GoGo ロボットプログラミング ロジーボのひみつ TQJS-00003
実売価格6578円
ソニー・インタラクティブエンタテインメント
https://toio.io/titles/gogorobot.html
3歳児くんの保護者をしております盛田諒ですこんにちは。ソニーの「toio」を親目線で遊ぶ「お父さんのtoio日記」、第4回はいよいよ本命のプログラミング系タイトル「GoGo ロボットプログラミング」を遊びます。これがゲームとしていい感じに難しく、やってるうちに「すーぱーぐっすんおよよ」を思い出しました。中身は全然別物なんですが、どこかパズル的というか「これでどうだ!よっしゃー行った!オレ天才!」という熱い試行錯誤がよみがえる感じなんですよね。
試行錯誤をしているうちにプログラミング的な考え方がわかるんだから面白いもんです。個人的にはループ処理が限界で、条件処理が出てきたところで頭が完全にショートしたんですが。逆に言えばプログラミングのどこでつまづくかを判定できるリトマス試験紙的な意味もありそうです。
●ロボットを命令で動かすゲーム
あらためて、toioは本体にソフトを入れて遊ぶゲーム機のようなおもちゃ。電車のつり革のようなコントローラーと「キューブ」というサイコロ状のロボットで遊びます。キューブにはルンバ顔負けのセンサー入り。ラジコンのように動かすだけでなく自動走行もできるのがポイントです。
今回開けるタイトルは「GoGo ロボットプログラミング」。もともとプログラミング系知育玩具として知られていたtoioのド本命と言うべきタイトルです。
それではピザのような正方形の箱を開けてみましょう。
出てきたのは、カートリッジと、キューブのカバー、キューブに命令を与える(プログラムする)ための「めいれいカード」、そしてリングどめされた本。
この本がいわばゲーム画面。キューブに「めいれいカード」で行動パターンをプログラミングして、本に書かれたコース上を走らせ、ゴールまでたどりつけばクリアというシンプルな内容です。
チュートリアルのプログラムは、
1.めいれいかいし
2.いっぽすすむ
3.めいれいおわり
というもの。ちゃんと開始と終了で命令を囲む形になっています。
主人公は「エンタ」というロボット。分厚い唇がチャームポイントですね。
カードを並べてキューブを置くと、左から右にズィ〜ッと動いてスキャン完了。「スタート」に置くと、命令どおりヒョコヒョコ動きました。なるほど、コンピュータにプログラムを入力して実行する様子を実感できる格好です。
チュートリアルが終わったらいよいよ本番です。
●ステージにも工夫がある
まずは「右を向く」「左を向く」の方向変換から。「一歩進む」と合わせて考えるので頭がダンジョン系RPGになりますが、まあイメージするのは簡単です。これだけをいわゆるプログラミングカーとして売っている商品もありますね。
次に出てくるのが「くりかえす」、ループ処理。はじめはチュートリアル的に「一歩進む」を「3回くりかえす」で三歩進ませるだけなんですが、こいつがいることでゲームの難しさが急激に上がり、場合によってはパニックになります。
次に出てくるのが「アクション」、昔のRPGでよく使われていた「しらべる」にあたる機能です。床に落ちているたいまつを拾ったり、床にあるスイッチを切り替えるなど、ゲームクリアに必要な条件を実行していきます。
ステージ上にはツルーっとすべってしまう「氷の床」も出てきました。やっぱ昔のアクションゲームでよく見たやつですね。命令だけでなくステージそのものに工夫があることでゲームとしての面白みが上がっているようです。
●複数のロボット、複雑な条件
さらに進めると「コロン」というリボンのついたロボットも出てきました。
コロンはエンタに押されることで動く受動的なロボット。ただゴールするのではなくしょっちゅう「充電切れ」の状態になってしまうコロンを充電台まで押してからゴールするという条件つきのステージが増えていきます。
エンタは一歩戻ることができないので、コロンを押したあと「くりかえす」で方向転換をしたりするんですが、直感にしたがって入力しても、なぜか最後までたどりつけない。どの命令を「くりかえす」に含め、どの命令を「くりかえす」の前に持ってくるかを調整してクリアをめざします。
このあたりで頭がショートしはじめ、「右向いて一歩進んで……」とマスの上で指さし確認をするようになりました。デジタルの語源は指折り数えること(離散的)ですが、実際にやるとむしろアナログだなと思わされます。いわゆる暗算能力の乏しさをあらためて感じさせられる瞬間です。
絶望する私をよそに、さらに新しい条件が増えます。
「ラグ」という意地悪なやつが出てきて、エンタにあわせて一緒に動きます。
このラグにつかまらないよう、自分のターンを消費するだけの「待つ」というカードを使うんですが、これが厄介。ステージ「3-10」は何回やってもラグに捕まり、テーブルをひっくりかえしそうになりました。
そして最後に出てくるのが「じょうけん」です。「コロンが赤い床にいる?『はい』なら行動1を実行」というように、ロボットがいる床の色を条件に行動を変えられます。2種類の行動パターンをおぼえ、条件と組み合わせてゴールまでの工程をイメージすることになります。
ループの時点で白煙をあげていた私の脳は「バーン!」という爆音とともに四散。私の心身は活動を停止し、動かなくなりました。
●かなり遊びごたえがある中身
toioのプログラミングタイトル「GoGo ロボットプログラミング」を遊びました。結局最後までクリアできてねーのかよという話ですが、それだけ手ごたえがありますね(という言い訳)。詰め将棋のようなゲームとしての面白さがあって、子どものころなら徹夜でやっていたかもしれません。
プログラミング玩具といえば行動を指定してコースを走らせるミニカーなどが一般的ですが、toioは複数のロボット、工夫があるコースを使い、繰り返しや条件など比較的複雑な動作を組んで考える練習ができます。子どもの性格にもよりますが、楽しめるのは4〜5歳以上かなと感じます。
最近は「Tangiplay(タンジプレイ)」のように、iPadのアプリとつながり、関数の作成/呼び出しのように高度なプログラミングをできるおもちゃも出てきていますが、toioはその先駆けとなるような存在。ソニーが気合いを入れて作っただけあり、かなり遊びごたえのある内容です。
ただ親としては正直、これをドーンとプレゼントしたところで、子どもがまったく興味を示さなくなってしまったらどうしようという懸念もあります。toio本体と合わせれば安いものでもないし、一度試してみたい人向けのレンタルプランがあったらいいんですが。
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。3歳児くんの保護者です。Facebookでおたより募集中。
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