今シーズンはD1グランプリ、86/BRZレース、全日本ラリーなどさまざまなレースカテゴリーを応援しているASCIIだが、スーパー耐久も今回からレポートする。参戦マシンである「ポルシェ 718 ケイマン GT4 MR」にASCII.jpのロゴを貼ってもらったのは「バースレーシングプロジェクト【BRP】」。ポルシェ・ジャパンとドイツの名門「マンタイ・レーシング」のサポートを受けるプライベーターだ。このチームを中心に、その白熱の耐久レースをお届けしていく。
悪天候で予選が中止の事態に!
波乱の幕開けだった第2戦スポーツランドSUGO
2020年のピレリ スーパー耐久シリーズ第2戦が10月10日~11日にスポーツランドSUGOで開催された。今シーズンも全8クラスで争われているが、その中でも激しいバトルが繰り広げられているのが「ST-Zクラス」で世界中のGT4規格(※)の車両が集い、開幕戦からしのぎを削っている。
※プロドライバー向けの車両規格「GT3」カテゴリーに対して、アマチュア(ジェントルマン)ドライバーのための車両規格が「GT4」カテゴリー。
第2戦スポーツランドSUGOでは、全体を2つのグループに分けて予選、決勝を開催。このうちST-Zクラスは日曜日に決勝を行なう「グループ1」に分類されたが、10日(土)は台風と秋雨前線の影響で大雨となった。特にグループ1の予選時の雨量が非常に激しく、残念ながらセッションは中止となり、第1戦富士24時間レースでの結果をもとにグリッドが決められた。
決勝レースも雨模様で波乱含みの展開となったが、そこで目覚ましい活躍を見せたのが、バースレーシングプロジェクトの19号車(BRP★SUNRISE-Blvd718GT4MR)だった。
3時間耐久として開催された決勝レース。途中に2回のドライバー交代を伴うピットストップが義務付けられる。19号車は福田幸平/松本武士/塩津佑介/奥村浩一のラインナップでエントリーしたが、今回の決勝では奥村は走らず、残る3人が走行を担当した。
ST-Zクラス5番手からスタートした19号車は、まず塩津が第1スティントを担当。序盤から接近戦のバトルが展開されたが、その中で塩津はひとつポジションを上げて4番手になったところで、第2スティント担当の福田にバトンをつないだ。さらに追い上げたいところだったが、レース中盤は雨量も強くなるなど難しいコンディションとなり、19号車は一時7番手まで後退した。トップとの差も大きくついてしまい、今回の上位進出は難しいかと思われたが、19号車の本当の追い上げはここからだった。
レースの半分を折り返したところで、早々に2度目のピットストップを敢行。チームの中ではエース的存在でもある松本が乗り込み、残りを1人で走り切る“ロングスティント”に臨んだ。
松本は1台、また1台と着実に交わしていき、レース終盤に2番手に浮上。トップを快走する3号車(ENDLESS AMG GT4)を追いかけた。しかし、10秒後方まで迫ったところで3時間を迎えチェッカーフラッグ。19号車は2位となった。
あと一歩のところで優勝に届かず悔しい結果とはなったものの、今季初の表彰台を獲得したことで、今後に向けて弾みをつけるレースとなったことは間違いないだろう。
エントラント代表
奥村浩一氏コメント
スタートドライバー塩津佑介、 次に福田幸平 、ラストの松本武士の順は想定通りで、出走順は今までの経験値を元に決めました。
スタートの塩津で6~7番手ぐらいで戻り福田に交代、ラストの松本で追い上げる予定で、今回の戦略はバッチリハマりました。欲を言えば塩津と 福田のラップタイムが、あとコンマ1~2秒速ければトップの3号車と争えたと思います。
しかしこれがチームの現状で、プロドライバーを有するチームに、アマドライバーとチームの総合力で挑むのがうちのスタイルです。スーパー耐久は、いろいろと見所はありますが、プロドライバーとアマチュアドライバーのガチンコ対決が見れるのはこのレースだけ、そういう視点で見てもらえればより面白いと思います。
前戦の富士24時間では、セーフティーカーなどの導入ですべてのタイミングがずれ、思うようにレースが組み立てられず残念な結果となりました。今回は今まで準備してきた事が実り、また遅いと言われたポルシェの前評判を覆し、その速さを証明できたと思います。次戦岡山もいいレースを見せられるように頑張ります。これからよろしくお願いします!