Windows 10 Pro搭載、プログラミング教育にも：

4万円台の組み立て式2in1パソコン「Kano PC」子ども用だけど親も欲しい

Kano PC
8月22日発売予定
市場想定価格 4万3780円
リンクスインターナショナル
https://kano.links.co.jp/

　アスキー家事育児担当の盛田諒ですこんにちは。今年度から小学校でプログラミング教育が必修化。片田舎の近所でも「プログラミング学習塾」の看板を見かけるようになりました。子どもにゲーム用ではないPCをあげるべきか悩む親御さんに教えたい製品が登場です。

　リンクスインターナショナルは8月6日、英Kano Computingの教育用2in1 PC「Kano PC」国内発売を発表しました。8月22日発売予定で、市場想定価格は4万3780円。OSはWindows 10 Pro。基板、バッテリー、スピーカーなどの部品を組み立てながらコンピューターのしくみを学べます。本体にキーボードカバーを着脱するタイプで、本体背面は内部構造がわかるよう透明になっています。

　タッチディスプレーは11.6インチ、SoCはIntel Celeron N4000（1.1GHz、デュアルコア）。メモリは4GB RAM DDR3、ストレージは64GB eMMCで、Micro SDカードスロットが使えます。インターフェースはUSB 3.0×2、HDMI×1、USB-C×1。Bluetooth 5.0対応で、キーボードカバーはJIS配列かな印字キーボードを採用。本体は1メートルの落下試験をクリアしています。本体サイズは幅287.5×奥行き194.0×高さ35.6mm、本体重量約1.23kg。

JIS配列のキーボードカバー（かな印字）を採用

パーツがばらばらに入っている

背面は透明。インターフェースにステータスLEDが光る

マイク端子とイヤホン端子は側面に

自分でバッテリーとスピーカーを組み立てる

基板に直接さわることもできる

　コーディングなどを学べるオリジナルのアプリやプラットフォームが充実しているのも特徴。ビジュアル（ブロック）プログラミングツールの「Kano Code」をはじめ、コードによってお絵描きをしながらJavaScriptを学ぶアプリ「Make Art」、チップセットやバイナリの流れといったコンピューターのしくみをミニゲームで学ぶアプリ「How Computers Work」を収録します。

お絵描きをしながらJavaScriptが学べる「Make Art」

ネットワークのしくみも学べる「How Computer Works」

　今回発売するKano PCは、Kanoが今年7月に発表した第2世代Kano PCの日本版にあたります。

　もともとNewsweekのライターだったKanoのAlex Klein CEOが発表会で話したところによれば、Kanoの社名は、日本柔道の祖である嘉納治五郎が由来。柔道と同じようにコンピューターの技術と技能も年齢を問わずすべての人々のためにあるべきという考えのもと、2014年、Raspberry Piを採用して、独自OSを搭載した「Kano Computer Kit」を発売したそうです。

　しかし教育現場ではJavaScriptを動かすなど、Raspberry Piよりスペックに対する要求が高く、汎用化されたソフトも必要とされる場面が多かったことから、2019年からはマイクロソフトと協業してWindows OSを搭載した教育向けパソコンKano PCを開発することになりました。

　KanoではKano PCにあわせたさまざまなアクセサリーも展開しています。

　ユニークなのはハリー・ポッターの魔法の杖をイメージしたコントローラー。コンピューター上でコーディングしたプログラムを、ジェスチャー操作で魔法のように操作できます。過去には同様に、スターウォーズ、アナと雪の女王とコラボレーションしたコントローラーも展開しました。

　今年はリモート学習などのために独自のウェブカメラ「Kano Webcam」も発売予定。自由な角度に曲げられるフレキシブルアームをそなえ、レンズをスライドさせることでマクロレンズに切り替えられる機能を持ちます。価格や発売日など国内展開についてはまだ発表されていません。

　文部科学省では現在、義務教育を受ける児童生徒に1人1台の学習用PCとネットワーク環境を整備する「GIGAスクール構想」を計画中。学習用PCの導入は2023年度までに実現する計画で、1台あたり最大4.5万円の補助金が支給されることになっています。

　Kano PCの価格はここに合わせたものになっていて、学校が学習用PCとして購入することを前提に考えられています。一方、4万円ちょっとであれば親が子どもに買い与えるにもよさそうです。組み立て式というところがちょっと面白そうで、子どもに与える前に自分でおもちゃとして遊んでみたい気もしますね。子ども用だけど大人も欲しいぞ。

 

 

書いた人──盛田 諒（Ryo Morita）

1983年生まれ。3歳児くんの保護者です。Facebookでおたより募集中。

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