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仕事に差がつく!阿久津良和「Microsoft 365のスゴ技」 第6回

Outlookの設定もクラウド上でローミング可能に

2020年09月04日 09時00分更新

文● 阿久津良和(Cactus) 編集●MOVIEW 清水

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 本連載は、マイクロソフトのソリューション「Microsoft 365」に含まれるSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション(以下、アプリ)「Office 365」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。

 Office 365を使いこなして仕事を早く終わらせたい皆様にお届けする本連載。今回はOutlookのクラウド機能に注目する。

メール以外の設定情報もクラウドへ

 一昔前はローカルに保存していたメールデータだが、今ではクラウドに保存するのが一般的になりつつある。当然ながらオンプレミスで構築したメールサーバーを使い続けている企業も少なくないものの、Microsoft 365やG Suiteに移行した方が運用コストの軽減につながる。

 Microsoft 365は内包するExchange Onlineでメール機能を提供し、クライアントとしてデスクトップアプリ版やWeb版のOutlookで受信したメールを操作し、スケジュールを調整しているが、データメールの実態はクラウド上にある。そのため我々は異なるデバイスから同じデータにアクセスできるが、デスクトップアプリ版Outlookを使い始めるまでには各種設定が必要だ。この点を改善したのが今回の新機能である。

ベータチャネル(バージョン2009)のOutlookでは、新たに「Outlookの設定をクラウドに保存する」が加わった

 上記のオプションを有効にすると、「Outlookのオプション」で行なった設定がクラウドにアップロードされ、異なるPCでも同じAAD(Azure Active Directory)アカウントでサインインすればOutlookの設定が引き継がれる。[サポートページ]によれば、「全般」「メール」「予定表」「グループ」「連絡先」「タスク」「検索」「簡単操作」「詳細設定」がローミング対象。「言語」「リボンのユーザー設定」「クイックアクセスツールバー」「アドイン」「トラストセンター」は対象外だ。

 本機能について[Microsoft 365ロードマップ]で確認してみると、「最終的にはWebやモバイルでOutlookを使用する場合でも、プライバシー設定やフォーカス受信トレイなど多くの機能を一貫して使用できるようになる」との説明からも分かるとおり、PCそしてモバイルデバイスで使用するOutlookのユーザー体験を高める意図があるようだ。

 Outlookはすでに仕分けルール(OWAでは「ルール」)もクラウドに移行し、署名データもクラウドに配置する[改良]を続けている。データも設定もクラウド化すれば、いつでもどこでも同じOutlookが使えるようになるだろう。なお、本機能は2020年8月にリリースされたため、最新チャネル(旧月次チャネル)や月次エンタープライズチャネルであれば、2020年9月から順次利用可能になる予定だ。

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