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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第111回

アップル新型iMac テレワーク向けの魅力的なデスクトップ

2020年08月25日 16時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●悩ましいNano-texture

 今回から、iMac 27インチのRetina 5Kディスプレーには、Nano-texture(ナノテクスチャー)ガラスのオプションを5万円で追加することができるようになりました。

 このガラスはProDisplay XDR向けのオプション(こちらは7万円)として登場しており、高いコントラストや発色、輝度を保ちながら、ガラス面の反射を抑えられるようになります。簡単に言えば、ディスプレーのカバーガラスを微細な磨りガラスとする、というイメージです。

 その効果は絶大で、通常のコーティングでは蛍光灯の形がはっきりと反射して見えていたところを、ぼんやりとなんとなく光源があるぞ、と認識できるほどにぼやけさせてくれます。そこまで強い光源でなければ、反射しているかどうかも分からないほどに反射が拡散してしまいます。

 じゃあ誰もが5万円のオプションを追加すべきか? といわれると、そういうわけでもありません。特に筆者は文字主体で広大な画面を活用したいと考えているので、Nano-textureオプションなし、通常の光沢のあるコーティングのガラスの方が良いと感じました。

 微細とはいっても磨りガラス。通常のRetinaディスプレーがもたらす、ぱっきりとした繊細な表示よりは、若干ソフトな印象になります。例えば写真でいえば、弱くグレイン(粒子)エフェクトをかけたような雰囲気、というと伝わるでしょうか。

 光学的に当たり前の話なのですが、細かい文字はわずかににじんで見えてしまい、視野角が増せばますほどにじみが増します。広い画面で中央に原稿のエディタ、左右に参考資料などを配置する場合、端にある文字がにじんでしまうのはもったいない、と感じてしまうのです。

 

筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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