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kintoneによるローコード開発で現場、情シス、SIerの役割はどうなる? 

2020年10月15日 15時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 2020年10月15日、サイボウズは第4回目となるMedia Meetup Vol.4を開催。サイボウズの相馬理人氏が「ローコード開発だからできる!kintoneによる『現場改善』」をタイトルで、kintoneによるローコード開発のメリットと、現場、情シス、SIerの役割を説明した。

サイボウズ 事業戦略室 kintone ビジネスプロダクトマネージャー 相馬理人氏

シンプルな業務アプリを現場でいくらでも作れるkintone

 2011年11月にリリースされたkintoneは「3分でできる業務システム」を標榜し、当初からローコードのアプリ作成環境を提供している。現在、1万6500社が導入しており、昨今は大阪府や神奈川県、八尾市などスピードが求められる自治体のコロナ禍対応においても有効活用されてきたという。

 今回はローコード開発がテーマ。まず「ローコード」とは、GUIを用いることで、最低限のコーディングでソフトウェア開発を実現するツールを指す。また、コードを一切書かず、すべてGUIで開発を実現するツールが「ノーコード」になる。

 これらは大きく開発者向けツールと開発知識のない現場プロ向けツールがあるが、kintoneは後者の「現場」にこだわってきた。実際、kintoneを導入している1万6500社の企業やチームのうち、82%は非IT部門になるという。複雑性の高いミッションクリティカルな業務システムより、シンプルな業務アプリをいくらでも作れるというのがkintoneの特長なので、やはりメインターゲットは業務を理解した「IT以外の現場の非開発者」になる。

現場にこだわるkintone

 もともとノーコードからスタートしたkintoneだが、今ではノーコードとローコードの利点をうまく生かす仕組みを目指している。というのも、ノーコードだけでは拡張性が乏しく、現場はカオス化しまい、ローコードだけでは結局開発者が作ってしまうので、利用者と乖離してしまうからだ。

 現在でもkintoneはほとんどノーコードで開発ができる。たとえば、日報を作りたい場合は、現場がノーコードで作れるし、複数のシステムと連携するような案件管理でも、情シスはノーコードで作れる。さらに、他のSaaSと連携したり、カスタマイズする場合はプラグインを使えばよい。つまり、ローコードとノーコードのすき間をプラグインが埋めているわけだ。一方で基幹システムと連携したり、UIを作り込む場合は、外部のSIerがローコードで開発で実装するという形になる。

ノーコードの俊敏性とローコードの柔軟性

変化するビジネス、IT人材不足、SaaS乱立などローコードが盛り上がる背景

 昨今、ローコードが盛り上がった背景として、相馬氏は市場ニーズと適合してきたポイントを説明する。まずは従来型のシステムでは、コロナ禍をはじめとしたビジネスや環境変化に追従できないという課題がある。ビジネスの変化とともにシステムも柔軟に変化し、ギャップを埋める必要があるわけだ。

市場ニーズとの適合

 また、IT人材の不足という点も挙げられる。kintoneのように現場がある程度作って、IT部門が支援するという関係性ができなければ、システム開発はボトルネックになってしまう。さらに「SaaS乱立」も課題だ。現場によかれと思って情シスがSaaSをいっぱい導入するとシステム管理は負荷になるし、現場に導入を任せるとシャドーITになりがちだ。

 これに対してkintoneを使えば、現場、情シス、SIerの「三方よし」のシステムが作れるという。まず勘のよい現場のプロであれば、自分でもアプリ作成でき、要望とのミスマッチが起こりにくい。情シスもkintoneという1つのプラットフォームで複数の業務アプリを統合管理できるほか、現場と情シスでの線引きが容易になるというメリットもある。

 kintoneで開発を手がけるSIerにとっても、対面開発のアプローチを使えば、顧客の目の前で満足度の高いシステムを作ることができるし、汎用的な要件をプラグイン化することで、外販というビジネスも開ける。また、継続的な改善を前提にした案件創出につながる。そのためにSIerはシステムのプロであり、アプリ開発の支援者としてユーザーと伴走することが求められるという。実際、kintone SIも、最近ではミューチュアルグロースやアールスリーインスティテュート、コムデックなどのサブスクリプション型SIが増えているとのことだ。

 最後、相馬氏はたった二人の非IT担当者が90以上のアプリを開発したFast Fitness Japanや1人の担当とSIerが店舗情報を管理するシステムを構築したゲオホールディングスなどの現場でのIT化事例を披露し、ローコードならではのメリットや情シスやSIerの役割などを説明した。

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