追走トーナメントはクラッシュもあり大波乱に!
午後からの追走トーナメントは、ベスト16戦3試合目に斎藤大吾選手対蕎麦切広大選手という好カードが実現。蕎麦切選手はベテラン相手に果敢に攻めたものの、蕎麦切選手のコースアウト減点と斎藤選手の近接により、3ポイント差で敗退。しかしルーキーとは思えないアグレッシブな走りには会場から拍手が沸き起こりました。
ベスト16戦第4試合の川畑選手と末永(直)選手の戦いも注目の1戦。川畑選手後追いの1本目、先行する末永選手に対して1ポイントしかリードが獲得できず。入れ替えての川畑選手先行の2本目は綺麗なラインを走行しながらも、末永選手を引き離さなければ勝ち上がれないという危機的状況に。GRスープラの1000馬力は、見事にその役割をはたして、1ポイント差を逃げ切っての勝利をつかみました。
チームメイトの藤野選手はベスト16戦の第6試合に登場。相手は優勝候補の独り中村選手です。しかし中村選手はウォームアップ走行、ジャンプ着地時に部品が破損。そのままコンクリートウォールに激突しマシン大破するというアクシデントが。よって藤野選手の不戦勝。さらにタイヤが温存できるため、ライバルに対して有利にコマを進めました。
ベスト8戦の第2試合は、斎藤選手対川畑選手というGRスープラ同士のカードが実現! 同じGRスープラですが、斎藤選手のエンジンは2JZをベースにした900馬力強、いっぽう川畑選手は3UZをベースにした1000馬力超と仕様が違う2台。斎藤選手の1本目、後追いの川畑選手はセクター4で斎藤選手がイン側につけることができず。本来はそこを車速を落として待たなければならないのですが、待ちきれずにインカット。これが大きなミスと判定され大差がつけられてしまいます。川畑選手は諦めずに入れ替えの2本目で見事な走りを披露。斎藤選手もセクター4でミスをするのですが、大差をひっくり返すにはいかず敗退となりました。
続くベスト8戦の第3試合は、藤野選手対横井選手。横井選手は昨シーズン後半から調子を崩していたのですが、エビスで復活。横井選手が勝ち進みました。
ベスト8戦の第四試合は、昨年のエビス2連戦の両方を優勝した小橋選手と今年GRスープラで復帰した松山選手。ニューマシンを相手に、小橋選手はノリノリで快勝。小橋選手は「調子はいいし決勝までいけると思いますけど、新しいマシンたちがわからないんですよね」とコメントしていましたが、ニューマシンを蹴散らしていきます。
準決勝は日比野対斎藤、横井対小橋という対戦。日比野対斎藤は日比野選手がマシントラブルで斎藤選手の勝利。横井対小橋は、1本目に先行する横井選手が2ヵ所ゾーン不通過で小橋選手が圧倒的有利な展開に。さらに小橋選手先行の2本目は、横井選手が追い付くことができず圧勝。決勝は小橋選手対斎藤選手。斎藤選手先行の1本目、後追いの小橋選手は終始斎藤選手をプッシュしつづけ、後追いポイントを稼いでいきます。
入れ替えて小橋選手先行2本目になると、斎藤選手を引き離し圧倒的な速さ。これには会場も騒然。小橋選手はニューマシンであるGRスープラを2台退治し、エビスサーキット3連勝。自身4回目の優勝を果たしました。
勝った小橋選手は「エビスでしか勝てないと言われるのはちょっと……」と苦笑いをしつつも「勝てたことは、もちろんうれしいです。エビスサーキットはホームコースではありますが、年に数回しか走らないんですよ。多分、斎藤選手の方が走っていらっしゃるんじゃないですか?」とのこと。練習の成果ではなく、自身およびマシンとコースの相性がよいようです。斎藤選手は「2位は予想外の結果。これ以上は望みません。とりあえずホッとしました」と謙遜。今年3年連続のシリーズチャンピオンを狙う横井選手も「まずは上出来、と思っています」とコメントしました。
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