MacのCPU変更がついに発表! 「WWDC 2020」特集 第15回
新機能「睡眠」へのこだわりとは
Apple Watch新機能「睡眠」こだわりをアップルのテクノロジーVPに聞いた
2020年06月29日 22時00分更新
毎日シンプルに使える機能を目指した
睡眠記録の機能名称は英語では「Sleep」となる。とても短く、シンプルだ。リンチ氏は「Sleepが十分な睡眠を得るための包括的な機能で、どんなことをしてくれるのかをもっともシンプルでわかりやすく伝えたかった」のだと、ネーミングの意図を語っている。
アップルの睡眠記録には、多くのスリープトラッキングデバイスにありがちな機能、あるいはイベントと呼ぶべきなのかもしれない「採点=スコアリング」がない。眠りの質を数値化してしまうと、高い得点を得ること自体が目的化してしまう場合がある。時には余計な情報がユーザーの集中を妨げることになって、結果としてスコアは高くても良く眠れた実感が得られない、疲れが取れないということが起きる場合も十分にあり得る。
また反対に、良いスコアが出せないことで、自分は良い睡眠を得られていないのだと思い込んでしまうと、これもまた健康的な生活に障りを来す場合がある。睡眠記録をなるべくシンプルな機能に仕立て上げたアップルの選択を筆者も支持したいと思う。
眠りの質を高めるための「コーチング」は大事な要素だ。ほかのスリープトラッキングデバイスの中には、専門家によるアドバイスに基づいた詳しいレコメンデーションを投げかけてくるものもある。Apple Watchの場合は、コーチングを就寝準備としてシンプルにまとめあげて、「眠る」こと以外にユーザーが負担やプレッシャーを抱えないよう注意深く機能を設計した印象を受ける。
リンチ氏は「Apple Watchのアクティビティやヘルスケア機能など、コーチングの要素を持つ機能については、もっとも効果的なコーチングの姿をかたちにすべく考えています。特に睡眠機能では“前向きな支援”というアプローチで、やさしく励ますようなコーチングの体験をデザインしました。すでに多くの方が睡眠不足を実感されており、シンプルな方法で日々穏やかに就寝し、睡眠時間を確保できるように手助けします」と語っている。
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