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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第119回

アップル新型「iPad Air」完璧に近いコンピュータ

2020年11月04日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●驚くべきパフォーマンス

 iPad AirにはA14 Bionicが搭載される。スマートデバイス向けとしては初めて5nmプロセスでの製造だ。同日発売のiPhone 12シリーズとともに採用されているが、iPhone 12と同様のメモリ4GB搭載チップがiPad Airに入っている。ちなみにiPhone 12 Proには6GBメモリが内蔵され、Dolby Vision方式で最大60fpsの撮影ができる。

 iPad AirにはiPhone 12と同じA14 Bionicが搭載されているが、パフォーマンスには大きな差があった。Geekbench 5で手元のマシンを計測すると、iPad Airはマルチコアのスコアで4400前後を記録、グラフィックスのスコアは1万2700を超えた。これはiPhone 12、iPhone 12 Proと比較すると、マルチコアのスコアで10%、グラフィックスで25%高速に動作していることをあらわす。

 一方、メモリ6GB、A12Z Bionicを搭載したiPad Pro 11インチモデルは、マルチコア4600、グラフィックス1万2200というスコアだ。

 面白いのは、同じチップがたたき出すそのパフォーマンス差だ。iPhoneとiPadの違いは、画面サイズ、バッテリ容量、搭載するカメラなど多岐に渡る。このなかでパフォーマンス差に影響しそうなのはバッテリーではないだろうか。

 A14 Bionicに限らず、プロセッサは、許容量はあるが、多くの電気を流せば、より高速に動作する。もちろんこれによって生じる熱を上手く逃がすこと、一定した電力共有を実現する電源まわりなど、備えるべきことも多い。iPadにはiPhoneより大きなバッテリーを搭載しており、より電力が必要になるピーク性能を高めて設定していても不思議ではない。

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