に何時間もかかりそうな3Dプリンターを寝室に置くというのは、一般的にはあり得ないことじゃないか?と思ってみたりしたが、ほかに置く場所がないので止むなく決定した。

コントローラー(右端)を横に並べても幅40cm。奥行き、高さは25cmくらいだ

 実際に梱包されていた組み立て式のパーツをすべて出窓に並べて見た。組み立てる前には、完成後はかなり大きな立体イメージがあったが、実際に組み立てて設置してみると左端のフィラメントリール〜コントローラーまで、ACアダプターを除けば幅は40cm少しで収まりそうな雰囲気だった。

コントローラーの4つのボタンですべての操作ができるシンプル設計

 同梱のmicroSDカード内に保存されているユーザガイドに沿って、まずは本体の組み立てと初期設定をする。本体は結線を含め複雑な部分は出荷時に組み立て済みなので、実際に行う作業は、Z軸(縦移動)モジュールをXY軸(水平XY移動)のモジュールに垂直に立てるように付属のネジ2本と蝶ナット2個で固定して、Z軸モジュールのモーターケーブルを接続するだけで基本は終了だ。

組み立て後の最初にすることは造形物ができ上がるプラットフォーム面と印刷ノズルとの距離感覚を均一にするレベリング調整だ

 組み立てが終われば、まずは造形物を作り上げる平面のボードであるプラットフォームのレベリングをする。設定方法に関してもユーザガイドを参照しながら、コントローラーのホームキーを使って起動し、プラットフォームの4ヵ所の端っこと中央の5ヵ所でする。測定場所を順次移動しながらコピー用紙をノズル先端とプラットフォーム面との間に挟んで、紙が擦れるくらいの間隔で、なんとか引き出せる距離に調整する。

印刷ノズルユニットが高温になったら上からフィラメントを差し込む

暫くするとノズルから熱で溶けたフィラメントがにゅるにゅると出てくる

 続いて実施するのは、フィラメントのセットだ。コントローラーキーの"+"を押して3分ほどすると、ノズル部分が熱くなってきて、フィラメントを吸引できる状態になる。フィラメントの先端をプリントヘッド部の上からある程度奥の方まで押し込むと、自動的に引き込んで、下部のノズル部分からより細い糸状になったフィラメントがにゅるにゅると出てくる。これでSelpic Star A側の設定作業はおおよそ終わりだ。

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