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Windows Info 第242回

Windowsキー絡みのショートカットは徐々に増えて、減って、また増えている

2020年09月20日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII

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おなじみWindowsキーの初登場は1994年
すでに四半世紀以上の歴史が

 現在のPCのキーボードには、一般にWindowsロゴキーがある。Windowsのアイコンが書いてあるキーで、Windows 10では押すとスタートメニューが開く。これが最初に搭載されたのは1994年にマイクロソフトから発売されたNatural Keyboardである。すでに手元に資料が無いのだが、Windows 95向けのハードウェアデザインガイド(通称PC95)には、このキーに関しての記載があったと記憶する。

Windowsロゴキーは、1994年に始まるWindowsキー。いまではほとんどのキーボードにこのキーがある

 PC95では、WindowsキーとAppキー(Menuキー)が追加のキーとして定義されており、従来のIBM PC/ATの102キーボードからキートップが2つ増えて104キーになった。以来、メーカー製PCには、この2つのキーが搭載されることがほとんどで、たとえWindowsロゴはなくても、同等のスキャンコードを発生させるキートップはほとんどのキーボードが持つ。以下では長いので、以後Windowsロゴキーを「Winキー」と表記する。

Windowsのロゴが付いたキーがないものもあるが、実際には同等のスキャンコードを発生させるなんらかのキーが用意されている

 Windows 95が発売された当時、必ずしもすべてのキーボードにWinキーが搭載されているとは限らなかった。そのこともあって、スタートメニューは「Ctrl+Esc」でも開くことができたし、今でもそうだ。ただし、Ctrl+Escはあくまでスタートメニューを開くためのキーボードショートカットで、Winキーの代用というわけではない。

 Windows 95では、スタートメニューを開く動作を含め、10種のキーボードショートカットが定義され、シフトキーなどを併用するショートカットの総数は13個だった。これは、同じGUIを採用したWindows NT 4.0も同じだった。このキーボードショートカットは、Winキーを持つキーボード(当時はマイクロソフト製のキーボードのみ)で利用できる“特典”だったわけだ。たとえば、「Win+E」でエクスプローラーが開く、「Win+R」で名前を指定して実行などの操作は、現在でも同じように動作する。以下の表がそのオリジナルとも言うべきショートカットだ。

  Win+● Win+その他のキー+●
単独 スタートメニュー  
D デスクトップの表示  
E エクスプローラーを起動  
F ファイルとフォルダーの検索 (Ctrl+)コンピューターの検索
M すべてのウィンドウを最小化 (Shift+)最小化したウィンドウを戻す
R 名前を指定して実行  
U コンピューターの簡単操作センター  
Pause マイコンピューターのプロパティ  
Break マイコンピューターのプロパティ  
Tab タスクバーボタンの巡回  
F1 ヘルプ  

Winキーの普及とともにキーボードショートカットが増える

 その後、Windowsのバージョンアップとともに、Winキーと併用するキーボードショートカットは増えていった。1つには、キーボードショートカットは、その組み合わせが有限でアプリケーションによっては大量のキーボードショートカットを定義する。このとき、Windowsのキーボードショートカットと衝突すると、アプリケーション側は勝ち目が無い。

 なぜなら、キーストロークはWindowsが取得してアプリケーションにメッセージとして通知するため、先に処理がなされてしまい、アプリケーションには、Windowsのキーボードショートカットのストロークは伝わらないからだ。このときマイクロソフト専用とも言えるWinキーは、アプリケーションとの衝突がほぼ確実に避けられるキーボードショートカットになるわけだ。ただし、マイクロソフトがこのことに気づいて、ショートカット割り当てを増やし出すのは、実はWindows Vistaになって以降の話。その前バージョンであるWindows XPでは、実は12種14個とWindows 95から2つしか増えていないのである。

 VistaでWinキーのキーボードショートカットが増えたのは、Winキーを搭載するハードウェアが普及したこと、多数の新機能に対してキーボードショートカットを割り当てる必要があったからだ。著名なのは「Flip3D」と呼ばれる「Win+Tab」だろう。これを押すと、実行中のウィンドウが斜めに立った「3次元」表示されて、クルクル動き出す。

Windows Vistaを象徴するタスク切り替え画面

 機能としては現在と同じく、起動中のウィンドウを選択する機能なのだが、見た目が派手なのと、Vistaで実装されたDirectXによる高速描画が可能であるため、Vistaの特徴的な機能として頻繁にデモに使われた。今から見ると(いや当時見ても)、大したことがないがない機能だが、当時はこれで驚いた人もいたようだ。もっともあまりにムダなのか、Flip-3Dは、Vista限りで終わってしまったが。このVistaでは、Winキーのキーボードショートカットは16種19個となった。

 ちなみに、このキーボードショートカットの数え方だが、Winキーと組み合わせる文字キー、機能キーで種類を数え、これらにShift、Ctrl、Altまたはこれらの組み合わせの装飾キーが付くものの合計を個数としている。ただし、数字キーは0~9までをまとめて1つとして数えている。Vistaでは16種だが、実際にはWin+数字キーが定義されていて、実数として25種となる。XPが12種だったので実質倍増である。

 なお、キーボードショートカットは、実際にはキートップ同士の組み合わせになる(Windowsが検出しているのも物理キートップに応じて通知されるスキャンコードである)。キーボード配列では、シフトキーを併用して1つのキーに2つの文字を割り当てる。しかし、キーボードショートカットは、文字ではなくキーを検出して行われる。

 このためJIS配列では「Win+セミコロン(;)」と「Win+コロン(:)」を区別することができるが、ASCII配列ではどちらも同じキートップとなる。「Win+セミコロンキー」と「Win+Shift+セミコロンキー」と考えることもできるが、ショートカットでは、シフトキーを併用するものは、逆順として扱うことが一般的なルールで、キートップのシフト状態を変えるためには使われない。なので、コロンをショートカットキーの組み合わせには使わないのが一般的である。

Windows 8でモダン環境の影響で一気に増える

 そのあとさらに増えたのは、Windows 8になってからだ。Windows 8では、デスクトップ環境とモダン環境(メトロ)でそれぞれアプリの種類が違い、モダン環境用に新たにさまざまなキー(たとえばチャームバーを呼び出す機能や設定チャームを呼び出す機能など)が作られた。

 この時点で、モダン環境アプリは基本的な操作を統一するという方向があり、たとえば「Win+V」や画面下からのスワイプでアプリ独自のメニュー(アプリメニュー)を表示させるなどの基本スタイルがあった。これらのほとんどがWinキーを使うものだった。既存のアプリが持つキーボードショートカットと衝突せずにキーボードショートカットを増やすのはこれしか方法がなかったからだ。

 Windows 8(2012年)では、39種54個だったWinキーのキーボードショートカットは、Windows 8.1 Update(2013年)では、45種67個になっていた。Windows 8.x系では、独自のUIでスタートしたものの、「スタートページ」が不評で、最後は「スタートメニュー」に戻したという経緯がある。また、最初は画面を区切って共存させていたモダン環境アプリがウィンドウ表示されるようになり、初期のWindowsストアアプリ用に古いキーボードショートカットを残しておく必要があった。

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