Rakuten BIGの最大の特徴
ディスプレー内蔵フロントカメラの実力を試す
Rakuten BIGで一番気になるのはディスプレーに埋め込まれた3200万画素のフロントカメラの性能だろう。これはディスプレーの一部を欠き取ってカメラが埋め込まれているのではなく、表示エリアとして使うディスプレーの下にカメラが配置されているのだ。ディスプレーを構成する電極などのパーツに透過度の高いものを採用することでカメラの埋め込みに成功したという。
正面からパッと見てもフロントカメラの存在には気が付かない。斜めから見たときにうっすらと正方形の影のようなものが見えるが、普段使いする分にはまったく気にならない。6.9型のディスプレー全面で動画や写真を見てもカメラの存在はわからない。
ではRakuten BIGのフロントカメラで撮影するとどのように写るのだろうか。フロントカメラで撮るものと言えばセルフィー、ということでセルフィーに詳しいITジャーナリストの富永彩乃氏にセルフィーを撮っていただいた。セルフィーではビューティーモードもかかるのでそれをかけての撮影だ。
ぱっと見ると顔はちゃんと写っており、ディスプレーの下に埋め込まれたカメラで撮影したようには見えないかもしれない。しかし全体のイメージはややぼけがかかっており、切れのない印象を受ける。背景のライトもフィルターをかけたような感じに写る。SNSにアップして近況をシェアするくらいならいいが、セルフィーをしっかり撮影したいとなるとさすがにこの新しい技術のカメラではまだ難しそうだ。なおシャッターを押した後、次の撮影をするまで3秒程度かかる。
フロントカメラを使って屋外撮影も行なった。雨が降る悪条件ではあるが、フロントカメラは顔にピントが合うように調整されていると思われ、遠景はぼける。まあこのような写真を撮ることは実際はないだろうから参考にしてほしい。
一方、リアカメラは6400万画素の広角に加え、800万画素の超広角、200万画素のマクロ、200万画素の深度測定の4つを備えるマクロを備えていることから近距離撮影にも強くカメラの使い勝手は高そうだ。
写真は4608×3456ドット、約1600万画素で撮影される。6400万画素で撮影する際は設定画面から解像度を変更するのがちょっとだけ面倒だ。マクロは「その他」の中から選べばよい。また背景ぼかしを選ぶとF値(絞り)を手動で1.0から8.0まで変更でき、ぼけの度合いを自由に変えられる。
以下は作例。天気が悪いため本来のパフォーマンスは出ていないだろうが、画角などは参考になるだろう。スーパーナイトモードの夜景も十分美しい。
楽天モバイルの5Gエリアが限定的であるため、Rakuten BIGを5Gスマートフォンとして今購入しても高速通信をすぐに体験することはできない。しかし4つのカメラを搭載した大画面のミッドハイレンジスマートフォンとして考えると性能は悪くない。フロントカメラの見えないディスプレーはコンテンツ視聴をより快適にしてくれるだろう。eSIMしか使えずユーザーを選ぶ端末だが、なかなか面白いスマートフォンと感じられた。
「Rakuten BIG」の主なスペック | |
---|---|
ディスプレー | 6.9型有機EL(20.5:9) |
画面解像度 | 1080×2460 |
サイズ | 約80×174×9mm |
重量 | 約227g |
CPU | Snapdragon 765G 5G 2.4GHz+2.2GHz+1.8GHz (オクタコア) |
内蔵メモリー | 6GB |
内蔵ストレージ | 128GB |
外部ストレージ | microSDXC(最大256GB) |
OS | Android 10 |
5G対応周波数 | サブ6、ミリ波 |
対応バンド | 5G NR:n77/n257 LTE:1/3/4/5/7/12/17 /18/19/26/28/38/41/42 W-CDMA:1/2/4/5 |
無線LAN | IEEE802.11ac |
カメラ | アウト:約6400万画素(広角、F値1.89) +約800万画素(超広角、F値2.2) +約200万画素(マクロ、F値2.4) +約200万画素(深度、F値2.4) /イン:約3200万画素 |
バッテリー容量 | 4000mAh |
FeliCa/NFC | ○/○ |
防水/防塵 | ○/○(IPX8/IP6X) |
生体認証 | ○(画面内指紋) |
USB端子 | Type-C |
連続通話時間 | 約21.7時間 |
連続待受時間 | 約530時間 |
SIM | eSIM |
カラバリ | ホワイト、ブラック、クリムゾンレッド |
発売時期 | 発売中(クリムゾンレッドのみ11月以降) |
価格 | 6万9800円 |
この連載の記事
-
第511回
スマホ
価格も性能も妥協したくない人にオススメの王道ハイエンドスマホ3選 -
第510回
スマホ
スマホは高くない! 2万円台で買えるオススメ格安エントリースマホ4選 -
第509回
スマホ
着せ替えスマホ「CMF Phone 1」はカスタマイズが楽しいが実用面での弱点もあり -
第508回
スマホ
たたんでも極薄9.2mm! 世界最薄折りたたみスマホ「HONOR Magic V3」を試す -
第507回
スマホ
シャオミの「Redmi Note 13 Pro+ 5G」は2億画素カメラに防水防塵など必要な機能が揃って6万円以下 -
第506回
スマホ
Galaxy Z Fold Special Editonを最速レビュー! 厚さ10.6mmの薄型折りたたみスマホ -
第505回
スマホ
シャオミの折りたたみ機「Xiaomi MIX Fold 4」は閉じても9.47mm! ライカカメラ搭載の激薄機をレビュー -
第504回
デジタル
唯一無二の3つ折りスマホ「HUAWEI Mate XT Ultimate Design」を早くも触った! 40万円の価値アリ! -
第503回
スマホ
シャオミのフラッグシップキラー「POCO F6 Pro」はハイパワー、急速充電、カメラのエモさが魅力 -
第502回
スマホ
vivoのカメラフォン「X100 Ultra」はカメラグリップでコンデジに変身する -
第501回
スマホ
1型センサーで世界一カメラのファーウェイスマホ「Pura 70 Ultra」はデジカメとして使いたくなる - この連載の一覧へ