4K視聴可能な機器の数は、626万7000台
一方、2020年10月末時点の新4K8K衛星放送の視聴可能機器台数についても発表した。
これによると、視聴可能機器の累計出荷台数は626万7000台となった。内訳は新チューナー内蔵テレビが420万1000台、外付け新チューナーが25万1000台、新チューナー内蔵録画機が66万台、新チューナー内蔵セットトップボックスが115万5000台となった。
10月単月では、36万5000台の出荷台数となり、そのうち、新チューナー内蔵テレビは、前年同月比で約1.5倍となる25万3000台となった。
AーPABの相子理事長は、「新型コロナウイルスの感染拡大で、東京オリンピック/パラリンピックが延期となり、普及の伸びが鈍化するのではないかと懸念されたが、巣ごもりや特別定額給付金の影響に加え、家電販売店やメーカー、ケーブルテレビ会社の協力により、順調に普及している。来年の東京オリンピック/パラリンピックの開催までに、なんとか1000万台の普及を目指したい。様々な施策を展開していきたい」とした。
また、A-PABの木村政孝理事は、「2020年4月に累計400万台を超え、7月には500万台を超え、10月には600万台超えとなり、順調に推移している」と前置きし、「2008年~2011年までに、アナログ放送終了にあわせて6857万台のテレビが購入された。13年間分のテレビの出荷台数に匹敵するものであり、これが買い替え時期に入ってきている。また、これまではテレビが壊れたら買い替えるというケースが多いものの、テレビがなかなか壊れないため、買い替えが進んでいなかったが、コロナ禍でのステイホームをきっかけに家族揃ってテレビを見る機会が増え、放送やネット動画をもっと大きな画面でみたい、東京オリンピックを控えて、これから長い間の視聴を考えるならば、大画面の4K、8Kがいいというニーズが、買い替え需要を後押ししていると考えられる」と分析した。
さらに、東京オリンピック/パラリンピックの開催までに、1000万台の累計出荷を目指すことを示しながら、「BS民放局からは、視聴可能台数が1000万台になれば、スポンサーとCM契約の話がしやすくなるという声がある。民放のビジネスモデルを考えれば、1000万台は重要な要素である。また、マーケティング理論から見ても、1000万台を超えれば、アーリーマジョリティのステップに入り、本格的な普及段階に踏み出すことができる」とした。
その上で、「2021年7月までに1000万台に到達するには、あと9カ月間で373万台の出荷が必要である。月平均41万台の出荷台数となる。この半年間は月平均35万台であり、2割増のペースにしなくてはならない。決して楽なことではないが、そこにチャレンジをしたい。プロモーションツールを用意するとともに、大手家電流通協会や全国電機商業組合連合会との連携を強化。コールセンターやホームページの充実を図り、新4K8K衛星放送の魅力を伝えたい。なんとしても1000万台を達成したい」と意気込んだ。
現在、新チューナー内蔵テレビは13社、外付け新チューナーメーカーは8社、新チューナー内蔵録画機器は4社が参入しているという。
さらに、A-PAB 4K8K推進センターの宇佐美雄司センター長は、「南西の方角の空が見通せる家庭であれば、ベランダの床に置いた形で4K8K対応のパラボラアンテナを設置し、4K8Kテレビにつなげれば、すぐに簡単に視聴ができるようになる。また、既存の受信設備の場合には、ブースターやテレビ端子などの機器交換が必要になることもある。その改修において助成金を使って、費用を安くできる場合もある。2020年度からは電子申請ができるようになった。簡単申請ガイドや助成金制度の解説動画をA-PABのホームページで公開している。助成金を活用して受信設備の整備を進めてほしい」と訴えた。