日曜日の第3戦はエビス・マイスターの小橋選手が勝利!
一夜開けた日曜日も好天。朝は曇り空で過ごしやすそうと思っていたのですが、いつしか陽が出て、夏のエビスらしい暑さになりました。となると前日までと同じ結果かというと、そうではないのがD1グランプリの面白いところです。
単走決勝では「どうしても単走優勝したい」と語るエビス・マイスター小橋選手がまず99.37という、ほぼ満点に近い得点をたたき出します。小橋選手はこの得点に満足し2本目をキャンセル。追走トーナメントに向けてタイヤを温存します。どうやら各選手は前日の単走優勝した田中選手の走りを研究しているようで、次々に高得点をマーク。先日の16位通過の95.68点よりも高い97点がボーダーラインとなっていきました。
小橋選手を上回ったのが川畑選手。前日までとうって変わり、セクター1への思い切りのよいハイスピードかつダイナミックな走りは、99.40をマークでトップに立つと2本目をキャンセルしてタイヤ温存策に。藤野選手も2本目に98.70を出し6位で通過。昨日までと違うハイレベルな争いとなりました。
ルーキーの蕎麦切選手は1本目失敗。2本目はセクター1でダイナミックな走りをみせるも、ゾーン2と3不通過で5点減点により追走トーナメント進出ならず。若武者の夏はここで終わりを迎えました。
小橋選手は「ホントに単走優勝したかった」と愚痴をこぼすと、川畑選手は「これが実力の差よ」と笑顔。「まずはセクター1で20点超えを目指す走りを考えました」と、やはり前日の田中選手同様、セクター1が重要だったようです。
追走トーナメント。川畑選手の初戦は44歳の遅咲きルーキー笹山選手。川畑選手先行の1本目はセクター1から速度の違いが出てしまい、笹山選手を置いていき7ポイントの大差をつけます。入れ替えての2本目、川畑選手は笹山選手にピタリとつけて川畑選手は5ポイントの後追いポイントを獲得。大差で勝利します。藤野選手は最多参戦の上野選手を倒し、順当にコマを進めます。
ベスト16戦のハイライトは3本。まずひとつはD-MAX同士による対戦。どちらもほぼ同じ仕様のマシンです。横井選手先行の1本目、対戦相手でチームメイトの末永(正)選手はセクター1から置いて行かれしまいます。入れ替えての2本目、末永(正)選手に終始ピタリとつけて圧勝。
中村選手対斎藤選手というベテラン同士のバトルも見もの。D1グランプリらしさに溢れるものでした。走りは互角だったのですが斎藤選手はスタート直後にパイロンを倒したため減点。この減点が響いて中村が勝利します。
今年から参戦したサイルンタイヤの畑中対日比野の戦いは、後追いの日比野選手がジャンプ後に失速。原因はプロペラシャフトが折れたことによるマシントラブル。「なんだよ、このクルマ壊れちゃったよ」と言うものの、暴れたドライブシャフトの振動でシートは動き、フロントガラスにヒビが。路面にはドライブシャフトが削っていった跡が残るなど壮絶なもの。一歩間違えたら命を落とす大事故です。「優勝するつもりだったのによぉ」と残念な顔でマシンと自撮りをすると、そのままコースを後にしました。D1マシンの凄さ、そしてエビスコースの恐ろしさを改めて知らしめされました。
ベスト8戦では川畑選手対末永(直)選手の対戦。川畑選手先行の1本目。川畑選手はミスはなかったものの、末永選手が終始ピッタリつけて8ポイントをリードされてしまいます。後追いの2本目、川畑選手も終始ピタリとつけて8ポイントを獲得するものの、先行する末永(直)選手の走りがよく、202対201というハイレベルな戦いながらも1ポイント差で敗退。いっぽう藤野選手は落ち着いた走りで順当にコマを進めていきます。
ベスト4の末永(直)選手対中村選手戦は1回では勝負がつかず再選。しかし末永(直)選手選考の1本目、3セクターで中村選手が末永(直)選手に接触。そのままインカットしてしまいます。中村選手によるとジャンプ後に後輪の足回りが壊れ、クラッシュ回避するためにインカットしたとのこと。末永選手が決勝に進出します。
ベスト4の2戦目は、小橋選手対藤野選手の対戦。小橋選手の2連勝を阻止に期待したいところ。スタート雨に小橋選手のマシンにタービン系のトラブルが。ですが、走り始めるとトラブルは一体何だったのか、という小橋選手の走り。藤野選手は奮闘するのですが、勢いに勝って小橋選手が勝利。これにより単走順位の結果から中村選手の3位が決定しました。
決勝はチームオレンジ同士の対戦。末永(直)選手は2013年以来7年間優勝がなく、勝てば4勝目。小橋選手も勝てば昨日に続き4勝目という対戦です。勝負は1回ではつかず再戦にもつれ込みます。小橋選手先行の1本目。末永(直)選手がセクター2でアウトに膨らんでクラッシュしリタイア。これで小橋選手の優勝が決まりました。小橋選手は生涯5勝すべてがエビスサーキット南コースと、名実ともにエビス・マイスターとなりました。
勝った小橋選手は「楽しかったです。再選が決まった時はやっぱりね、という気分でした」と笑顔。いっぽうで「エビスでしか勝ったことがなくて。去年も他のサーキットで落としていますから、次も勝ちたいです」と勝って兜の緒を締めていました。末永選手も「小橋先生にやられてしまいました。でもいいですね」と、なかばあきれ顔で笑顔をみせていました。
3戦終了時点で、ランキングトップは小橋選手。2ポイント差で川畑選手、そこから3ポイント差で昨年のシリーズチャンピオンの横井選手が追いかける展開となりました。
次戦はしばらく間が空いて、10月31日・11月1日の2日間、オートポリスで行われます。シリーズ屈指のハイスピードドリフト。ヱヴァRTがスポット参戦を表明するなど、見逃せない闘いになりそうです。
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