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D1グランプリ 2020 TOYO TIRES密着レポート 第1回

20周年を迎えたD1グランプリの見どころをご意見番「マナP」に聞いた!

2020年07月18日 17時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 撮影●栗原祥光

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オジサン(ベテラン)ドライバーvs若手のバトルも見逃せない!

鈴木「昨シーズンは、ベテランに対し第三世代、第五世代が立ち向かう構図だったのですが、今年はさらに、D1ストリートリーガルの後に誕生したD1ライツからステップアップしてくる選手が登場します。たとえば蕎切広大選手はインフィニティ Q60という見たことないクルマで殴り込みをかけてきますし、他にも何名かがライツ上がりでやってきます。川畑選手、横井選手、斎藤選手という上位陣は変わらないと思いますが、そこに若手が挑む、いわば20周年から始まる次の歴史の目撃者になれる、というわけです」

と、鈴木さんは若手の台頭に期待する。

東京オートサロン2020で展示された蕎切広大選手のインフィニティ Q60

鈴木「若手といえば小橋選手は去年、完全に開花しましたからね。元々腕は持っていたと思いますけれど、いつもマシンが壊れてしまいコワシと呼ばれていて(笑)。それがタイヤ、マシン、チームといったすべての面でいいパッケージが去年揃って活躍しました。今年はもっと上にくると思いますよ。あと小橋選手や蕎切選手は20代なのですが、D1グランプリは若い選手があまりいないですからね。あとはオッサンばかり。他のD1ライツ上がりはオッサンばかりです。でもそれは正しい在り方で、下位カテゴリで勝てるようになるまで腕を磨いてきたというのと、あとオッサンは金を持っていますからね(笑)。金があるから上位カテゴリへステップアップするというのは、モータースポーツとして正しい姿です。ともあれ新人が今までのD1選手に立ち向かえるかというのが興味深いところです」

 そんな俊英に対し、気になるのはベテラン勢の動向だ。特に川畑選手ら元チャンピオンは気になるところだ。

川畑選手とA90スープラ。シーズン途中でエンジンを変更するなど、開発を進めるも不発に終わった

テスト中の川畑選手。今年は明るい笑顔をファンの前で見せてくれることだろう

鈴木「斎藤選手、川畑選手は去年登場したA90スープラで参戦していました。両名とも当初は苦労していましたが、斎藤選手は最終戦のオートポリスでやっと完成しました。一方、川畑選手は最後までエンジンを含めていい状態で戦うことができませんでした。ですが現在、川畑選手のチームは全部立て直しを図っていまして、おそらく去年のリベンジとして相当いい年になるだろうと思っています」。

 激しいA90スープラバトルが実現すれば、これは盛り上がること必至だ!

川畑選手が今年乗るマシンのデザイン案

SUPER GTなどではおなじみの「エヴァンゲリオンレーシング」がD1初参戦! マシンは昨年、川畑選手が使っていたA90スープラをベースに大幅にモディファイしたものだ

D1グランプリに復帰する松山選手。マシンはA90スープラだ!

鈴木「しかも、今年はA90スープラが計5台参戦します。昨年に引き続き斎藤選手、川畑選手、そして松山選手、ベテランの内海選手、そしてエヴァRTからスポット参戦の形になりますが、ツンクー・ジャン・レイ選手です。その中で注目の1台は、3年ぶりにD1グランプリに戻ってくる松山北斗選手ですね。活きのイイやつで、30代になったばかり。彼はトヨタの社員でもあるのですが、昔は難しかったんですよ。でも今回はプライベーターとして活動できるようになり復活するんですよ。しかもA90スープラで、なんとトヨタからスポンサードも受けています。しかもタイヤはTOYO TIRESですからね。要注目株ですね」。

 これは期待せずにはいられない!

 そして、A90スープラ以外にも注目のマシンがある。ロータリーエンジンの神様「雨さん」ことRE雨宮が遂に4ローターのRX-7をD1グランプリにデビューさせるのだ!

RE雨宮のドライバー、松井選手(左)と、ロータリーエンジンの神様、雨宮さん

東京モーターショー2019の会場で展示されていた開発中の4ローター搭載RX-7(FD3S)

昨年のFIAインターコンチネンタル・ドリフティングカップ準決勝の様子。夕暮れの中、ゴーチャ選手(写真手前)に対して、松井選手のFD3Sは果敢に攻めていた

鈴木「松井選手の4ローターが遂に完成しましたね。今までパワーとトルクが課題でしたから“それさえ揃ったら松井選手、チャンピオン間違いないですよね”と言ったら笑っていましたけれど。追い込まれていますよ彼は!(笑)」

 松井選手といえば、昨年末のドリフト世界一決定戦であるFIAインターコンチネンタル・ドリフティングカップに初出場ながら、チャンピオンのゴーチャ選手とバチバチのバトルで会場を沸かせたところは記憶に新しいところ。遂に雨さんのマシンがドリフト最強マシンになれるのか、とても楽しみだ。

二度あることは3度ある!? 横井選手は3年連続チャンピオンを目指す

鈴木「スリータイムズチャンピオンを目指す横井選手も、今までと同じパッケージのS15シルビアのニューマシンを作っていますね。S15でいえば、小橋選手のチームメイトであり、師匠でもある末永直人選手もニューマシンを作っていますから、これも相当強いだろうなと思いますね」

昨シーズンは雨の筑波を落としてしまった藤野選手

鈴木「一方、FIAインターコンチネンタル・ドリフティングカップ2位の藤野選手は何も変わらないんですよ。それゆえに今年も強いと思います。昨年、タイヤが変わって初戦の筑波を落としただけで、それ以降はすべてが上手い方向に行って一気に上位にきてチャンピオンに絡みました。彼は何も変わらないところが一番の強みであり、今年のチャンピオン争いに絡んでくると思います。ですから、横井選手、松井選手、藤野選手、末永選手、そしてさっき言った小橋選手は上位に残ってくると思いますよ。そこに最後に良くなった斎藤選手、復帰してくる松山選手、リベンジという意味で川畑選手、そこに新人がどう絡むのかじゃないですかね」

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