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鳥居一豊の「コンパクトスピーカーが好き!!」 第6回

しなやかできめ細かい聴き心地のよさ、DYNAUDIO「Emit M10」で聴く、堀江由衣・東京事変~表情豊かな声を味わう

2020年11月03日 13時00分更新

文● 鳥居一豊 編集●ASCII

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[試聴曲1] 堀江由衣LIVE TOUR 2019文学少女倶楽部(48kHz/24ビット FLAC)

 今回の試聴で使った曲は、「堀江由衣LIVE TOUR 2019文学少女倶楽部」。昨年12月に行ったライブ・ツアーから、大宮ソニックシティ 大ホールでの公演を収録したもの。CDのほかハイレゾ音源でも配信されており、スペックは48kHz/24ビットFLACとなっている。収録楽曲は全25曲とたっぷりで、彼女の代表曲となる楽曲も数多く盛り込まれたものになっている。聴きどころはやはり、ライブならではの熱気あふれる音響や演奏・歌唱となるだろう。同じ曲でもライブならではの熱気やエネルギーがよく出ていて、堀江由衣の魅力がよく伝わるものになっている。ライブ盤というと、ホールの響きやファンの歓声なども一緒に収録するため、楽曲としては質的に物足りないと感じることもあるが、本作は丁寧な録音とマスタリングが行われており、広いステージ上の歌声や楽器の伴奏が明瞭に定位し、粒立ちのよい音響になっている。大勢のファンの歓声や合唱も絶妙なミックスでライブ感たっぷりながらも、音が混濁するようなことはない。

[試聴曲2] 東京事変/赤の同盟(96kHz/24ビット FLAC)

 そしてもうひとつは、東京事変の「赤の同盟」。配信限定のマキシシングルで、96kHz/24ビットFLACのハイレゾ盤を聴いている。表題曲の「赤の同盟」はドラマの主題歌となった曲。ソロで活動していた椎名林檎のバックバンドとして結成し、その後、バンド活動へと移行してバンド名を「東京事変」とした。2018年にバンド解散となるが、その後2020年に再結成し、アルバム『ニュース』を発表。本作はその後に発表された3曲を収録している。椎名林檎の歌声やエッジの効いた演奏はいっそう充実し、聴き応えのある曲となっている。選んだ理由は完全に筆者の趣味だが、テンションの高いロックサウンドに唐突に戦前の歌謡曲のメロディーを挿入するなど、プログレッシブ・ロックを思わせる楽曲の構成も好きだ。コケティッシュな声色でありながら、エネルギーたっぷりに張り上げる声の迫力も再生するオーディオによって違いがよく出るため、試聴でもよく使っている曲だ。

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