●驚くべきパフォーマンス
iPad AirにはA14 Bionicが搭載される。スマートデバイス向けとしては初めて5nmプロセスでの製造だ。同日発売のiPhone 12シリーズとともに採用されているが、iPhone 12と同様のメモリ4GB搭載チップがiPad Airに入っている。ちなみにiPhone 12 Proには6GBメモリが内蔵され、Dolby Vision方式で最大60fpsの撮影ができる。
iPad AirにはiPhone 12と同じA14 Bionicが搭載されているが、パフォーマンスには大きな差があった。Geekbench 5で手元のマシンを計測すると、iPad Airはマルチコアのスコアで4400前後を記録、グラフィックスのスコアは1万2700を超えた。これはiPhone 12、iPhone 12 Proと比較すると、マルチコアのスコアで10%、グラフィックスで25%高速に動作していることをあらわす。
一方、メモリ6GB、A12Z Bionicを搭載したiPad Pro 11インチモデルは、マルチコア4600、グラフィックス1万2200というスコアだ。
面白いのは、同じチップがたたき出すそのパフォーマンス差だ。iPhoneとiPadの違いは、画面サイズ、バッテリ容量、搭載するカメラなど多岐に渡る。このなかでパフォーマンス差に影響しそうなのはバッテリーではないだろうか。
A14 Bionicに限らず、プロセッサは、許容量はあるが、多くの電気を流せば、より高速に動作する。もちろんこれによって生じる熱を上手く逃がすこと、一定した電力共有を実現する電源まわりなど、備えるべきことも多い。iPadにはiPhoneより大きなバッテリーを搭載しており、より電力が必要になるピーク性能を高めて設定していても不思議ではない。

この連載の記事
-
第321回
トピックス
10万円前後のMacBook その存在は“ワクワク”か、“退屈”か -
第320回
トピックス
アップル「iPad Pro(M5)」、もはや“Mac代わり”になり得る存在に -
第319回
トピックス
ヘンテコな「iPhone Air」の良さがジワジワ伝わってくる。折りたたみモデルの布石としての設計とは -
第318回
iPhone
アップル「iPhone」「iPad」最も注目すべき4つの新機能 #WWDC25 -
第317回
Apple
アップル初のApple Parkでの開発者イベント、初公開の「Loop Building」とは -
第316回
Apple
「Mac Studio」アップルの多様すぎる接尾語について考える -
第315回
Apple
アップル「Mac Studio」登場で生じる、ラインアップへの疑問 -
第152回
Apple
アップル「MacBook Pro」ポート増加は敗北なのか -
第151回
Apple
iPhone分解アートと、Appleが目指す未来 -
第150回
Apple
アップル新型「MacBook Pro」どの構成で買うべきか -
第149回
iPhone
アップル「iPhone 13」4つの魅力 - この連載の一覧へ









