ワークスモバイルジャパンは8月27日、沢村バルブがビジネス版LINE「LINE WORKS」を導入したと発表した。
沢村バルブでは、造船業をはじめ、各種プラントや発電所など幅広い業態で使われるバルブを製造販売している。数年前からバルブ製造は本社とは離れた工場で行なっており、製品が完成すると社員が工場に赴いて検査する。社員が検査の合格・不合格の判定について相談をしたい時、担当者にすぐに連絡がつかないケースがあり、判定までに時間がかかってしまうという課題があった。
検査の結果、規格に合わないなどの問題が生じたときは、メールや電話などで本社に連絡・報告をするが、製品の状況や問題の発生状況を言葉だけで伝えることが困難だったという。今回、LINE WORKSを導入したことで、現場で製品の写真を撮り、社員全員で一斉に確認ができるようになった。
また、LINE WORKSではトークと画像をセットでログに残して長期間保存することができ、ISO対応にも有効だったことが導入の決め手となったとしている。
「組み立て」「鋳物部品手配」「検査」「機械加工」「見積もりと受注」など目的に応じたグループトークを作成。一番活発に利用されている「検査」というグループトークでは、毎日集荷前の検査、工場からの製品の受入検査、水圧検査など、さまざまな検査結果が投稿され、検査中の動画や問題箇所の写真など、写真と動画の両方を活用した報告をしている。また、完成した製品の検査の判定では、写真共有やメンション機能を活用し、即座に他の社員の判断を仰ぐことができる。これらのことから、現在の検査に要する時間は、従来の半分以下に削減できており、作業効率化に貢献しているという。
また、トーク履歴から情報を吸い上げ、製品の修理や新しい製品づくりのヒントとして活用している。バルブは使用期間が長く、納品からかなり年月を経た製品の補修やバージョンアップを依頼がある。それぞれの製品について、不具合生じた時期や内容、過去の補修状況やユーザーからの要望を、過去の状況がトーク履歴から確認できるようになっている。トーク履歴を確認することで、バージョンアップの際にどこを修正すべきかの理解が早まると同時に、新たな製品づくりのヒントにもなっているという。
沢村バルブのLINE WORKS共有ストレージ(Drive)には、数百枚の製品の図面が保存されている。製品検査において、製品が規格に沿っているかの判断基準となる「公差」は、製品別に異なるため製品ごとに覚えておくことは困難という。LINE WORKS導入以前は、全ての図面を工場に持参する必要があったが、現在はDriveに格納された図面を手元のスマホですぐに確認できるようになり、検査の手間を大幅に削減することができたという。